子供のインフルエンザ!症状や対処法は?2・3・4歳は要注意?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

冬になると「インフルエンザが流行して学級閉鎖」というニュースも耳にするようになりますよね。冬は感染症が流行しやすい季節で、免疫力が低い子供は大人よりも感染症にかかりやすいので、注意が必要です。今回は子供のインフルエンザについて、症状や正しい対処法、気になる抗インフルエンザ薬での異常行動などをご紹介します。

子供のインフルエンザの症状は?初期症状は発熱?

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子供のインフルエンザの症状として特徴的なのは、治療をしていないと39度以上の熱が2〜5日ほど続き、熱が上昇するにつれて頭痛や筋肉痛、関節痛、倦怠感といった全身症状がみられることです。

インフルエンザは感染力が強く周りの人にうつしてしまいやすいので、早めにインフルエンザであることを診断してもらい、治療を行う必要があります。風邪とインフルエンザの違いを見分けるポイントは以下の通りです。

● 38度以上の発熱はないか
● 身の回り(家庭・学校・職場・近所)でインフルエンザは流行していないか
● 関節痛・筋肉痛・倦怠感・疲労感・頭痛などの全身の症状が強くないか

インフルエンザの流行期には、安易に風邪と判断せずに小児科医で診てもらってください。ただし発熱してすぐの段階では正確な検査結果が出ないことがあるので、発熱から6〜12時間後を目安にするといいでしょう。

子供のインフルエンザ、2・3・4歳は特に注意?

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インフルエンザは子供から大人まで、年齢を問わずかかります。しかし特に子供は、保育園や幼稚園、小学校などで爆発的に流行し、うつってしまうことがあるので注意が必要です。

2・3・4歳頃の子供は、手洗いなどの風邪予防を自身で徹底するのが難しいため、保育園や幼稚園に一人患者がいると、一気に広がってしまう可能性が十分にあります。

子供のインフルエンザの診断方法は?

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インフルエンザが流行する冬にはインフルエンザ以外の病気も流行するので、正確な診断を下すためにはインフルエンザウイルスに感染しているかどうかの検査を行う必要があります。

診断方法として一般的なのは、鼻や喉をぬぐい、ウイルスがいるかを確認する検査です。鼻水や喉の粘液で、10分以内に結果がわかる「迅速診断キット」を使用する病院がほとんどです。

子供のインフルエンザへの対処法は?

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インフルエンザにかかってしまったとき、自宅ではどのように対処すればよいのでしょうか?以下に主な対処法をまとめました。ポイントは、「自己治癒力を最大限に発揮する状態をつくる」ことと、「他の人にうつさないように注意する」ことです。

● 睡眠を十分にとらせ、ゆっくり休ませる
● お茶やジュース、スープなど飲めるもので良いので、水分を十分にとらせる。
● おかゆなど、消化のよい食事をとる
● 部屋の温度は20~25度、湿度は50~60%に保つ
● うがいができる場合はうがいをする
● お風呂は控えて、タオルなどで汗を拭くようにする
● 他人にうつさないように、医療機関に行くときは、マスクを着用する
● 指定された日まで外出はしない
● 高熱が続く、または一度下がった熱が再び上昇し始めて咳や痰がひどくなってきたときには、肺炎などの合併症が疑われるので、すぐに小児科を受診する

子供のインフルエンザの治療薬は?薬は飲んでもいい?

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子供のインフルエンザ治療薬には、主に内服薬のタミフルや吸入薬のリレンザが処方されます。ほかに入院時など重症な場合には、点滴薬のラピアクタや抗生物質を併用することもあります。

インフルエンザ治療薬は発症から48時間以内に服用すると、発熱などの発症期間を1日程度短縮できる効果があります。ただし、発症から2日以降の服用では効果があまりないとされています(※1)。

また、基本的にインフルエンザは、発症してから自宅で5日ほど安静に過ごすことで自然に治まるとされていますが、子供の年齢や症状にあわせて小児科医とよく相談して、状況に合わせてインフルエンザ治療薬を使用するかを決めるといいでしょう。

市販の解熱剤などで熱を下げた方がいいのか不安に思うママやパパも多いかもしれませんが、アセトアミノフェン系統以外の解熱薬は推奨されていません。無理に発熱を抑えると症状が悪化することがあるので、医師の指示に従って正しい対処をしてあげましょう。

子供のインフルエンザの薬で異常行動を起こす?

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子供のインフルエンザの症状で気になるのは、異常行動による危険性ですよね。

過去にはタミフルを服用することで異常行動が起きるのとされていましたが、薬を服用していなくても同様の異常行動が見られることが知られています。

インフルエンザで注意したい異常行動の例は下記の通りです(※2)。

● 突然立ち上がって部屋から出ようとする。
● 興奮して窓を開け、ベランダに出ようとする。
● 話しかけても反応しない。
● 変なことを言い出し、泣きながら部屋の中を動き回る。

子供は特に、インフルエンザにかかったら異常行動がある可能性を知っておき、少なくとも解熱してから2日間までは子供が長時間一人にならないように、看病してあげてください。

子供がインフルエンザになったら、学校や登園はいつから?

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インフルエンザと診断を受けたら、幼稚園や保育園、学校はしばらくお休みすることになります。それでは登校・登園はいつからしてもいいのでしょうか。

学校安全保健法によると、インフルエンザは第二種の感染症に分類され、発症した後の5日と、さらに解熱してからの2日(幼児は3日)が出席停止とされています(※3)。

体の症状や学校・保育園・幼稚園の方針によっても対応は変わるので、小児科医や園・学校に出席日を確認しましょう。パパやママの仕事の調整が難しいときには、病児保育やファミリーサポート制度などの利用を考えてみてくださいね。

子供のインフルエンザは重症化することも?

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子供は大人と違ってまだまだ体力がなく、感染症への抵抗力が弱いため、中耳炎、肺炎、気管支炎、熱性けいれんなどの合併症を起こしやすいといわれています。

特に、インフルエンザ脳症では死亡例や後遺症が出るなど、危険な病気に発展することもあります。

インフルエンザにかかったら、子供の様子をしっかり観察し、けいれんや意識障害、麻痺などの神経症状が見られたときには、できるだけ早く小児科を受診するようにしましょう。

子供のインフルエンザは夜間でも病院へ行くべき?

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生後3ヶ月以降の子供にインフルエンザを疑うような高熱がでたときでも、明らかな呼吸困難や顔色不良などがなければ、翌朝の受診で構わないとされています。

特に夜間になってから熱が上がり始めた場合には、まだインフルエンザと診断できないことも。そのため、無理して夜間病院を受診したのに、また翌日に病院を受診しなくてはならないこともあります。

しかし、発熱がひどくなりけいれんをおこした、意識がもうろうとしている、嘔吐を繰り返しているなどあれば、夜間であっても救急病院への受診が必要です。受診するべきか迷ったときには、小児救急電話相談(#8000)へ電話して相談しましょう。

子供のインフルエンザの予防法は?

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インフルエンザを予防するためには、流行期の前であればインフルエンザワクチンを予防接種することが一番です。

また流行期であれば、日々の生活習慣で予防できます。子供が自分で100%予防するのは難しいので、特にパパやママが家庭にウイルスを持ち込まないことが重要ですよ。

具体的には以下の予防法があります。

● 手洗い・うがいをする
● インフルエンザウイルスは湿度に弱いため、加湿器などで湿度を50〜60%くらいに保つ
● 流行期は人混みを避ける
● 換気をしてウイルスを外に出す
● マスクをする
● 予防接種を受ける

子供のインフルエンザは早期発見が大切

まだ体が小さい子供の場合、インフルエンザでは、合併症のリスクがあります。インフルエンザなどの感染症が流行りやすい冬は、子供の体調変化には敏感になってあげてくださいね。

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