ホルモンバランスの乱れで出る症状は?原因と改善策は?

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年に山梨医科大学(現 山梨大学)医学部を卒業。板橋中央総合病院を経て、現在は沖縄県立中部病院 総合周産期母子医療センターに勤務。産婦人科専門医、周産期専門医として、一般的な産婦人科診療から、救... 監修記事一覧へ

女性の体調は「女性ホルモン」に左右されるため、「ホルモンバランスが乱れると体調が悪くなる」と聞いたことがある人も多いと思います。では、ホルモンバランスの乱れとは具体的にどういう状態をいうのでしょうか?今回はホルモンバランスの乱れで出る症状、原因と改善方法についてご説明します。

そもそも女性ホルモンとは?

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女性ホルモンは生理周期を管理・調整するための物質で、主に卵巣から分泌される「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2つがあります。

エストロゲンは生理後から排卵前までに多く分泌され、卵巣内の卵胞を成長させて排卵を促したり、子宮内膜を厚くしたりする働きがあります。つまり、「妊娠できるようにするホルモン」です。

一方、プロゲステロンは排卵後から生理までに多く分泌され、受精卵が着床しやすいように子宮内膜の厚みをキープしたり、妊娠を維持しやすいように体温を上げたりする働きがあります。つまり、「妊娠の準備をするホルモン」です。

ホルモンバランスの乱れとは?どういう状態?

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一般的に、女性の健康において「ホルモンバランスの乱れ」とは、エストロゲンとプロゲステロンが正常に分泌されていない状態をいいます。

ホルモンには体の調子を保つ働きがあり、分泌量が多すぎても少なすぎても不調の原因となります。それぞれのホルモンが分泌されるべきタイミングで、適切な量が分泌されることでバランスが維持されているのです(※1)。

しかし、エストロゲンとプロゲステロンの分泌をコントロールしている脳の視床下部や、実際に女性ホルモンが分泌される卵巣に負荷がかかったり、機能が低下したりすると、ホルモンバランスが崩れてしまいます。

ホルモンバランスの乱れで出る症状は?生理に影響する?

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ホルモンバランスの乱れは、様々な体のトラブルを引き起こします。以下に主な症状をご紹介します(※1,2)。

月経前症候群(PMS)

生理が近づくと精神的にイライラしたり、憂うつになったりするだけではなく、腹痛や腰痛などの体の痛みを引き起こすことがあります。

月経前症候群には、生理前に急激に増えるプロゲステロンが関係しているのではないか、と考えられているものの、感情をコントロールする「セロトニン」という神経伝達物質の減少や、カルシウムやビタミンB不足なども影響している可能性があり、今のところはっきりと原因はわかっていません。

月経困難症

日常生活に支障をきたすほどの強い生理痛は、「月経困難症」とされます。

月経困難症には、特に体に異常がなく、体質などによって症状が起こる「機能性」のものと、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因の「器質性」のものがあります。

ホルモンバランスの乱れだけが痛みの原因ではありませんが、血行不良やストレスなどでホルモンのバランスが崩れると、症状が重くなることがあります。

月経不順(月経異常)

正常な生理周期からずれて、生理周期が長い・短い、月経時の出血量が多い・少ないといった異常が現れます。月経異常が続くと妊娠しにくい体になってしまうこともあります。

月経異常は、卵巣などの働きが未熟な思春期や、機能が低下してくる更年期にはよく見られるものです。それ以外の性成熟期の女性に月経異常がある場合、ホルモンバランスの乱れが原因になっている可能性が考えられます。

無月経

正常な状態であれば、エストロゲンとプロゲステロンがバランス良く分泌されることで、毎月の生理が来ますが、ホルモンがうまく働かないと、妊娠中や授乳中ではないにも関わらず、月経が止まってしまう「無月経」の状態になってしまうことがあります。

ストレスなどで脳の視床下部に障害が起きているか、高プロラクチン血症や甲状腺機能障害、子宮の病気などが原因として考えられます。

無月経の期間が長くなると、エストロゲンが不足することで、肌荒れやしわ、骨粗鬆症などを引き起こすこともあります。

ホルモンバランスの乱れの原因は?

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エストロゲンもプロゲステロンも、脳の視床下部からの指令を受けて、主に卵巣から分泌されています。

しかし、次のような原因で「脳の視床下部がうまく指令を出せなくなる」、あるいは「卵巣が正常に機能していない」といったことがあると、ホルモンバランスが乱れてしまいます(※1,2)。

ストレス

脳の視床下部はストレスに弱いため、精神的・身体的に疲労が溜まり、負荷がかかりすぎると指令がうまく出せなくなってしまいます。

生活習慣の乱れ

睡眠不足や食生活の乱れ、運動不足、喫煙、過度な飲酒など、生活習慣の乱れによって、脳の視床下部の機能が低下することもあります。

冷え

体が冷えると血行が悪くなり、卵巣や子宮に影響を与えることもあるかもしれません。そうすると、たとえ脳の視床下部がきちんと働いていたとしても、ホルモンバランスが乱れてしまう可能性があります。

卵巣の病気

卵巣に腫瘍などができて、正常に機能しなくなっている可能性もあります。卵巣は病気になっても自覚症状が現れにくく、生理不順などをきっかけに判明することも。

加齢

歳を重ねるごとに、卵巣の機能は衰えていきます。一般的には30代後半頃から急激に機能低下し始めますが、ストレスや生活習慣の乱れの影響で、20代でも卵巣機能が低下してしまうこともあります。

ホルモンバランスの乱れを改善するには?

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ホルモンバランスの乱れを改善するには、その原因を明らかにして、できるだけ取り除く必要があります。

卵巣に病気がある場合は、ただちに治療を開始することが大切ですが、それ以外の原因でホルモンバランスが乱れている場合、まずは次のポイントに気をつけて、生活習慣を見直してみましょう。

早寝早起き、十分な睡眠をとる

夜更かしは精神的にも身体的にもストレスになります。早寝早起きをして、毎朝太陽の光を浴び、夜は早く眠りにつく、という規則正しい生活リズムを心がけましょう。

ストレス解消の時間を作る

ストレスはホルモンバランスを乱す大きな原因となります。趣味を楽しむ、のんびりと過ごす、友達と遊ぶといった時間を作って、うまくストレスを解消しましょう。

バランスの良い食事をとる

栄養バランスが偏っていたり、過度なダイエットをしたりすることで、卵巣の機能低下を引き起こします。

ホルモンバランスを整えるためには、バランスの良い食事に加えて、妊娠しやすい体作りを助けてくれるサプリメントもおすすめです。妊娠中に必要な栄養を考えて、妊活中の女性にも摂取が勧められるサプリンメントは色々と発売されています。

なかでも「葉酸」は、赤ちゃんの神経管閉鎖障害という奇形を防ぐ可能性があるとされ、厚生労働省は妊娠前からの摂取を推奨しています(※3)。

軽い運動をする

体を動かすと血行が良くなり、筋肉量が増えて代謝も良くなります。週1~2回ほどで構わないので、ウォーキングやストレッチなど軽い運動を始めてみましょう。

体を冷やさない

短い時間でも毎日湯船に浸かる、お腹周りに腹巻やカイロをつける、といったことを心がけ、冷えを改善するのも良いかもしれません。

禁煙する

タバコを吸うと血管が収縮して血行が悪くなるほか、卵巣がんのリスクが高まることがわかっています(※4)。また、喫煙者は月経前症候群(PMS)や月経困難症になりやすくなります(※1)。

受動喫煙も、卵巣や子宮の機能低下につながる恐れがあるので、できればパートナーや家族にも禁煙してもらうか、離れたところで吸ってもらうようにしましょう。

お酒を飲み過ぎない

過度な飲酒はホルモンバランスの乱れを引き起こします。飲酒量を少しずつ減らしていくなど、できるだけ体に悪影響を及ぼさない飲み方を心がけましょう。

ホルモンバランスの乱れがひどいときは病院へ

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ホルモンバランスが乱れると、生理不順や排卵障害などを引き起こし、不妊につながることもあります。ホルモンバランスの状態は目に見えませんが、様々な症状となって現れるので、その変化を見逃さないようにしましょう。

重い生理痛などの不快症状に悩まされているときは、一度婦人科を受診することをおすすめします。早めに対処することで、穏やかな日常生活を送ることができるといいですね。

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