更年期障害とは?症状をチェックしよう!年齢はいつから?

記事監修 婦人科医 山本 範子
山本 範子 日本産科婦人科学会専門医。平成5年、日本大学医学部卒。日本大学附属病院および関連病院で産婦人科医として経験を積み、その間に日本大学総合健診センターで婦人科検診にも力を注いできました。現在は港区の日野原... 続きを読む

10年前頃はまだ知名度が低かった「更年期障害」ですが、最近はよく耳にするようになりました。でも、なんとなくは知っているけど詳しい症状までは分からないという人も多いのではないでしょうか?更年期障害は50歳以上の人がなるものと思っているかもしれませんが、実は20代や30代の女性が更年期障害になる可能性もあるのです。今回は更年期障害について、症状や発症する年齢、チェック方法や治療方法などをまとめました。

更年期障害とは?

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女性の体内では年齢を重ねるにつれて、女性ホルモンのバランスが変化します。そして、一般的には50歳近くなると卵巣の機能が次第に低下し、月経が起こらなくなると閉経を迎えます。

日本人の平均閉経年齢は50歳ですが、個人差が大きく、早い人で40歳台前半、遅い人で50歳台後半に閉経を迎え、閉経前後の5年間を更年期といいます(※1)。

閉経で卵巣の機能が低下すると、女性ホルモンのひとつであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が急激に減少し、さまざまな症状が現れる場合があります。

それらが他の病気に伴わないものを更年期症状と呼び、そのなかで日常生活に支障をきたす症状の重いものを更年期障害と呼びます。

更年期障害の原因は?年齢はいつから?

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更年期障害の原因は、女性ホルモンの分泌バランスの乱れです。

早い人だと40代前半から卵巣の機能が低下し始め、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が減少します。エストロゲンが減少すると、ホルモンの分泌を司る脳の視床下部は卵巣に対してもっとエストロゲンを分泌するように指令を出します。

しかし、指令を出してもエストロゲンが分泌されないために視床下部が混乱をきたしてしまいます。このように自律神経のコントロールも行っている視床下部が混乱することで、体に様々な不調が現れるのです。

ただ、更年期障害はすべての女性に起こるわけではなく、症状が軽い人もいれば重い人もいて、ほとんど症状が出ないという人もいます。また、後述しますが、20代や30代の若い人たちに起こる早発卵巣不全という状態に陥ると、更年期障害と同様の症状が起こることがあります。

更年期障害の症状チェックリスト!

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更年期障害の症状として顕著なのは、自律神経にかかわるものです。たとえば、それほど気温が高くないのに体が熱く、のぼせたような状態になったり、汗がたくさん出たり、逆に異常なほどに寒さを感じたりします。

のぼせたような症状は「ホットフラッシュ」といって、更年期障害の典型的な症状です。また、精神的な落ち着きをもたらす作用のあるエストロゲンが減少するため、イライラしたり悲しくなったりといったネガティブな感情を抱きやすくなることもあります。

その他、頭痛やめまい、不眠などの症状もありますが、どんなものが現れて、どれくらいひどいかは個人差があります。

主な症状をチェックリストにまとめたので、自分の症状と見比べてください。当てはまるものが多ければ更年期障害の可能性がありますよ。

更年期障害のチェック項目

□ 汗をかきやすい
□ のぼせる・ほてる(ホットフラッシュ)
□ 記憶力や判断力の衰えを感じる
□ イライラしやすい
□ 憂うつな気持ちになる
□ 寝つきが悪い、眠れない
□ 耳鳴り、頭痛、めまいがある
□ 動悸、息切れがある
□ 疲れやすい
□ 吐き気や腹痛がある
□ 肩、腰、背、手足に痛みがある
□ 手足が冷えやすい
□ トイレが近い
□ 肌がカサカサする
□ 太る
□ 痩せる
□ 抜け毛が増える

更年期障害と診断されたら?治療法は?

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更年期障害の症状がたくさん当てはまる場合や、当てはまる項目は少なくても特定の症状がつらい場合、我慢せずに婦人科を受診しましょう。

血液検査でホルモンの数値を検査すれば、更年期症状によるものかどうかがわかります。

更年期障害は、加齢による卵巣機能の低下という自然現象からきているので、対症療法が基本です。不快な症状をなるべく抑えることで日々の生活を送りやすくなることが治療の目標なので、医師と相談しながら上手に治療法を組み合わせてくださいね。

ホルモン補充治療

減少したエストロゲンを内服薬や貼り薬などで補充する治療法です。健康保険が適用されるので自己負担が少なく、更年期障害を根本的に治療できます。

ホットフラッシュや動悸などの自律神経系の不調を改善、閉経後に進行しやすい骨粗しょう症を予防してくれます。

漢方治療

ホルモン補充治療が合わない場合や血栓症や乳がんにかかったことがあり、ホルモン剤が使用できない場合に適用され、対症療法が行われます。

通常婦人科では、健康保険の適用がある漢方が処方されることがほとんどですが、心配な場合は治療の前に医師に保険の有無を確認しておきましょう。

抗うつ薬治療

ネガティブな感情が主な症状である場合や、ホルモン補充療法のみでは効果が不十分な場合に適用されます。憂うつな気持ちを取り除いて、心を穏やかにしてくれます。専門のカウンセリングを合わせて受けるとより効果的です。

若い女性も更年期障害になる?

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更年期症状は、閉経する50歳前後の人だけに起こるわけではありません。最近では、20~30代で更年期障害に似た症状に悩まされる女性が増えてきています。

ストレスやダイエットなどによる自律神経の乱れによって更年期障害と似たような症状が現れ、なかには月経が止まり、更年期と同様に卵巣機能が低下してしまう早発卵巣不全(早発閉経)という状態になる場合もあります。

最近ではこういった症状を総称して、「若年性更年期障害」といった言葉で呼ばれるようになってきました。放置していると、卵巣機能の回復に時間がかかるケースもあります。

20〜30代であっても、更年期障害のような症状が現れたら生活習慣や食生活を改善し、症状がひどい場合は病院に行くようにしましょう。

更年期障害とは上手に付き合おう

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更年期症状は、エストロゲンの急激な減少という変化に体がついていけないために起こります。しかし、エストロゲンの低下に体が慣れてくれば、自然と心身の状態は落ち着いていきます。更年期障害になってしまったからどうにかしなければと焦ってしまうと、そのストレスがさらに症状を悪化させてしまうこともありますよ。

更年期症状が現れるのは体が変化している時期なんだと考えて、適切な治療を受けながらゆったりとした気持ちで過ごすようにしてくださいね。

※参考文献を表示する

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