妊婦はカロナールやロキソニンの頭痛薬を使える?バファリンやイブは?

監修医師 産婦人科医 浅川 恭行
浅川 恭行 1993年東邦大学医学部卒業。2001年同大学院医学研究科卒業後、東邦大学医学部助手、東邦大学医療センター大橋病院講師を経て、2010年より医療法人晧慈会浅川産婦人科へ。東邦大学医療センター大橋病院客... 監修記事一覧へ

妊娠中、頭痛に悩まされている人は多いと思います。もともと頭痛持ちの人は、妊娠を機にひどくなることもよくあります。飲みなれた頭痛薬を使ってすぐに痛みを和らげたいところですが、妊娠中に薬を服用するときは注意が必要です。そこで今回は、妊娠に頭痛薬を飲んでもいいのか、カロナールやロキソニンは大丈夫なのか、また頭痛薬を使わない対処法などをご説明します。

妊娠中は頭痛が起こりやすい?

頭痛

妊娠と頭痛は切っても切れない関係です。特に若い妊婦さんに多く見られるマイナートラブルが「片頭痛」で、目の周りがズキズキと痛みます(※1)。

また、妊娠すると運動不足気味になり、体の血行が悪くなります。血行不良は首や肩の凝りを引き起こし、頭痛につながることがあります。後頭部から首筋にかけて頭全体が締めつけられるように痛むのが特徴です。

他にも、妊娠中は血液量が増えるため、もやもや病などの脳血管疾患を発症するケースもあります(※1)。

なお、頭痛のほかにむくみや尿蛋白も見られる場合は「妊娠高血圧症候群」、目のかすみや痙攣がある場合は「子癇(しかん)」などの前兆の可能性もあるので、かかりつけの産婦人科ですぐ相談しましょう(※2)。

妊婦は頭痛薬を飲んでもいい?胎児への影響は?

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妊娠前であれば、頭痛薬に頼ることができましたが、妊娠するとそうはいきません。妊娠中に薬を服用することで、胎児の奇形や死亡、生まれてくる赤ちゃんの病気や障害などを引き起こすリスクがあるからです(※3)。

頭痛薬に含まれる鎮痛作用のある成分は、赤ちゃんに悪影響を与えることがあるので慎重に判断しなければなりません。特に妊娠初期は、器官形成期といって赤ちゃんの器官が形作られる時期で、薬による影響を受けやすくなります(※3)。

そのため、妊娠初期に限らず、妊娠中は原則として頭痛薬を使わないか、どうしても必要な場合には医師に相談してください。

妊娠中に飲める頭痛薬はあるの?カロナールは?

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先述のように、妊婦さんは頭痛薬の服用を控えた方が良いですが、妊娠中に服用したとしても、胎児への影響がないことが研究で示されている頭痛薬もあります。どうしても頭痛がつらくて日常生活に支障が出る場合には、薬の処方について病院に相談しましょう。

妊娠中に飲む頭痛薬として一番に選択されるのは、「アセトアミノフェン」という成分を含んだ薬です。アセトアミノフェンは、赤ちゃんの奇形を引き起こすリスク(催奇形性)や動脈管への悪影響がほとんどなく、適切な服用量を守れば、妊婦さんが飲んでも問題ないとされています(※2,4)。

病院で処方される「カロナール」という頭痛薬は、「アセトアミノフェン」を主成分としているので、基本的には妊婦さんでも飲めますよ。

ただし、カロナールの添付文書には「妊娠中の投与に関する安全性は確立していない」との記載があり、妊娠28週以降に服用すると「胎児に動脈管収縮を起こすことがある」とされています(※5)。ほかの頭痛薬に比べて安全とはいえ、できるだけ薬に頼るのは控えておきたいですね。

なお、市販の頭痛薬にも、「ノーシン」や「セデス」などアセトアミノフェンを主成分としたものがあります。ただし、妊娠中は自己判断で服用せず、飲む前に必ずかかりつけの産婦人科医に相談しましょう。

妊娠中にイブやバファリン、ロキソニンは飲んでもいいの?

記号 看板 禁止 注意 ストップ

妊娠前に、市販の頭痛薬として「イブ」や「バファリン」「ロキソニン」を服用していた人は多いと思いますが、これらの市販薬は妊娠中に服用しても良いのでしょうか?

イブ

主成分

イブプロフェン

胎児への影響

イブの主成分であるイブプロフェンは、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)に分類され、このNSAIDs全般について、妊娠後期の服用が推奨されていません(※2,4)。

バファリン

主成分

アスピリン

胎児への影響

バファリンの主成分であるアスピリンは、イブプロフェンと同じく非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)に分類されますが、奇形性はないとされています(※2,4)。

しかし、適切な服用期間や服用量を超えると、難産や死産、胎児の動脈管収縮などのリスクが高まるとされているため、特に妊娠後期の服用は控えましょう。

ロキソニン

主成分

ロキソプロフェンナトリウム

胎児への影響

ロキソニンを含む頭痛薬も非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の一種なので、妊娠後期の服用が推奨されていません(※2,4)。

なお、「イブA錠」「バファリンA」「ロキソニンS」の添付文書には「出産予定日12週以内の妊婦(つまり妊娠8ヶ月以降)は服用しないこと」と明記されています(※6,7,8)。

また、妊婦さんは服用前に医師に相談するよう明記されているので、これら市販の頭痛薬は服用前に必ずかかりつけの産婦人科医に相談してくださいね。

妊娠中に頭痛薬を使わずに対処するには?

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妊娠中の頭痛はできるだけ薬に頼らず、生活習慣の見直しや対症療法で改善することが大切です。ストレスや疲れが頭痛を悪化させることがあるので、日頃からたっぷり睡眠をとり、体調管理をして、無理のない範囲で体を動かして血行を良くしておきましょう。

化学成分の入った薬に抵抗がある場合、漢方薬が処方される場合もあります。

頭痛にはストレスなどが大きく関係していることも多いので、ホルモンバランスの乱れによるイライラをやわらげる「加味逍遥散(かみしょうようさん)」などが使われます(※3)。また、肩こりからくる頭痛の場合は、「葛根湯(かっこんとう)」が効くとされます。

頭痛を和らげる漢方薬の処方についても、かかりつけの産婦人科医や薬剤師に相談してくださいね。

妊娠中の頭痛がつらいときは医師に相談を

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頭痛がひどくなると、ほかに何も手につかなくなるほどつらいときもありますよね。ただし、妊娠中は服用するべきではない頭痛薬も多いので、購入・服用する前にまず医師に相談してください。イブやバファリンなどの市販薬ではなく、病院で処方されるカロナールなどを飲むのが無難ですよ。

妊娠中は頭痛が起きやすいので、「いつものこと」と軽視しがちですが、場合によっては妊娠高血圧症候群や子癇の症状として現れていることもあります。放置しておくと出産にも悪影響を与えるので、頭痛がよく起きる人は妊婦健診のときなどに相談してくださいね。

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