
妊娠中はこれから会える赤ちゃんへのワクワクが膨らむ反面、出産や陣痛に不安を感じることもありますよね。
お産への恐怖心を少しでも和らげるには、出産に向けた正しい知識や見通しと、ポジティブな心構えが大切。
そこで今回は、出産の兆候から分娩までの流れや、陣痛のメカニズム、お産の不安を減らす方法をご説明します。
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出産に至るまで、いつ・どのような出産の兆候が現れるのか、出産当日の流れはどうなるのかを画像にまとめました。
いざという時に焦らず対応できるよう、事前に大まかな流れを理解しておきましょう。



「出産の兆候」として具体的にどんなことが起こるのか、「前駆陣痛」「おしるし」「破水」という代表的な3つの兆候を中心にご紹介します。
前駆陣痛
前駆陣痛とは、本陣痛に先駆けて起こる不規則な子宮収縮のこと。本陣痛とは異なり、間隔や痛みの強弱も一定ではありません。
前駆陣痛は本陣痛の予行練習のようなもので、本陣痛が始まる前に子宮収縮を起こして、子宮の下の部分や子宮頸管を柔らかくするなどして、お産を進みやすくする作用があります。
前駆陣痛はいつ起こる?
一般的に前駆陣痛は妊娠36~40週頃の臨月に入ってから起こることが多いです。
しかしそのタイミングはかなり個人差があります。
例)
・臨月の前から前駆陣痛が来る
・本陣痛の前日に前駆陣痛が来る
・前駆陣痛が起こらないまま本陣痛が来る
「前駆陣痛は出産の前触れ」と思い込みすぎると、余計なプレッシャーになりかねません。「前駆陣痛はいつ来るんだろうか」などと、構えすぎないようにしましょう。
おしるし
おしるしとは「おりもの」の一種です。
出産が近づくと子宮口の蓋をしていた「粘液栓」と呼ばれるゼリー状のかたまりが剥がれおち、子宮口が開き始めて子宮が収縮し、子宮頸管の粘液と混ざって外に出てくるものです。
また子宮口付近から「卵膜」という赤ちゃんを包んでいる袋の一部が剥がれることで出血し、その血液が混ざることもあります。
一般的には、おしるしがあると赤ちゃんが子宮口近くに下がってきて子宮収縮が起きている証で、しばらくすると陣痛が始まります。
おしるしはいつ起こる?
おしるしは、出産当日~3日前に見られることが多いのですが、1週間以上前に見られたり、おしるしが3日間続いたりという妊婦さんもいます。
また、一度だけのおしるしで陣痛が始まる妊婦さんもいれば、何度もおしるしがある人や、おしるしがない人もいて、個人差があります。
破水
破水とは、お産が近くなることで赤ちゃんと羊水を包む卵膜が破れ、中の羊水が外へ流れ出ることをいいます。
破水の様子には個人差があり、いきなり大量の羊水が出る方もいれば、少量ずつ尿もれのように出る方もいます。
破水はいつ起こる?
通常のお産の流れでは、陣痛が起こって子宮口が全開(10cmくらい)になった後で破水が起こります。
ただし、陣痛の前にいきなり破水する「前期破水」、分娩開始後に子宮口が最大になる前に破水する「早期破水」、子宮の上部が破れる「高位破水」が起こることも。
上記のような破水があっても、特別異常なことではありません。
妊娠37~41週の正期産の時期ならいつ破水してもおかしくないとされていますが、重いものの持ち運びや妊娠後期の性行為などで妊娠37週以前に破水してしまうこともあります。
破水から実際に赤ちゃんが産まれるまでの時間には個人差があるので、変調を感じたら産婦人科や助産師に相談しましょう。


ここからは、出産までの流れを分娩第1期・第2期・第3期それぞれでご説明します。
※ここでは経膣分娩の流れをお伝えします。予定帝王切開の場合は、病院から詳しい説明があるので指示に従ってください。
分娩第1期(開口期)

陣痛開始から子宮口が完全に開くまでの時期です。赤ちゃんは、体を丸めて産道の中を回りながら下がっていきます。
自宅での陣痛間隔が、初産婦の場合は10分、経産婦の場合は15分が1時間続くようなら、一度病院に電話をして相談しましょう。
入院し、内診や分娩監視装置の装着など必要な処置・検査を行った後、陣痛室やLDRで過ごします。

陣痛には「ソフロロジー式」の呼吸が最適!

助産師の古市さん
呼吸法は「ソフロロジー式」が一般的です。口をすぼめて細く長く、15〜20秒かけて肺の奥の空気まで出し切るイメージで息を吐きます。
しっかり吐き切ると、その後は息を自然と素早く吸うことができます。お産のときの呼吸は、「吐くこと」に集中することが大切です。
1回の陣痛は3回呼吸をすれば乗り越えられる◎

助産師の古市さん
陣痛の持続時間は30〜50秒なので、この長く吐く呼吸を3回すれば乗り越えられます。
長く吐く呼吸をすると適度な良い酸素が赤ちゃんに循環すると同時に、ママをリラックスさせ、産道を広げて痛みを軽減してくれますよ。
分娩第2期(娩出期)

子宮口が全開し、いきみによって赤ちゃんを産み出す時期です。
子宮口が10cmに開いたら、分娩台へ移動、もしくはLDRのベッドの場合はそのまま待機します。
いきみが自然に出て、いきみに合わせて赤ちゃんの頭が見え隠れし(排臨)、やがてひっこまなく(発露)なります。
その後、頭、肩、両手、お尻、足の順で赤ちゃんが娩出されます。

陣痛を乗り越えるポイント!

助産師の古市さん
初産婦さんは陣痛の山を200回、経産婦さんは150回乗り越えたら赤ちゃんに会えると言われています。
気が遠く感じられますが、一つ乗り越えたら自分と赤ちゃんを褒めて、しっかり休んでから次の山を登るように、遠くのゴールに少しずつ近づいているイメージで臨むといいですよ。
分娩第3期(後産期)
赤ちゃんの娩出後、軽い陣痛がきて、30分以内で胎盤が出てきます。

分娩時によく聞く用語集
ここでは、分娩の際によく使われる言葉を少しご紹介します。
女性の外陰部と肛門の間にある「会陰」を分娩の際に切開して、赤ちゃんの通り道を広げる処置のこと。分娩がスムーズに進まない時や、赤ちゃんが苦しがっているような時など、短時間でより安全に分娩を行うために選択されることがあります。
お産で赤ちゃんがなかなか出てこない場合に、シリコンもしくは金属製の吸引カップを赤ちゃんの頭につけて、吸引圧をかけて体全体を引っ張り出す分娩方法です。
産後数日間にみられる、子宮収縮に伴う下腹部の痛みのことで、大きくなった子宮をもとに戻すために必要なお腹の収縮です。痛みの程度は人それぞれで、経産婦ほどつらい傾向にありますが、鎮痛剤でコントロールができるため心配しすぎることはありません。

出産の兆候や流れを把握したとしても、「陣痛の痛み」に対する不安が拭えない方も多いのではないでしょうか。
ここからは、助産師の古市さんのお話を中心に、陣痛のメカニズムと痛みの乗り越え方をお伝えします。
陣痛は未知の痛みではない!?

Q. 陣痛は、感じたことのないほどの痛みというイメージがありとても怖いです。

古市
さん
出産の痛みは「鼻からスイカ」と例えられる時もありますが、そのような未知の痛みではなく、「生理痛の痛み」に似ています。
生理痛が普段から強い人は10〜50倍の痛み、生理痛がほとんど無い人は100倍ほどの痛みと言われていますが、今まで耐えたことのある痛みと同じ種類なので、心配しすぎなくて大丈夫ですよ。
陣痛を乗り越える鍵は「ホルモン」
Q. 経験のある痛みだとしても、長時間の陣痛を乗り越えられるイメージが湧きません。

古市
さん
大丈夫です、女性の体はきちんと陣痛を乗り越えられるようにできています。
陣痛を司っているホルモンのことを「オキシトシン」、別名「愛情ホルモン」「幸福ホルモン」と言います。
陣痛の間はこのホルモンのおかげで幸せな気持ちに包まれ、痛みをプラスのイメージで乗り越えることができるんです。


古市
さん
陣痛の山を乗り越えたら、陣痛の時間よりも長いお休みが来ます。
お休みの時間には、「βエンドルフィン」という脳内ホルモンが出ることで、痛みを忘れることができます。
出産の時間は長いですが、実際に痛みがある時間は全体の1/5もなくほとんどがお休みの時間なので、怖がりすぎなくて大丈夫ですよ。


最後に、お産をポジティブに捉えるために大切なことを、古市さんに聞きました。
①不安の正体を認識しよう

古市
さん
出産に不安を感じるのは当たり前ですが、漠然と不安に思うことで出産への楽しみを軽減してしまいます。
陣痛なのか、会陰切開なのか、自分が何に「怖い」「不安」と思っているかをきちんと認識しましょう。
加えて「赤ちゃんはどんな顔なのかな?」「生まれた瞬間は笑顔で写真を撮っているのかな」などと、ポジティブなイメージもたくさん育てていきましょう。
②赤ちゃんと一緒に頑張る気持ちを育てよう

古市
さん
実は陣痛の際、赤ちゃんもすごく痛い思いをしながら生まれてきます。
ママがしっかり呼吸をすることで、産道が広がり、赤ちゃんの痛みを最小限に抑えながら出産を進められるんです。
自分一人ではなく、赤ちゃんと一緒に頑張っていると考えて、ポジティブな気持ちで臨みましょう。
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