インフルエンザで異常行動?!子供がなるの?いつまで続く?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

インフルエンザは、冬に気をつけるべき感染症の一つです。子供から大人まであらゆる年齢でかかりますが、子供がかかった場合は異常行動を起こすこともあるようです。今回は、インフルエンザにかかったときに起こる異常行動がどんなもので、何が原因なのか、いつまで続くのかについてご説明します。

インフルエンザってどんな病気?

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インフルエンザは、日本では例年12月~翌3月まで流行するインフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症です(※1)。

原因となるインフルエンザウイルスにはA型・B型など多くの種類の型があるため、1年に複数のウイルスが流行することがあり、1シーズンに2回インフルエンザにかかってしまうこともあります。

インフルエンザにかかると、突然高熱が出て、頭痛、関節痛、筋肉痛など、全身に強い症状が見られます。また多くの場合は、鼻水や咳、喉の痛みも起こります。

子供の場合は中耳炎や熱性けいれんを併発することもあり、まれにインフルエンザ脳症を発症し、後遺症が残ったり、命を落としてしまったりすることもあります。

インフルエンザで異常行動を起こすことも?

記号 ハテナ?

インフルエンザにかかると、異常行動を起こす子供がいることがわかっています。

特に報告が多かったのは新型インフルエンザが流行した2009~2010年で、272名の異常行動が報告されました(※2)。

具体的には、以下のような異常行動があらわれています(※3)。

重度の異常行動

● 突然走り出す
● 飛び降りる
● 壁に向かって走り出す

軽度の異常行動

● 会話中に突然話が通じなくなる
● 極端におびえる
● ないものが「見える」という
● 激しいうわごとや寝言をいう
● わめく、泣き止まない
● 興奮状態で、ときに暴力を振るう
● 無意味な動作を繰り返す
● 幻聴が聞こえる

なかには、突然走り出してビルの高層階から飛び降り、死亡してしまうという痛ましい事故が起こった例もあります。

インフルエンザでの異常行動は子供が多い?いつまで続く?

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インフルエンザにかかっている間に異常行動を起こすのは、主に小学生から中学生の子供です。

4~14歳で比較的多く起きていて、最も多いのは8~10歳です(※2)。15歳以降で異常行動を起こす例はあまりないものの、20歳以上での異常行動の報告もあります。

このほか、インフルエンザの異常行動には以下のような特徴があります(※2)。

● 男の子が約70%、女の子が約30%で、男の子の方が多くみられる
● 眠りから覚めてすぐに異常行動を起こすことが多い
● 異常行動が見られるのは38度以上の発熱があってから2日以内が多い

異常行動の80~90%が、インフルエンザ発症後2日以内に起こっており、この期間は発熱している期間とほぼ一致しています(※1,2)。

そこで、発熱している間はインフルエンザにかかった子供を1人にしないように配慮すべき、とされています。

インフルエンザの異常行動の原因は?

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インフルエンザがなぜ異常行動を引き起こすのか、その原因はわかっていません。

ただ、異常行動が見られるのは熱が高い時期と重なっているため、高熱が一因になっている可能性が考えられています。

またインフルエンザ脳症を合併したときにも、異常行動が見られることがあります(※4)。

インフルエンザの異常行動は薬によるもの?

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インフルエンザ治療薬の「タミフル」などを使用したあと、マンションから転落し、死亡してしまうという事故がニュースで取り上げられたことから、異常行動と薬の関係を危惧する人も多いでしょう。

しかし、事故後の調査では、インフルエンザ治療薬(タミフル、リレンザ、イナビル)の使用と異常行動は、相関性がないとされています。

つまり、インフルエンザ治療薬を使用しても、使用しなくても、異常行動は一定の確率で起きるということです。

ただしタミフルなどの、薬剤との関連は完全には否定できないため、10歳以上の未成年の患者に対しては原則使用を差し控えることとされています。その理由は以下の2点です(※1)。

● タミフルを服用した後、異常行動による転落などで死亡した5つの事例がすべて、10歳以上の未成年者であったこと
● インフルエンザによる死亡者数は10歳以上では少ないため、必ずしも10歳以上でタミフルを使用する必要はないと考えられること

子供がインフルエンザになったら、最低2日は異常行動に注意

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インフルエンザは40度以上の高熱になることもあり、注意が必要な感染症です。

そのうえ、さらに異常行動が起きる可能性もあるとなると、ママやパパは「子供に感染してしまったらどうしよう」と不安になることでしょう。

インフルエンザの異常行動は突然起こるもので、予防することはできませんが、発症後2日以内に起こることがほとんどです。

特に眠りから覚めた直後に異常行動が起こることが多いので、子供が寝ているあいだもできる限り目を離さず、子供を1人にしない環境で看病してあげましょう。

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