【時期別】妊婦のカロリー摂取量まとめ!妊娠前プラス何カロリー?

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

妊娠中は自分と胎児の2人分の栄養が必要なので、食生活がとても大切です。しかし、食べつわりや吐きつわりなどに悩まされると、自分の食事量が適切かどうかわからなくなることもあります。また、太りすぎても痩せすぎても医師から指導をうけることがあるので、体重のコントロールに悩んでいる人も多くいます。体重が過度に増えると妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクが高まることからも、体重や食事量の管理には注意が必要です。今回は妊婦さんが1日に摂取したいカロリーと食事量の目安を時期別にご紹介します。

妊娠中の推奨体重増加量はBMIで違う

体重計 女性

妊娠中は、過度な体重増加を抑えつつ胎児に栄養を送るために、適切な食事量やカロリー摂取量を守ることが大切です。

まずは、妊娠期間を通じた推奨される体重増加量を把握しましょう。推奨体重増加量は、妊娠前のBMI値によって異なるため、BMI値を計算した上で該当する目安に当てはめて考えてください(※1)。

妊婦 体重増加目安 2021年3月改定 BMI値

妊娠中はこちらの推奨体重増加量を目安にして、食事内容や摂取カロリーの見直しを適切におこなっていきましょう。

妊娠中のカロリー摂取量は妊娠前を基準にするの?

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妊娠中に必要な1日のカロリーを知る上で大切なのは、1日の運動量に応じた妊娠前の摂取カロリー量を把握することです。普段の活動レベルにあわせて、カロリーの目安が異なります(※2)。

運動量に応じた1日の摂取カロリー目安(18〜29歳未満)

  • デスクワーク従事者、子供がいない専業主婦:1,700kcal
  • 育児中の主婦、立ち仕事や接客業従事者:2,000kcal
  • 農業従事者や運動習慣がある人:2,300kcal

運動量に応じた1日の摂取カロリー目安(30〜49歳未満)

  • デスクワークの人、子供がいない専業主婦:1,750kcal
  • 育児中の主婦、立ち仕事や接客業の人:2,050kcal
  • 移動や立ち作業が多い人や運動習慣がある人:2,350kcal

これらを基本に、自分の普段の生活と比べて、カロリーの目安を決めてください。

妊娠中はこれをもとに、妊娠の経過時期によってカロリー摂取量が増えていきます。体重・食事量の管理をしつつ適切な栄養を赤ちゃんに送るためにも、以降で紹介する時期別の摂取カロリー目安を覚えてくださいね。

妊娠13週6日までのカロリー摂取目安:+50kcal

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妊娠初期の摂取カロリー目安は、妊娠前の基本摂取カロリーの目安に+50kcalです(※1)。クッキー1枚分程度のカロリーなので、食事量は妊娠前とあまり変わりません。

妊娠初期は「つわりで吐いてばかりで、体重が減ってしまっている」「つわりのせいで思うように食べられず、赤ちゃんに栄養が届いているか心配」と悩む人も多いのですが、必要なカロリーは妊娠前とほとんど変わらないので、心配しすぎないでくださいね。

食事ができていなくても、胎児はまだ小さく、母体に蓄えられた栄養でも成長していきます(※3)。

この時期は、「食べられるものを食べたいときに食べる」ことを基本にしながら、胎児の発達を促す葉酸やタンパク質を意識的に摂取していきましょう。逆につわりがない人や食べつわりの人は、無理に多く食事を摂る必要はありませんよ。

妊娠14週0日〜27週6日のカロリー摂取目安:+250kcal

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安定期に入ってつわりが落ち着く頃で、食欲が戻ってきます。つわりがひどかった時に思うように食べられなかった分、たくさん食べるようになって体重が一気に増加する人もいます。

妊娠14週0日〜27週6日までは、妊娠前の摂取カロリーに+250kcalが目安です(※1)。

これはシュークリーム1個分程度、白米なら茶碗1杯分くらいに相当し、少し食べすぎたら超えてしまう量です。この時期は食欲も出てきますが、食事量は妊娠前の食事に主菜や副菜、果物を1品追加する程度にとどめ、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。

また、体内の血流量が増加して貧血になりやすくなるので、鉄分が豊富なほうれん草や小松菜のおひたし、鉄分の吸収を助けるグレープフルーツなどの柑橘類をデザートに食べるのがおすすめです。

妊娠28週0日以降のカロリー摂取目安:+450kcal

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妊娠生活も残りわずかとなり、1日に必要なカロリーは+450kcalに増えます(※1)。大きくなった子宮によって胃が圧迫されて食欲が落ちる人もいますが、臨月になると赤ちゃんが子宮内で下がってくるため、胃がすっきりして食欲が増すこともあります。

妊娠中は胎児に優先的に糖質を供給し、体脂肪がたまりやすくなっていることから、太りやすい体質になっています。また、むくみやすくもなっているので、塩分の摂り過ぎにも気をつけてください。

食事量は、妊娠前の食事に主食、主菜、副菜、乳製品、果物を1品ずつ足す程度です。栄養バランスをよく考えて加えていきましょう。

妊娠後期は妊娠高血圧症候群になりやすい時期でもあるので、むくみ予防に効果のあるカリウムを多く含んだバナナや、バランス良く栄養を摂取できて低カロリーな玄米を食事に取り入れるのがおすすめです。また、貧血対策の鉄分・カルシウムは引き続き積極的に摂りましょう。

妊婦の時期別カロリーを知って太り過ぎを防ごう

妊娠中は、妊娠前と同じような食生活を続けることができず、ときにはストレスを感じてしまうことがあるかもしれません。しかし、前向きに考えれば、今までの食生活を見直し、健康な生活へと改善できるチャンスです。

自分の摂る栄養は赤ちゃんにも影響があると思うと、責任感も生まれてきますよね。妊娠を機に、赤ちゃんのことを考えながら、毎日の食事と向き合ってみましょう。自然とカロリー計算や体重・食事量の調整も楽しくなりそうですね。

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