妊娠中はお茶で便秘解消!妊婦にはごぼう茶・黒豆茶が効くって本当?

監修専門家 管理栄養士 渡辺 亜里夏
渡辺 亜里夏 神奈川県立保健福祉大学卒業後、予防医学に興味を持ちドラッグストアへ就職。その後独立し、現在はフリーランスの管理栄養士として特定保健指導、ダイエット指導、コラムの執筆、企業様での研修などを中心に活動。い... 監修記事一覧へ

妊娠中は便秘に悩まされる人が多く、産後まで症状が続くこともあります。妊娠中はあまり薬を飲みたくないし、どうやって対処したらいいのかと気になりますよね。そんな妊婦さんには、お茶で便秘解消を目指すことをおすすめします。今回は、タンポポ茶・黒豆茶・ごぼう茶など妊婦さんにおすすめのお茶についてご紹介します。

妊娠中って、どうして便秘になるの?

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妊娠すると体には様々な変化が表れます。妊娠初期の特徴的症状である悪阻やお腹が重くなることによる腰痛などのマイナートラブルが頻出し、便秘に悩まされる人も多くいます。

妊娠するとホルモンバランスが変化し、体のなかに栄養分を溜め込もうとして胃腸の運動が鈍くなります。また水分も溜め込もうとするので、便に水分がいきにくくなり便秘を引き起こします。

その他、つわりによって十分な栄養が摂れないことや、運動不足により腸の運動が鈍くなること、子宮が消化器官を圧迫することも妊娠中の便秘の要因といわれています。

妊娠中の便秘に効くお茶があるって、ほんと?

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妊娠すると、便秘になりやすいものだとはいえ、解消できないのは辛いですよね。便秘が解消されないことで、体の外に老廃物や毒素が排出されず、つわりがさらにひどくなるなどの悪循環も起こります。

しかし、妊娠中は安易に薬を服用できません。薬に頼らず便秘を解消するには、妊娠中にできる軽い運動をする、食物繊維を意識的に摂取する、便秘のツボを押すなど、その方法はいくつかあります。便秘解消に効果があるというお茶を飲むのも、その方法のひとつです。

お茶といえば、妊婦さんが避けたいカフェインが入っているものが主流ではありますが、カフェインフリーのものやカフェインが少なめのもので、排便を促す効果があるお茶もいくつかあります。次からは、そのおすすめのお茶をご紹介します。

妊婦さんにおすすめの便秘に効くお茶5選

たんぽぽ茶

1. タンポポ茶

タンポポは便秘解消に効果があるとされ、古くから漢方で利用されてきました。他にも利尿作用や、造血作用、母乳分泌の促進作用など様々な効果が得られ、妊娠中~授乳中まで飲むことができます。

コーヒーのような味わいでタンポポコーヒーとも呼ばれる、妊婦さんにはポピュラーなお茶の1つです。

2. 黒豆茶

黒豆茶にはペクチンなどの食物繊維・オリゴ糖が豊富に含まれており、便秘解消に効果があります。また、黒豆茶に含まれるアントシアニンという成分は抗酸化作用や、肌荒れや眼精疲労を改善するはたらきがあるといわれています。

黒豆茶は、市販の黒豆で手作りできるのも人気の理由です。大さじ1杯ほどの黒豆を電子レンジで約2分加熱するか、弱火にかけたフライパンで10分ほど炒り、お湯を注いで約5分蒸らすと香ばしい黒豆茶ができあがります。

ただし、カリウムが含まれているので、腎臓の悪い人は飲む量にご注意ください。

3. ごぼう茶

ごぼう茶には水に溶ける食物繊維「イヌリン」が多く含まれています。また、サポニンという成分は血液の循環を良くして、体内の老廃物を排出する効果を高めます。また、利尿作用があり、むくみの改善や脂肪代謝を促します。

ただし、ごぼうの種子には子宮を収縮させる効果があるとされています。ごぼう茶には、種子部分は使われていないですが、適量を継続的に摂取することが大切ですね。

4. ルイボスティー

ルイボスとは南アフリカに自生するマメ科の植物です。ルイボスの松の葉のような針状の葉の部分を茶葉にし、抽出します。ルイボスティーには、腸内の善玉菌のはたらきを活発にしたり、水分を集めて便をやわらかくし、出やすくしたりする作用があり、便秘に効くとされています。

飲みやすいうえにカフェインフリーというのも大きな特長です。

5. マテ茶

マテ茶は、アルゼンチンやブラジルなどの南米で親しまれているお茶で、最近ではペットボトル飲料が発売されるなど、日本でも人気が出てきました。

マテ茶は、別名「飲むサラダ」ともいわれるほど食物繊維やビタミン、カルシウム、鉄分が豊富に含まれています。脂肪の吸収やコレステロールを抑える効果もあり、女性にはうれしい効能がたくさんあります。

しかし、マテ茶にはコーヒーの1/4程度のカフェインが含まれています。飲み過ぎには注意しましょう。

妊娠中に便秘解消のお茶、センナ茶を飲んでもいいの?

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妊婦さんが避けるべき飲み物の成分としてカフェインが一般的ですが、他にも注意が必要な成分がいくつかあります。

例えば、妊娠中は貧血症状も起こしやすいので鉄分の吸収を阻害する「タンニン」を多く含むお茶は、避けた方がいいでしょう。カフェインフリーの紅茶であってもタンニンは含まれているので、すでに貧血症状が出ている場合は注意が必要です。

また、センナ茶は便秘解消のお茶として有名ですが、妊娠中には禁忌のお茶とされているので特に注意が必要です。

センナ茶に使われているセンナという植物の葉や果実は、医薬品として市販の便秘薬などにも使用されています。センナ茶には、医薬部外品であるセンナの茎が使われていますが、どちらにも含まれる「センノシド」という成分が排便を促す効果があります。

このセンノシドは、妊娠中に禁忌とされる成分で、子宮収縮を起こすことで流産・早産を引き起こす恐れがあるとされています。

それ以外にも便秘に効く漢方やお茶には、子宮を収縮させる作用があるものもあるので、パッケージの表示をよく見たり、購入前に薬剤師さんやかかりつけの産婦人科医に相談したりしましょう。

妊娠中は焦らず、ゆっくり便秘解消

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妊娠中に便秘になる原因には、ホルモンバランスや食生活の変化以外にも、ストレスや疲労、睡眠不足などの要因があります。お茶でリラックスする時間をつくりながら、じっくり便秘を解消していけるといいですね。

もしお茶や軽い運動などでも解消されず、ひどい便秘に悩まされ続けるようであれば、かかりつけ医に相談しましょう。妊娠中に飲むことができる薬を処方してくれることもありますよ。

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