1歳になると、これまでハイハイやつかまり立ちだった状態から大きく変化し、ついに安定して歩きはじめ、なかには小走りする子など、成長が目覚ましくなります。つい他の子と成長を比べてしまいがちですが、この時期の成長は個人差が大きいので、子供のペースに寄り添ってあげることが大切です。今回は、1歳児の発達の目安となる特徴をはじめ、身長や体重、言葉の成長についてご紹介します。
1歳児の発達の目安や特徴は?

1歳になると、あんよが進んで、これまでよりも劇的に行動範囲が広がったり、自分の意志をはっきりと表してきたりと、心や行動の成長が特に大きく見られます。生活リズムも整い、夜にまとめて眠ってくれるようになり、1日3食になるなど、大人と同じような生活ができるようになっていきます。
食事も、1歳前半でほとんどの子が離乳食完了期を迎え、幼児食になっていきます。同時に、乳歯も少しずつ生え揃い始めますよ。
1歳児の発達の目安になる特徴は以下のとおりです。
あんよをしはじめ歩行が安定してくる
つかまり立ちから少しずつ伝い歩きをするようになり、おおよそ1歳3ヶ月頃までには、多くの子があんよができるようになってきます。
初めは重心移動ができずに両手を上にあげてヨチヨチした不安定な歩き方をしますが、少しずつバランスのとり方を覚え、両手を下にして上手に歩けるようになりますよ。
小走りしたりボールを蹴ったりする
あんよが安定してくると、足腰の筋力がついてくることで、ママやパパにつかまりながら低い段差を上り降りするように。不安定ながらも小走りをすることもあります。運動能力が向上し、2歳近くになるとボールを蹴るような仕草をするようになります。
指先が器用に動かせるようになる
1歳3ヶ月頃になると、指先が器用になり、ボタンを押すなど、指や手で道具を使うのが上手になってきます。積み木を重ねられるようになり、スプーンやフォークを上手に使って離乳食が食べられるようになります。
自分という存在を認識し自己主張がはっきりしてくる
自我が芽生えだし、自分がしたいこと、嫌なことがわかるようになり、それを伝えようとしてきます。なかなか気持ちが伝わらず癇癪を起こすこともありますが、成長過程のひとつなので穏やかな気持で受け止めましょう。
子供の気持ちをママやパパが代弁するなど、伝える意欲を高めてあげると良いですね。
大人のまねやごっこ遊びをしたがるようになる
1歳6ヶ月頃になると、大人の仕草を真似したがります。掃除機をかけると近づいてきたり、ぬいぐるみに飲みものをあげようとしたり、ごっこ遊びに発展することも。
周囲への興味が高まっていると同時に、想像力や記憶力が発達している証拠なので、ママやパパがつきあって遊んであげましょう。
離乳食が進み、幼児食を食べるようになる
1歳6ヶ月頃には離乳食が完了しはじめます。個人差があるので、様子をみながら幼児食へ移行しましょう。大人と同じような食事内容でも、薄味で柔らかめが基本です。噛む力が弱いので、あまり固いものをあげないように気をつけてくださいね。
栄養面の観点から、1日1~2回おやつをあげて補いましょう。
上下の乳歯が生え揃う
早い子は1歳を迎える前に上下の前歯が生え揃っていることもあります。この頃になると奥歯も生え始め、歯磨きも本格的になっていきますが、まだ嫌がることがほとんど。
ママの歯磨きシーンを見せたり、歯ブラシを汽車に見立てたり、楽しみながら歯磨きへの興味を高めましょう。
1歳児の身長・体重の平均は?

1歳児になると、出生時よりも体重が約3倍、身長は約1.5倍になってきます。色々なことができるようになり、心や行動の発達が目覚ましい反面、体の発達は穏やかになっていきますよ。
これから2歳に向けて、体重は3kg前後、身長は10cm前後に成長していくのが目安。厚生労働省の調査によるパーセンタイルという統計数字によると、1歳児の身長・体重の目安は以下の通りです(※1)。
1歳児(1歳0ヶ月〜1歳12ヶ月)の身長・体重
● 男の子 身長:70.3~90.7cm、体重:7.68~13.69kg
● 女の子 身長:68.3~89.4cm、体重 7.16~12.90kg
1歳児の言葉の発達はどれくらい?

1歳になると、「ママ」「ブーブー」といった、意味のある1語を話し始めます。2歳近くなると、「ママ 抱っこ」など、2語を繋げて話せるようになり、少しずつ言葉が増えてきます。
まだ話す言葉は少なくても、ママやパパの言葉の多くを理解していて、「ないないするよ」「お片づけしようね」という呼びかけに行動で応えるように、簡単な命令もわかってきますよ。
他の子よりも話す言葉が少ないと心配になるかもしませんが、言葉の成長は個人差が大きいものです。3歳くらいまでは子供のペースに合わせて見守ってあげてくださいね。
言葉の出し方や表現方法が分からないということもあるので、ママやパパが絵本を読んだり、子供の気持ちを代弁したり、日々の生活の中で言葉を引き出してあげましょう。コツがわかると、ずっと1語しか話せなかった子が、突然2語3語と話し始めることも珍しくありません。
1歳児の発達で注意しておくことは?

1歳児の発達で注意しておくことは、誤飲や転倒です。この時期はなんでも挑戦してみたくなりますが、何が危険なのか理解していません。まだ子供から目を離さないように気をつけてくださいね。
例えば、あんよが安定しないことから、バランスを崩して転倒し、家具にぶつかってしまうことも。コーナークッションをつけたり、家具の置き場所を変えたりしましょう。
浴槽にお湯を溜めたまま扉を開けておくと、浴室で遊んで滑ったときに溺水してしまう恐れもあります。お風呂や洗面所、玄関周り、階段には、ガードをつけるなどの工夫が必要です。
危ないことをしたときは、「●●はしないよ」「危ないからここで遊ばないよ」と、厳しい態度で示すと、少しずつ危険なものを理解していきますよ。
1歳児の発達に不安があるときは専門家に相談しましょう
1歳になると、卒乳や断乳、おむつはずしを考えるママもいますが、焦る必要はありません。個人差があるものなので、子供に無理をさせないように、適度なタイミングを見極めてください。
また、この時期によくある悩みが、子供の癇癪です。自分でしたい欲求が通らないと、気持ちに折り合いがつけられず癇癪を起こしてしまうことも。「悔しかったね」「●●したかったね」と気持ちを言葉にしてあげると落ち着くこともありますよ。
子供の発達に不安があるときは、かかりつけの小児科や育児相談など、専門家に相談してみましょう。自治体によっては1歳半健診を行っているところも多いので、普段の気になる点をメモにまとめて聞いてみるのがおすすめです。