ソフロロジー式分娩法とは?出産時に使う呼吸法や音楽は?

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

「ソフロロジー式分娩法」をご存じですか?「出産の不安が軽くなる」「楽に産める」などの効果があるとされていますが、知名度はそれほど高くなく、実施する産院も多くはありません。そこで今回は、ソフロロジー式分娩法の内容や、呼吸法や音楽の使い方などを、経験者の声を交えてご説明します。

ソフロロジー式分娩法とは?出産の不安をやわらげるの?

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ソフロロジー式分娩法とは、イメージトレーニングによって心身をリラックスさせて「出産の恐怖や痛み」を軽減させる方法です。麻酔などの人工的な手段は用いず、妊婦さんの意識を変えることで出産を楽にします。

そもそも「ソフロロジー(Sophrology)」は、スペインの精神科医が提唱した「身体的・精神的安定と調和をいかにして得るか」を研究する学問のことで、その考え方を出産に応用したのがソフロロジー式分娩です。

分娩法として一般的な「ラマーズ法」に次ぐ新しい方法として、フランスやドイツなど、ヨーロッパ圏を中心に少しずつ広まってきています。

ソフロロジー式分娩法には、ヨガや瞑想などの考え方が取り入れられており、陣痛などの痛みを「怖いもの」と考えるのではなく、「赤ちゃんに会えるうれしいもの」と前向きに捉えることで、リラックスして出産することを目指します。

ソフロロジー式分娩法のメリットは?

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ソフロロジー式分娩法には、次のようなメリットがあると考えられています。

● リラックスでき、陣痛や出産への不安が減る
● 赤ちゃんとの絆を感じられる
● 痛みがやわらぎ、お産が楽になる
● うまく力を抜くと、会陰が裂けにくくなる
● 体力の消耗が少なく、産後の回復が早まる

ソフロロジー式分娩法によって得られる効果には個人差がありますが、こういったメリットがあることを考えると、出産方法の一つとして検討してみてもいいかもしれませんね。

ソフロロジー式分娩法の方法は?

ソフロロジー式分娩法は、妊娠期間中からの準備を大切にしています。出産当日に向けてイメージトレーニングをし、瞑想・呼吸法を練習していきます。

イメージトレーニング

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出産を「痛いもの」「怖いもの」と考えると、分娩当日も緊張で体がこわばり、余計に痛みを感じてしまいます。

そこで、出産を迎えるまでの期間、妊婦さん自身の体に起きる変化や陣痛、ソフロロジー式での出産について、DVDなどでイメージトレーニングを行います。

妊娠中から「陣痛は赤ちゃんに出会うために必要なエネルギー」「出産は赤ちゃんとのはじめての共同作業」というイメージを刷り込むことで、陣痛に対する不安をやわらげ、赤ちゃんを迎える準備を整えていきます。

瞑想・呼吸法

ヨガ

ソフロロジー式の呼吸法は、鼻からゆっくり息を吸い、少し口を開けてゆっくりと長く息を吐き出す腹式呼吸が基本です。

一般的な分娩法として知られるラマーズ法では、「ヒッヒッフー」と呼吸して痛みに耐えますが、ソフロロジー式の場合、陣痛が来てもいきまず、赤ちゃんに酸素を送るためにリラックスして呼吸し続けるのが特徴です。

ソフロロジー式分娩法はあぐらが基本の姿勢なので、あぐらをかき、手は赤ちゃんを支えるように下腹部に当ててリラックスした状態で呼吸します。酸素が自分の体や赤ちゃんへとめぐる様子をイメージしましょう。

このとき、ソフロロジー用のCDなどで、リラックス効果のある音楽を聞きながら取り組むといいようです。ソフロロジー式分娩を行っている病院などでは、具体的なやり方を指導してくれます。

ソフロロジー式分娩法での出産の流れは?

ソフロロジー式分娩法は、病院によって細かい部分は異なりますが、大まかには次のような流れで進みます。

陣痛がきたら

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陣痛が始まったら、気持ちを落ち着かせるため、あぐらなど自分が楽な姿勢で呼吸に集中します。

鼻からゆっくりと息を吸い、お腹や胸をしっかりふくらませるのがポイントで、これを「完全呼吸法」と呼びます。

頭のなかではこれから始まるお産をイメージして、陣痛の痛みを前向きに捉えます。

陣痛が強まってきたら

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強くなってきた陣痛の痛みを逃すため、鼻から息を吸いこみ、ろうそくの火を消さないようにそっと揺らすイメージで、やさしく「フーーー」と息を吐きます。

痛みが遠のいたときは、全身の力を抜き、お腹や胸にたっぷり酸素を送りこむ完全呼吸法に戻ります。

陣痛中は、呼吸を止めたりせず、「赤ちゃんは下りてきているかな?」「酸素は届いているかな?」と赤ちゃんに気持ちを向け、「陣痛の間隔は短くなってきたかな?」「子宮口は開いてきたかな?」と自分の体の変化についても意識します。

子宮口が開いてきたら

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あぐらなど、リラックスできる姿勢でいきみ逃しをしながら、子宮口が全開になるのを待ちます。

どこか一点を集中して見つめ、手をおへその下あたりに当てて、10秒に1回くらいのペースで呼吸を続けます。かなり陣痛が強い時期ですが、できるだけ力を抜き、ゆっくり強く息を吐ききるようにします。

子宮口が全開になったら分娩台に上がり、赤ちゃんに酸素を送るイメージで呼吸法を繰り返します。

生まれそうになったら

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いきむのではなく、吐き出す息で赤ちゃんを外に押し出すようなイメージで、体を少し丸めながら腹圧をかけていきます。

このときのポイントは、目を閉じずに一点を集中して見つめることと、陣痛の痛みがないときは特に会陰の力を抜くよう意識することです。こうすることで、会陰が裂ける程度を少なくできるといわれています。

分娩台に上がったあとは、助産師などスタッフが呼吸のタイミングや方法を教えてくれるので、そのアドバイスに従います。

ソフロロジー式分娩法を体験した人の声は?

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ソフロロジー式分娩法を体験した人たちからは、「出産に対する不安がなくなった」「陣痛がくるのを待ち遠しく思えた」「落ち着いて分娩に臨めた」などの声が聞かれます。

なかには、「イメージトレーニングがうまくできず、思っていたほど穏やかな出産にはならなかった」という先輩ママもいます。初産で不安や恐怖感が強いという人は、時間をかけてイメージトレーニングをしたり、呼吸法を練習したりすると良いかもしれませんね。

ソフロロジー式分娩法について産院で相談を

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ソフロロジー式分娩法を取り入れている病院はあまり多くありませんが、興味がある人は、住んでいる地域で実践しているところがないか探してみましょう。

病院によっては、積極的に推奨しているわけではなくても、ソフロロジー式のCDを持ち込めるところもあるようです。もし興味があれば、かかりつけの産婦人科医や助産師に相談してみるのも良いかもしれません。

どんな出産方法を選ぶにしても、できるだけリラックスして臨めるといいですね。

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