子どものインフルエンザの治療薬は?種類や違いは?副作用はある?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

子どもが病気になると、どんな治療薬が処方されるのか、副作用はあるのかなど気になりますよね。今回は、子どもに処方されるインフルエンザ治療薬の種類や特徴、副作用などについてご紹介します。

インフルエンザの治療薬とは?

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インフルエンザを治療する薬として、タミフルやリレンザなどの抗インフルエンザウイルス薬があります。

インフルエンザを発症してから48時間以内に服用することにより、発熱の期間を1~2日短縮でき、体内でウイルスが増殖するのを抑えて鼻やのどからのウイルス排出量も減らすことができます(※1)。

発症から48時間以上経過していると十分な効果は期待できませんが、重症化のリスクが高く、症状が続いている場合は使用することもあります(※1,2)。

抗インフルエンザウイルス薬にはいくつか種類がありますが、種類によって使える年齢が異なるため、どの薬を使用するかは子どもの年齢や状態にあわせて医師が判断します。

ただしインフルエンザは、睡眠をとる・水分を補給するなどして安静にしていれば、自然に快復することがほとんどです。そのため抗インフルエンザウイルス薬は、「必ず使用しなければいけない」というものではありません(※2)。

子どもに使うインフルエンザ治療薬は?

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子どもの治療に推奨されている抗インフルエンザウイルス薬は、飲み薬のタミフル(オサルタミビル)が基本で、生後2週以降であれば使用できます(※2)。

飲み薬が服用できない場合は、点滴で投与するラピアクタ(ペラミビル)を使用することもありますが、使用できるのは生後2ヶ月以降の子どもに限られます。

5歳以上になると自分で吸入ができるようになるため、タミフルのほかにもイナビル(ラニナミビル)やリレンザ(ザナミビル)という口から吸うタイプの吸入薬も使用できます。

ただし、イナビルとリレンザは気道に粉末を入れるため、喘息など呼吸器疾患がある場合は事前に医師に相談しましょう。

インフルエンザの治療薬の副作用は?異常行動があらわれる?

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抗インフルエンザウイルス薬を服用すると、下記のような副作用が起こる可能性があります。

● タミフル:腹痛、下痢、吐き気、蕁麻疹など(※3)
● リレンザ:手指のしびれ、下痢、吐き気、背中や首の痛みなど(※4)
● イナビル:下痢、吐き気、蕁麻疹、めまいなど(※5)

これらの症状が見られた場合は、すぐに使用をやめ、病院を受診してください。この他にも気になる症状があれば、早めに医師に相談しましょう。

タミフルを使用したあと、急に走り出したり、飛び降りたりといった、異常行動が起こったという事例を耳にしたことがある人は多いと思いますが、タミフルと異常行動の因果関係は明らかにはなっていません。

インフルエンザにかかると、抗インフルエンザウイルス薬を使用していなくても異常行動があらわれることがあり、また服用した抗インフルエンザウイルス薬の種類に関係なく異常行動があらわれるとも報告されています(※1)。

そのため厚生労働省は、抗インフルエンザウイルス薬を使用してもしなくても、少なくとも発熱から2日間は、玄関や窓の施錠をしっかり行う、子どもを1人にしないなど、事故の対策をするよう注意喚起をしています。

インフルエンザの薬の処方は医師に相談して

インフルエンザの治療薬を処方するかどうか、またどの種類の薬を処方するかは、医師が状況に応じて判断します。処方された場合は、医師の指示に従い、正しく使用しましょう。

もしも副作用など不安なことがあれば、必ず医師に相談してくださいね。

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