毎月、生理が来るたびに憂うつになる人は多いと思います。生理痛があったり、精神的に不安定になったりと不快な症状が続き、「早く終わってほしい」と考えてしまいますよね。しかし生理の期間が短すぎると、「過短月経」と呼ばれ、治療が必要になることもあります。そこで今回は、生理が短い「過短月経」について、原因や治療法などをご説明します。
生理が短い!2日で終わると過短月経?
女性の正常な生理は、1回につき3~7日間続きます。生理の期間がこれよりも短く、出血が2日以内で終わる場合は、「過短月経」と呼ばれます(※1)。
過短月経は月経異常の一種で、出血量が少ない「過少月経」を伴うことが多いので、生理が来たこと自体に気がつかないケースもあります。
生理が短い原因は?2日で終わるのは病気の可能性も?
過短月経が起こる原因は様々で、一つだけではなく、いくつかが重なって起こっていることも珍しくありません。また、年齢によっても原因が異なることもあります。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れは、過短月経の原因として多く見られるものです。
女性ホルモン「エストロゲン(卵胞ホルモン)」は、卵胞を成長させて排卵を促したり、妊娠しやすいように子宮内膜を厚くしたりする働きがあります。分泌量が減少すると、これらの働きが悪くなって出血が少なくなり、生理期間も短くなってしまいます。
女性ホルモンの分泌は、ストレスや疲れ、過度なダイエットなど、ちょっとしたことがきっかけになって乱れてしまうことがあります。
ホルモンバランスの乱れが原因の過短月経を放っておくと、頻発月経や無月経など、さらなる月経異常を招いてしまう可能性があります。
更年期
40代後半になって更年期に入ると、閉経に向けての準備が始まります。そのため、段々と生理の量が少なくなり、生理期間も短くなります。
40代を超えていて、生理期間が短くなる以外に、のぼせや動悸、頭痛、精神的な不安定などの症状があれば、更年期による過短月経と考えてよいでしょう。
子宮内膜炎などの後遺症
細菌に感染して「子宮内膜炎」にかかると、それが完治したあとも、子宮内膜の発育が妨げられる場合がまれにあります。
生理は厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちることで起こるので、子宮内膜の発育が悪いと、生理時に剥がれ落ちる量が少なくなり、出血量も減ってしまいます。
子宮が未発達
子宮が未発達の状態だと、きちんと子宮内膜が成長できず、生理が短くなりがちです。特に月経が始まったばかりの思春期の女性に多く見られます。
単純に子宮の成長が遅いだけなら、時間が経つにつれて改善していきます。しかし20代になってもなかなか改善しないときは、生まれつき子宮が小さい、または生まれつき子宮内膜が十分成長できないという可能性もあります。
生理期間が短いときは妊娠している可能性もある?
「生理が短い」と感じた場合、妊娠している可能性もゼロではありません。生理だと思っていた出血が、着床出血など、妊娠中に起こる不正出血かもしれないからです。
不正出血は1~2日ほどで治まる一時的なものなので、妊娠に気づいていない状態では「生理が短かった」と勘違いすることもあります。
基礎体温で高温期が続いているなどの妊娠初期症状が現れている人は、数日間出血があったとしても、生理予定日の1週間後以降に妊娠検査薬で調べてみることをおすすめします。
過短月経で病院に行く目安は?
10代や50代の女性であれば、年齢の影響で過短月経になることはしばしばありますが、それ以外の年代の女性の過短月経は、体になんらかの問題が起きているサインである可能性もあります。
「前回は生理期間が短かったけど、今回はいつもと変わらない」という状態なら様子をみてもいいかもしれませんが、月経期間が以前より明らかに短くなり、その状態が何周期も続いたときは、早めに婦人科を受診することが大切です。
ストレスや体調不良などの影響で一時的に生理が短くなっているだけかもしれませんが、問題がないかどうかを調べてもらうだけでも安心ですよ。
生理期間が短いと、不妊につながる?治療法は?
過短月経は、原因によっては不妊を引き起こす可能性があります。きちんと検査を行い、原因にあう治療を行うことが大切です。
子宮内膜炎など、病気が原因であればその治療を優先的に行います。
特に病気がない場合は、低用量ピルを服用したり、排卵誘発剤を使って人工的に排卵を起こしたりして、ホルモンバランスを整えることもあります。
また、ストレスも過短月経の原因となり得るので、生活習慣を改善してストレスを減らすことも大切です。
ストレスを全て取り除くことは難しいかもしれませんが、睡眠をたっぷりとる、栄養バランスの取れた食事をする、軽めの運動を行うなど、できるだけ規則正しい生活を心がけ、ストレスを発散していけるといいですね。
生理が短い過短月経は、早めに治療しよう
生理中は不快な症状が続くので、「短期間で生理が終わると楽」と思ってしまうかもしれません。しかし、過短月経を放置しておくと、無排卵などにもつながり、不妊を招くことがあります。将来妊娠を希望しているのであれば、早めに原因を特定し、治療を行いましょう。
過短月経は痛みなどがないので、ついつい放っておきがちですが、少しでもおかしいなと感じたら医師に相談してくださいね。