更年期の生理不順とは?40代で始まるの?遅れる理由は?

監修医師 産婦人科医 山本 範子
山本 範子 日本産科婦人科学会専門医。平成5年、日本大学医学部卒。日本大学附属病院および関連病院で産婦人科医として経験を積み、その間に日本大学総合健診センターで婦人科検診にも力を注いできました。現在は港区の日野原... 監修記事一覧へ

更年期に現れる典型的な症状の一つに「生理不順」があります。更年期に入ると生理周期が不安定になり、経血量が以前より増えたり減ったりします。このような変化を、40代後半頃から実感する人が多いようです。今回は、更年期の生理不順について、起こる仕組みや症状、対策方法などをご紹介します。

更年期の生理不順とは?

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そもそも「生理不順」とは、25~38日の正常な生理周期を外れて、周期が短くなったり長くなったりすることをいいます。また、1回の生理が続く正常な日数は3~7日ですが、2日以内で終わってしまったり、8日以上出血が続くケースも、生理不順といえます。

生理不順は、初潮を迎えてから閉経にいたるまでのすべての女性に起こり得るものです。正常な生理周期の範囲を外れたとしても、それが毎回続くのでなければ、過度の心配はいりません。

閉経を迎える前後の期間を「更年期」と呼びますが、更年期に起こる生理不順は女性の加齢に伴う自然な現象で、2~5年続いた後、1年以上生理がこなくなったときに閉経と見なされます。

更年期の生理不順は40代から?

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日本の女性の平均的な閉経年齢はおよそ50歳で、50歳をはさんだ前後10年間、つまり45~55歳くらいが更年期にあたります(※1)。40代を過ぎた頃から閉経に向けて少しずつ体が変化し始め、生理周期も不規則になっていきます。

閉経の迎え方は人それぞれですが、次のようなパターンがよく見られます。

1. 生理周期が短くなり、生理が早く来るようになる
2. 経血量が少なくなり、生理が早く終わるようになる
3. 生理周期が3ヶ月に1回など、間が空くようになる
4. 閉経を迎える

なお、一般的には40歳未満の閉経を「早発閉経」と呼びます。通常よりも早く女性ホルモンが減ることにより、骨粗しょう症などの病気リスクが上がるため、ホルモン療法などを一定期間行うことになります。

更年期の生理不順が起こる仕組みは?

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女性の体内では、女性ホルモンの「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の分泌量が変動することにより、生理周期が作られています。

卵巣がうまく機能しているときは、卵胞からエストロゲンが分泌され、脳下垂体からは「黄体刺激ホルモン(LH)」と「卵胞刺激ホルモン(FSH)」が分泌されます。これにより、正常なホルモンバランスが保たれているのです。

しかし更年期に入り、卵巣機能が低下してくると、まず卵胞からのエストロゲンの量が減少します。その信号を受け取った脳下垂体からは、LHとFSHが大量に分泌されるようになります。

いわゆる「更年期障害」は、過剰分泌されたLHとFSHが自律神経中枢に影響を及ぼすために発生すると考えられています(※2)。

このようにして、ホルモン分泌量のバランスが崩れると、生理周期にも乱れが生じてしまうのです。

なお、生涯にわたり、卵巣から排卵される卵子の数は決まっており、更年期になると正常な機能を持つ卵胞は減っていきます。やがて、生理のような出血はあるものの、排卵を伴わない「無排卵周期(無排卵月経)」を繰り返し、閉経に至ります。

更年期の生理不順の症状は?

チェックリスト

40代半ば頃から生理不順が続いたときは、更年期障害のほかの症状も現れていないかどうかを確認しましょう。下記のような症状があれば、更年期の生理不順が始まっている可能性が高いといえます(※2)。

更年期障害の症状

  • のぼせ・ほてり・発汗がある(ホットフラッシュ)
  • 手足が冷える
  • 動悸がする
  • イライラや不眠、頭痛がある
  • 腰痛・関節痛・肩こりが見られる
  • 吐き気や食欲不振がある
  • 皮膚が乾燥し、かゆみがある
  • 頻尿や性交痛がある

これらの症状がつらいときは、婦人科を受診してみましょう。また、このような自覚症状がない場合は、何らかの病気のせいで生理不順になっている可能性も考えられるので、念のためきちんとした検査を受けましょう。

更年期の生理不順で起こる不正出血にどう対処する?

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更年期に生理不順が起こると、生理が来ると思っていたタイミングで来なかったり、突然、大量に出血してしまったり…というトラブルに悩まされる人もいます。

予期せぬ大量の不正出血は、女性ホルモンの減少によって子宮内膜が充分に厚くならず、剥がれ落ちないまま子宮内膜に溜まり、それが次第に増殖して厚くなって、ある日どっと腟内に排出されることで起こるものです(※3)。

生理周期が不安定なときは、低用量ピル(経口避妊薬)を飲むなどして、周期を整える治療が行われる場合もあります。しかし、低用量ピルには副作用として血栓症を起こす可能性があり、年齢が上がるほどそのリスクは上がるため、更年期の生理不順の治療法としては心配な点もあります。

その代わりに、生理周期の後半から10~14日間、プロゲステロンだけを投与する「ホルムストロム療法」を実施することがあります(※2)。

ホルモン剤の服用が終わって1週間以内には消退出血(人為的な生理)があるため、あらかじめ出血のタイミングを把握しやすいというメリットがあります。

生理不順で治療が必要かどうかを判断してもらうためにも、症状がひどいときは婦人科を受診しましょう。

更年期の生理不順とうまく付き合いましょう

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更年期に見られる生理不順は、加齢に伴う自然な現象です。突然の不正出血には気をつけたいところですが、「生理周期が不規則になるのは仕方ない」と割り切り、うまく付き合っていきましょう。

肩こりや腰痛、ホットフラッシュなどその他の更年期障害がつらいときは、我慢せず婦人科を受診してくださいね。

ただし、生理不順や不正出血の原因が更年期だけでなく、子宮筋腫や子宮腺筋症、多嚢胞性卵巣症候群、子宮体がんといった病気の可能性もあります。生理周期における不安を感じたときは、自己判断で放置せずに、医師に相談してみましょう。

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