インフルエンザの治療薬は?種類や違いは?副作用はある?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

主に冬に流行し、家族や園・学校で一人が感染すると、あっという間に周りの人にうつってしまうインフルエンザ。もし子供がかかってしまったら、できるだけ早く治ってほしいと願いますよね。今回は、子供がインフルエンザにかかってしまったら、どんな治療薬があるのか、薬の種類や違い、副作用などについてご紹介します。

そもそもインフルエンザとは?

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インフルエンザは、インフルエンザウイルスの感染で起こる病気です。インフルエンザウイルスにはA、B、C型があり、さらに様々な派生型があります。

日本では12月~翌年3月に流行することが多く、子供から高齢者まで、あらゆる年齢・性別の人がかかります(※1)。

一般的にインフルエンザは、発症直後に、38度以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身の倦怠感などの症状があらわれます(※1)。そのほか、普通の風邪と同じように、鼻水や咳、喉の痛みもあらわれます。

インフルエンザの薬にはどんな種類がある?

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インフルエンザを治療する薬として、「抗インフルエンザウイルス薬」があります。

抗インフルエンザウイルス薬を使用することにより、発熱の期間を1~2日短縮でき、鼻やのどからのウイルス排出量も減らすことができます(※1)。

抗インフルエンザウイルス薬には、以下のものがあります(※1)。

● タミフル(オセルタミビルリン酸塩)
● リレンザ(リレンザザナミビル水和物)
● ラピアクタ(ペラミビル水和物)
● イナビル(ラニナミビルオクタン酸エステル水和物)
● シンメトレル(アマンタジン塩酸塩)※インフルエンザウイルスA型にのみ有効で、副作用が強いためほとんど使用されていない

ただしインフルエンザは、睡眠をとる・水分を補給するなどして安静にしていれば、自然に軽快することがほとんどです。そのため抗インフルエンザウイルス薬は、「必ず使用しなければいけない」というものではありません(※2)。

インフルエンザ治療薬の特徴は?

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上記で紹介した5つの抗インフルエンザウイルス薬のなかで、使用頻度が低い「シンメトレル」を除いた4つの治療薬の特徴は、以下のとおりです(※3)。

商品名 タミフル リレンザ イナビル ラピアクタ
薬の種類 飲み薬 吸入薬 吸入薬 注射薬
服用回数 1日2回
×5日間
1日2回
×5日間
1回 1回
使用期限 7年 7年 3年 3年

日本ではインフルエンザの流行に備えて、抗インフルエンザウイルス薬の備蓄対策を行っており、平成24年のデータでは、国民の約半分が使用できる量を備蓄しています(※3)。

備蓄している薬は、使用期限が長いタミフルとリレンザで、タミフルが全体の約86%を占めています。

インフルエンザの治療薬は子供も使える?

? 疑問

抗インフルエンザウイルス薬が使える子供の年齢は、以下のとおりです(※2)。

タミフル リレンザ イナビル
~生後6ヶ月 推奨 推奨されない 推奨されない
生後7~11ヶ月 推奨 推奨されない 推奨されない
1~4歳 推奨 吸入困難のため使用不可 吸入困難のため使用不可
5~9歳 推奨 吸入可能なら使用可 吸入可能なら使用可
10歳~ 原則として
使用しない
推奨 推奨

タミフルは、生後2週間以上であれば使用することができます。しかし学会などでは生後1ヶ月以上での使用が推奨されています(※4)。

先ほどご紹介したラピアクタは、子供も使うことができる薬ですが、重症化のリスクがある患者にのみ使用を検討すべきとされています。

インフルエンザの治療薬を飲む時間は?

時間 砂時計 

上記で紹介している「シンメトレル」以外の4つの抗インフルエンザウイルス薬は、発症後48時間以内に投与すべきとされています(※4,5,6,7)。

その理由は、インフルエンザウイルスは、感染後48時間までが増殖のピークであり、それまでに薬を使用すれば、ウイルスの増殖を抑えられるからです(※4)。

抗インフルエンザウイルス薬は、ウイルスが多いときに効果が見込めるため、発症後できるだけ早い段階で薬を服用した方がいいとされているのです。

また、熱が下がってもインフルエンザウイルスの排出は続くため、発熱が治まったあとも、定められた期間(タミフルであれば5日間)は使用を続ける必要があるとされています。

インフルエンザの治療薬の副作用は?

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抗インフルエンザウイルス薬を服用すると、下記のような副作用が起こる可能性があります。

● タミフル:腹痛、下痢、吐き気、発疹など
● リレンザ:気管支けいれん(慢性の呼吸器疾患がある人)など
● イナビル:下痢、頭痛など

これらの他に、乳製品に関するアレルギーを持つ人がイナビルやリレンザを使用した際、アナフィラキシーがあらわれたという症例も報告されています(※8)。

また、抗インフルエンザウイルス薬を使用したあと、急に走り出したり、飛び降りたりといった、異常行動が起こったという報告もあります。

ただし、インフルエンザにかかると、薬を使用していなくても異常行動があらわれることがあり、抗インフルエンザウイルス薬が異常行動に影響を及ぼしているかどうかは、明らかになっていません。

因果関係はわからないものの、タミフルを服用した子供が異常行動に出たという事例があるため、原則として10歳以上の未成年には、タミフルを処方できないことになっています(※1)。

厚生労働省は、抗インフルエンザウイルス薬を使用してもしなくても、発熱中は子供を1人にしないように注意喚起をしています。

インフルエンザの薬の処方は医師に相談して

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インフルエンザは、抗インフルエンザウイルス薬を使わなくても、多くの場合で自然に治癒しますが、抗インフルエンザウイルス薬を使うことで、発熱を早く抑えることができます。

治療薬を処方するかどうかは、医師が状況に応じて判断してくれるはずですが、もし治癒を早めたいなどの希望があれば、抗インフルエンザウイルス薬を処方してもらえないか、聞いてみるといいでしょう。

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