赤ちゃんや子供は誤嚥しやすい!誤嚥したときの吐き出させ方を図解!

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

食べ物を飲み込む際、誤って喉頭や気管に入ってしまうことを「誤嚥(ごえん)」といいます。高齢の方だけでなく、赤ちゃんや子供にも多い誤嚥。誤嚥は窒息を引き起こしてしまうこともあり、ママやパパは特に注意すべき事故です。今回は、誤嚥の原因やその症状、そして予防や対応についてご紹介します。

誤嚥とは?赤ちゃんや子供は誤嚥しやすい?

喉 苦しい 日本人 子供

食べ物や飲み物や唾液は、口から喉、そして食道を経て胃へと送り込まれます。しかし食べ物などが何かの理由によって、食道ではなく喉頭や気管に入ってしまうことを、誤嚥といいます(※1)。

似たような言葉として「誤飲」がありますが、誤飲は主に食べ物以外の異物を誤って飲み込んでしまうことをいいます。

赤ちゃんや子供が誤飲しやすいものとして代表的なのは、タバコや医薬品、玩具などです。誤飲は飲み込んだものが胃や腸などの内臓に悪影響を及ぼしてしまったり、ものが喉に詰まり窒息してしまうこともあります(※2)。

誤嚥は死亡事故に繋がることも?

子供 泣く 日本人

誤嚥すると、食べ物が通常入ってはいけない気管に入ってしまうことで気管を塞いでしまい、窒息してしまう危険性があります。

食べ物を誤嚥したことにより気道閉塞が生じ、亡くなってしまうというケースは年々増加しており、平成22年のデータでは4,869名が亡くなっています(※3)。

その多くは65歳以上の高齢の方ですが、赤ちゃんや子供にも誤嚥による事故が多く発生しており、0~4歳も毎年20~30人ほどが亡くなっています(※3)。

死亡事故の原因別では、「食べ物の誤嚥による窒息」は、0~2歳児で第4位、3歳児で第5位となっています(※4)。赤ちゃんや子供にとって、誤嚥はリスクの高い事故を引き起こす可能性があります。

赤ちゃんや子供が誤嚥する原因は?

離乳食 日本人

乳歯の奥歯が生えるのは1歳後半頃で、乳歯がすべて生え揃うのは3歳頃なので、それまでは食べ物を小さく嚙み砕くのが得意ではありません(※5)。

そのため小さな子供は多少大きな食べ物でもあまり噛まずに丸呑みしてしまい、誤嚥による事故が起きやすくなっているのです。

誤嚥しやすい食べ物は?

ピーナッツ バター アレルギー 落花生

14歳以下の子供が誤嚥により窒息死してしまったときに原因となった食品は、以下の通りです(※6)。

● お菓子(マシュマロ、ゼリー、団子など)
● 果物(りんご、ぶどうなどの、大きなかたまり状のもの)
● パン(ホットドッグ、菓子パンなど)
● 肉(焼肉、から揚げなど)
● その他(お餅、お寿司、チーズ、そうめんなど)

ゼリーやピーナッツは、噛まずに飲み込めてしまうため、誤って気道に入り窒息につながってしまいやすく、注意が必要です。

特にピーナッツなどの豆類は気管に入りやすく固いため、3歳頃までは食べさせない方が安心です。

また、こんにゃくゼリーは死亡事故もあったため、注意が必要です。

赤ちゃんや子供が誤嚥したときに現れる症状は?

子供 日本人 熱 ぐったり

誤嚥は気道に食べ物が入ってしまうので、呼吸に問題が起こります。咳込み、食べ物を自分で出すこともありますが、完全に食べ物が気道に詰まってしまうと声を出せなくなってしまいます(※7)。

喉のあたりを手でかきむしるような動作をしたり、いびきのような音を出したり、徐々に呼吸が弱くなり、顔色が悪くなっていきます。

また重症化すると、顔が真っ青になったり、意識がなくなってしまうこともあります。

誤嚥してしまったとき、どう対応する?

食べ物を誤嚥してしまい、声が出せないような状況のときは、まず119番に通報して救急車を呼びましょう(※5)。

もし意識がなく呼吸をしていない場合には、心肺蘇生が必要となります。胸部圧迫と、可能であれば人口呼吸を繰り返して行い、泣き出すか、救急隊が来るまで続けてください。

意識があるときは、以下の方法で詰まったものを吐き出させましょう(※8)。

背部叩打法

誤飲 誤嚥 イラスト 背部叩打法 

1歳未満の乳児の場合は、大人の片方の腕の上にうつ伏せの状態で乗せ、頭を低くした状態で支えながら、背中の真ん中を手の平で連続して叩きましょう。比較的、強めに叩いてください。

幼児の場合は、大人が立て膝をした上にうつ伏せの状態で乗せ、頭を低くして、腿でみぞおちを圧迫しながら、背中の真ん中を手の平で連続して叩きます。このとき、お腹の臓器を傷つけないように力を加減してください。

ハイムリッヒ法(腹部突き上げ法)

誤飲 誤嚥 イラスト ハイムリッヒ法

年長以降の子供の場合は、腹部に突き上げて行うハイムリッヒ法で応急処置をします。

まず、後ろから大人が子供を抱きかかえるように両腕を回し、みぞおちの下で片方の手首を握り、もう片方の手を拳にしてお腹を上方へ圧迫します。

誤嚥を予防するために必要なことは?

1歳 離乳食 赤ちゃん

誤嚥による窒息事故を防ぐためにするべきことは、大きく分けて2点あります。

それは「誤嚥しやすい食べ物を口にさせないこと」と、「誤嚥しやすい状況をつくらないこと」です。具体的には、以下のようなことに配慮しましょう(※3,6)。

● 食べ物を食べやすい大きさに切って与える
● よく噛み、小さくしてから飲み込む習慣をつくる
● 口の中の食べ物がなくなったのを確認してから、次の食べ物を口に入れさせる
● お茶や水、お味噌汁などを定期的に飲ませ、喉を湿らせた状態で食べさせる
● 食べ物を口に入れたまま喋らせない
● 食事中に遊んだり、歩きまわったり、寝転んだりしない
● 食事中に驚かせない
● 食事中に眠くなっていないか注意する

誤嚥による事故は未然に防ぐことができます

赤ちゃん ママ 抱っこ 日本人

大人に比べて体が小さく、食べ物を噛み砕く能力も劣る赤ちゃんや子供は、食事やお菓子を食べるときに誤嚥してしまう可能性があります。

2歳の子供が1粒3cmほどのぶどうを食べていて誤嚥し、泡を吹いてしまったり、赤ちゃんが離乳食を喉に詰まらせてしまったという事例もあります(※6)。

赤ちゃんや子供が何かを食べる際には、常に注意を払っておきましょう。

また子供は遊びながら食べたり、他のことに気を取られたりする「ながら食べ」をしがちです。こうしたことも、誤嚥による事故に繋がる要因となってしまいます。

「正しい食べ物」と「正しい食べ方」が、未然に事故を防いでくれますよ。

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