大人と同じように1日3回の食事ができるようになると、次はいよいよ離乳食最後の「完了期」です。食べられるものが増えたり、調理法も大人とあまり変わらなくなったりするので、離乳食作りもぐっと楽になりますよ。
今回は離乳食完了期の進め方について、食べさせる量や固さ、進め方のコツなどをご紹介します。
離乳食完了期に移行する目安は?
完了期に移行する目安は、1歳を過ぎた頃。赤ちゃんに以下のようなサインがでてきたら、完了期に進んでみてもよいでしょう。
□ 1日3回の離乳食を安定して食べられる
□ 手づかみ食べをしている
□ やわらかめの肉だんごくらいの固さのものを口の中でつぶせる
上記はあくまでも目安なので、年齢で考えるのではなく赤ちゃんの食べる様子にあわせて移行してくださいね。
1歳頃になると舌を前後左右上下に動かせるようになり、食べ物を歯茎でつぶすようになります。もし固形を嫌がったり、唇が片方によっている、片方の頬だけが膨らんでいるようであれば、まだうまく舌を動かし歯茎を使えていない可能性があります。
やわらかいものをある程度の大きさで噛んで食べる練習をもう少し続けてみましょう。
なお離乳食完了期に移行しても、離乳食の基本は変わりません。
● 食物アレルギーをチェックするためはじめての食材は1日1口から
● 食材の食べられる時期を確認
● 食材は加熱する
● 赤ちゃんのペースにあわせる
これらのポイントをおさえて、離乳食完了期を進めていきましょう。進め方の基本は下記記事を参考にしてください。
離乳食完了期の1日のスケジュールは?
※スケジュールは一例です
授乳と離乳食とのバランス
離乳食完了期になると、栄養の約8割を離乳食から摂るようになるので、赤ちゃんの食べ具合に合わせて授乳は徐々に減らしていきます。スキンシップとしての授乳も、食事に影響がないようにしましょう。
あまり食が進まず、栄養不足が心配な場合は授乳を続けてもよいですが、卒乳すると食べるようになることが多いようですよ。
離乳食とおやつとのバランス
赤ちゃんは1回の食事で食べられる量がまだまだ少ないため、この時期のおやつは、3回の食事で足りない分を補う「4回目の食事」と考えて、3食の合間に1〜2回あげましょう。
おやつの量は1日に必要なエネルギー量の1割程度を目安に、おにぎりやパンなどに牛乳や果物を加えた軽食のようなものにします。
時間と量を決めて、食事の前におなかがすくように調整してくださいね。
離乳食完了期の進め方は?
離乳食完了期は、上記のようなことを意識して進めてみましょう。
完了期に入ると、えびや貝類、ハムやウインナーなどの加工食品などほとんどの食材が使えるようになります。食材や調理法に変化をつけて、楽しみながら食事ができるようにしてあげてくださいね。
離乳食完了期から使える調味料は?
離乳食完了期からはケチャップやはちみつ、めんつゆ、ソース、酢、マヨネーズ、ピザチーズ、生クリームなども使えるようになります。ただし、1回の離乳食で使う油は小さじ1くらいまでがよいので、油分の多い調味料は使いすぎに注意しましょう。
調味料はなるべく香辛料が少なく、添加物不使用のものを使うと安心です。
完了期になると使える調味料の幅が広がるため、大人の食事からのとり分けもしやすくなりますが、素材の味を大切にして、引き続きうす味を心がけでくださいね。
食材の固さ・大きさの目安は?
離乳食完了期には前歯が生えそろい、舌もさらに自由に動くようになります。さまざまな形状の食べ物を体験させて、それぞれに合わせて食べ方を調節する練習をさせてあげましょう。
完了期後半には奥歯が生えてきますが、まだ噛む場所のメインは歯ぐきです。歯ぐきで噛める、やわらかい肉だんご程度の固さを目安にしてくださいね。
大きさは1cm程度の角切りから始め、スティック、乱切りなど色々な形に挑戦していきましょう。
手づかみ食べのサイズは?
白身魚・にんじん・食パンの場合
食べ物を手に持って、ひと口分を噛みちぎることができるようになってくるので、ゆで野菜や食パン、白身魚などを手に持てるように長めに切ってあげましょう。
ただしまだ噛む力は弱いので、食材はやわらかくゆでてくださいね。食パンは軽くトーストすると香ばしくなり、食感がでてよりおいしく食べられます。
離乳食完了期1食分の目安量は?
今回ご紹介する分量はあくまで目安です。個人差があるので、赤ちゃんにあわせて量を調整してくださいね。
完了期
【炭水化物】
● 軟飯 なら 90g〜(ごはん80g)
● ゆでうどん なら 90g
● 食パン(8枚切り)なら 35〜40g
いずれかでOK
【ビタミン・ミネラル】
● にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などの野菜 合計40〜50g
+
● バナナ なら 20g
● りんご なら 20g
● みかん なら 20g
いずれか
【たんぱく質】
● 肉(牛・豚ひき肉など)なら 15〜20g
● 魚(さばなど)なら 15〜20g
● 豆腐 なら 50〜55g
● 全卵 なら 1/2〜2/3個分
● ヨーグルト なら 100g
いずれかでOK
肉類や魚類はほとんどのものが食べられるようになりますが、豚バラ肉など脂肪の多い部分や小骨の多い魚、生ものはNGです。
果物は栄養的に野菜の代わりにはならないので、食べすぎないようにしましょう。
離乳食完了期の食べさせ方のポイント
● テーブルのお皿に手が届く位置に座らせる
● 足がしっかり踏ん張れるように調整する
● 食べ物を散らかしても見守る
● 手づかみ食べ・スプーン・フォークを使って一人で食べる練習を応援する
手づかみ食べが上手になったら、カーブがあって握りやすい赤ちゃん用のスプーンとフォークを用意しましょう。まずはスプーンを使って一人で食べる練習をさせてください。
赤ちゃんが食べ物をぐちゃぐちゃにしたり、食べこぼしをしたりして、片付けが大変と感じるかもしれません。一人で食べられるようになるための必要なステップなので、あたたかく見守ってあげてくださいね。
幼児食に移行する目安は?
1歳半を過ぎた頃を目安に、奥歯が生えてきて、1日3回の離乳食とおやつをほぼ安定して食べられるようになっていれば、赤ちゃんの様子をみてへ移行し始めてもよいでしょう。
□ 3回の離乳食と1〜2回のおやつを安定して食べられる
□ 食べ物を前歯でかみ切るだけでなく、すりつぶすようなかみ方ができている
□ 自分で食べようとする行動がみられる
□ 牛乳やフォローアップミルクといった水分をコップから飲めるようになっている
上記すべてに当てはまらないといけないわけではありません。だいたい当てはまるようになってきた頃に幼児食をスタートしてみてくださいね。