子供が発熱したとき、熱が上がったり下がったりを繰り返すことがあります。子供の場合、熱が下がったと思っても突然ぶり返すのはよくあることです。そうは言っても、熱が上がったり下がったりして辛そうな子供の姿を見ていると、不安になりますよね。そこで今回は、子供の熱が上がったり下がったり、ぶり返すときにかかっていると考えられる病気や、その対処法についてご紹介します。
子供の熱は上がったり下がったり、ぶり返しやすい?

大人に比べて、子供の熱は上がったり下がったりしやすい特徴があります。普通の風邪でも熱が出ては下がって、また上がる、下がる…というのを繰り返して、3日くらいで下がりきります。
特に1~2歳くらいまでは免疫力が低いため、体が熱に抵抗しようとして一度は熱が下がりますが、そのあとぶり返して、また熱が上がってしまうこともよくあります。
また、人間の体温は、日内変動といって1日の間でも少し上下しています。1~2歳の頃は朝と夕方で平均0.5度くらい変化するので、昨夜は高くて今朝は下がったのに、夜になったらまた熱が上がったということもよくあります。
子供の熱が上がったり下がったりするときの受診の目安は?

一般的な風邪であれば、熱があっても子供は元気に動き回ります。食欲もあって機嫌がいいようなら、熱が上がったり下がったりしていても心配はいりませんよ。ただし、熱以外にも次のような症状があるときには、病院を受診するようにしましょう。
● 3日を過ぎても熱が上がったり下がったりを繰り返す
● 咳が長引く
● 耳を痛がる
● 元気がなく、ぐったりした状態が続く
● 何度も吐く
● 5分以上続くけいれんや意識障害がある
特にけいれんが続いたり、意識がもうろうとしているとき、頭を痛がったり、嘔吐が伴うときは注意が必要です。その際は細菌性髄膜炎や、インフルエンザなどから脳症を引き起こしている可能性があります(※1,2)。
子供の熱が上がったり下がったりするときに疑われる病気は?

特にウイルス感染が原因の発熱は、高熱で上がったり下がったりを繰り返す場合があります。3日以上、熱が上がったり下がったりするときは、以下の病気を疑って病院を受診してください。
熱だけで子供の脳に障害を引き起こすことはないので、慌てず落ち着いて子供の様子を確認し、発熱以外の症状がないかを医師に伝えましょう。
マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ菌が肺に感染して炎症を引き起こし、長引く咳が特徴的な病気です。5歳以上の子供に多く、3~4日発熱が続くほか、乾いた咳が次第に強くなる傾向があります(※3)。
特に夜間に咳がひどくなることが多く、呼吸困難になってしまう恐れもあります。
溶連菌感染症
5歳をピークとして、10歳未満の子供に多く発病します。突然の発熱と喉の痛みから始まり、舌にイチゴのように赤いブツブツができることもあります(※4)。
プール熱(アデノウイルス感染症・咽頭結膜熱)
アデノウイルスに感染して発症します。39~40度の高熱と、37~38度の微熱の間を1日のうちに上下し、その状態が4~5日続くこともあります。発熱以外に喉の痛み、目の充血や頭痛、吐き気、下痢の症状が出ることがあります(※5)。
川崎病
1歳をピークとして4歳以下の子供がかかることが多い、原因不明の病気です。38度以上の発熱が5日以上続き、両目が充血したり、発疹やイチゴ舌、リンパ節の腫れも見られます。血管(冠動脈)に後遺症が残る可能性があり、注意が必要な病気です(※6)。
手足口病
4歳までの男児が夏にかかることが多い病気で、1/3ほどの割合で38度以下の発熱が見られます。口や手のひら、足の裏や甲に2~3mmの水ぶくれができ、3~7日で消え去ります(※7)。
インフルエンザ
毎年冬に流行することが多い感染病の代表格で、多くの場合、38度以上の高熱から発症します(※8)。子供から大人まで年齢を問わず発症し、一度かかっても免疫ができず何度も感染を繰り返します。
中耳炎
ウイルスや細菌が鼻・喉を介して耳に入り込み、発熱を起こします(※9)。耳の痛みや膿みを伴うものの、子供がどこが痛いかを表現できず、不機嫌になることもあります。
子供の熱が上がったり下がったり、ぶり返すときの対処法は?

熱を出しているときの子供は想像以上に汗をかいているので、水分補給を忘れないでください。熱が下がっているときは子供は落ち着いているので、そのタイミングでしっかり水分補給・授乳をしてあげるとスムーズですよ。
食欲があるようなら、そのタイミングで子供に食事をさせてあげましょう。熱が下がりきるまではお風呂に入れるのは控えたほうがよいですが、熱が下がっているときに体を拭いてあげるくらいであれば問題ありません。
一方で、熱が上がっているときは寒気を感じてぐずってしまうので、できるだけそばにいて安心させてあげましょう。「大丈夫だよ」と声をかけたり、やさしく抱きしめてあげたりしてください。
寒そうにしていれば布団や上着で温かくしてあげて、熱が上がって暑そうなら涼しくしてあげるなど、体温調節もサポートしましょう。
子供の熱が上がったり下がったり、ぶり返すときは期間と元気さで見分けよう

夜に子供の熱がぶり返すと、驚いて病院に駆け込みたくなりますよね。でも、上がったり下がったりする熱のほとんどは数日の間に治まるので、いったん落ち着いて対処することが大切です。
病院で診てもらうのは、子供の高熱が3日以上続く、あるいは元気がなくてグッタリしているようなときです。
慣れないことだと病院に頼りたくなるものですが、病院へ行くとかえって病気をもらってしまうこともあります。子供の熱が上がったり下がったりしているときは、熱以外の症状がないか確認しましょうね。