妊婦の肩こりの原因は?妊娠中に効く解消法は?妊娠後期に起きる?

監修専門家 鍼灸按摩マッサージ指圧師、IASTM、NKT、PRI、ERS 島田 健
島田 健 累計約3万件の施術経験。東京医療専門学校本科にて鍼灸按摩マッサージ指圧師の国家資格を取得。在学中より様々な著名人やアスリートの通う治療院に勤め、その後コンディショニング施設にて治療面とトレーニング面か... 監修記事一覧へ

首筋が張る、肩が重い・痛いなど不快な肩こりの症状は、妊婦さんが悩まされるトラブルの一つです。肩こりがひどくなると頭痛につながることもあるので、できれば早めに解消したいですよね。そこで今回は、妊婦さんに肩こりが起きる原因や対策をご説明します。

肩こりってなに?頭痛にもつながる?

肩こり

肩こりとは、首から肩にかけての血流が悪くなり、筋肉が緊張して硬くなった状態を指します。首から肩、背中の筋肉がこわばり、後頭部から首の後ろにかけて突っ張ったような感じがします。

もともと冷え性の人や、寒さや疲れで体がこわばっていたり、運動不足や同じ姿勢が長く続いたりしたときなどに起こりやすい症状です。精神的なストレスが加わって、さらに肩こりが悪化することもあります(※1)。

肩こりがひどくなると、頭への血流も悪くなり頭痛に発展してしまうことも。頭痛に悩まされていた人のなかには、「肩こりが治って頭痛がおさまった!」という人もいるほど、肩こりと頭痛は密接に関係しています。

妊婦は肩こりになりやすいの?

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もともと肩こりのあった人だけでなく、「妊娠してから肩こりを感じるようになった」という声は多くあります。また、ひどい肩こりで頭痛を感じるようになり、「夜になってもなかなか寝られない」という妊婦さんも。

妊娠中は、ホルモンバランスの変化や、お腹が大きくなることによる疲労・運動不足・筋肉の偏りなどの条件が重なるため、肩こりになりやすいといえます。

妊婦さんが肩こりになる具体的な原因と対策については、次の章からご説明していきます。

妊婦の肩こりの原因は?妊娠後期に起きやすいの?

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妊婦さんが肩こりを起こしやすい原因として、主に次の3つが考えられます。

ホルモンバランスの変化による自律神経の乱れ

妊娠すると、「ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)」というホルモンが体内で作られはじめ、それにより「エストロゲン」と「プロゲステロン」という女性ホルモンの分泌が促されます(※2)。

妊娠前と比べてホルモンバランスが大きく変わるため、人によっては自律神経が乱れ、血行不良につながります。その結果、筋肉に届く酸素の量が少なくなるので、肩こりが生じることがあるのです。

体型変化や運動不足による血行不良

妊娠中は、お腹だけでなく胸も大きくなり、また体重も増加します。そのため、その重さを支える肩や首に負担が掛かり、肩こりが起こりやすくなります。

また妊娠中は思うように動けず、運動不足になりがちです。特にお腹が大きくなってくる妊娠後期は、この理由による肩こりが起きやすいといえます。

ストレスや緊張

ストレスを感じると人間の体は緊張状態、つまり筋肉に力が入った状態となり、肩こりが悪化することがあります(※1)。

妊娠したことで不安を感じたりお産が近づくことで緊張したり、妊娠前のように動き回ることができなかったりと、妊婦さんはストレスを感じやすい状況にあるので、肩こりが慢性化してしまうことも。

妊婦の肩こりの解消法は?

首 肩 疲れ

肩こり解消には、肩まわりの筋肉をほぐして血流を促してあげたり、適度にストレス発散や運動をしたりすることが大切です。次に挙げる方法を試してみてくださいね。

マッサージ

妊娠前からマッサージが好きだった、という妊婦さんも多いと思いますが、妊娠中はなかなかお店には行けないですよね。そこで、自宅でできるマッサージを試してみましょう。

タイミングは、お風呂あがりなど、体が温まっているときがおすすめです。パートナーに頼んでみるのもいいですね。

1. 肩から首筋の方向に、指で少し強めに押しながら滑らせる
2. 首の後ろの筋肉をほぐすために、頭の付け根から下に向かって少し強めにさする
3. 鎖骨の下側に沿って、内側から外側に向かって優しくさする
4. 最後に首の根っこから肩に向けて、さっとさする

ストレッチ

妊婦さんに特におすすめなのがストレッチです。デスクワークなどで同じ姿勢が続く人は、肩甲骨のこりをほぐすイメージでストレッチをしてみましょう。

1. 椅子や床などに楽な姿勢で座り、背筋を伸ばす
2. 両腕を背伸びをするように伸ばす
3. その後、肩甲骨を動かすイメージで、肘を曲げながら斜め後ろに腕を下ろす
4. 背中が気持ちいいところで10秒ストップ

これを無理のない範囲で10セットほど行うと効果的です。首、続いて肩をゆっくりと大きく回すだけの動きでも、肩こりが軽くなりますよ。

ただし、ストレッチの途中でお腹の張りを感じたときは、一旦体を動かすのをやめて安静にしてくださいね。

体を温める

下半身を温めることで、体中の血流が良くなり、肩こりが改善することもあります。のぼせやすくなる妊娠中には、長風呂よりも足湯がおすすめです。

また、蒸しタオルを肩や首に巻くのも心地よく、肩こり改善に効果的ですよ。

腹帯を巻く

腹帯を正しく巻くことで、大きくなったお腹の重みによる肩や腰への負担をやわらげることができるうえに、冷え性の予防にもつながります(※3)。

産婦人科医に相談のうえ、安定期に入ったら腹帯の使用を考えてみてくださいね。

好きなことでストレス発散

ストレスで肩こりを悪化させないよう、体調が良い日には短時間でも散歩に出るのがおすすめです。家から出る事で気分転換になり、さらに体を動かすことで血行も良くなりますよ。

ほかにも、歌を歌う、お菓子を作るなど、自分が楽しめることでストレス発散をしてくださいね。

妊婦の肩こり解消に、病院へ行くべき?

病院 受診 女性 婦人科

自宅でのストレッチやマッサージなどで肩こりが改善せず、どうしてもつらい場合はかかりつけの産婦人科で相談してみましょう。妊婦さんでも使える湿布薬や塗り薬を処方してもらえることがあります。

市販薬のなかには、妊婦に使用してはいけない成分を含むものもあります。知らない間に、お腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼす恐れがあるものを使用してしまわないように、自己判断で購入せず、まずは医師や薬剤師に相談しましょう。

湿布薬について、詳しくは関連記事を参考にしてください。

また、マタニティ整体でも肩こりの相談ができるので、妊婦さん専門の整体院に相談するのも一つの手です。

妊婦の肩こり対策は生活習慣の見直しから

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妊娠初期につわり症状があったり、お腹が大きくなる妊娠中期~後期で思いきり体が動かせなかったりするときに、肩こりを感じるとつらいですよね。

症状がひどくなると、こりや痛みが取れにくくなってしまうので、毎日少しずつでもリフレッシュのための時間を持ち、こまめに体をほぐすなど、日常生活のなかで対策を工夫してみてくださいね。

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