子どもがインフルエンザにかかると異常行動があらわれることがあると耳にして、不安を感じる人は多いかもしれません。そこで今回は、インフルエンザにかかったときに起こる異常行動がどんなもので、何が原因なのか、いつまで続くのかについてご説明します。
インフルエンザで異常行動を起こすことがあるの?
子どもがインフルエンザにかかると、発熱から2日間以内に異常行動が現れることがあります(※1)。
主に4歳〜18歳まで(学童期から思春期まで)の子どもが異常行動を起こすことが多く、女児よりも男児に多くみられます(※2)。事例は少ないものの、4歳未満での異常行動の報告もあります。
インフルエンザにかかった時にみられる異常行動とは、具体的には以下のような行動です(※3)。
重度の異常行動
● 突然走り出す
● 飛び降りる
● 制止しなければ命に関わる可能性がある行動
軽度の異常行動
● 会話中に突然話が通じなくなる
● 極端におびえる
● ないものが「見える」という
● 激しいうわごとや寝言をいう
● わめく、泣き止まない
● 興奮状態で、ときに暴力を振るう
● 無意味な動作を繰り返す
● 徘徊する
この他にも普段は見られない行動をすることがあります。
インフルエンザでの異常行動の原因は?薬によるもの?
インフルエンザにかかるとなぜ異常行動が起こるのか、その原因はわかっていません。高熱が一因になっている可能性が考えられていますが、因果関係は不明のままです。
子どもが抗インフルエンザ薬の「タミフル」を服用した後にマンションから転落して死亡した事故がニュースで取り上げられたことから、異常行動と薬が関係していると思う人もいるかもしれません。
しかし、これまでの調査から以下のことが分かっています(※1)。
- インフルエンザにかかった場合、抗インフルエンザ薬を服用していない場合も異常行動が現れる
- 服用した抗インフルエンザ薬の種類に関係なく、異常行動が現れる
こうした調査結果から、インフルエンザにかかった場合は、抗インフルエンザ薬の服用の有無や種類に関わらず異常行動に対して注意が必要とされています。
インフルエンザの異常行動による事故を防ぐには?
厚生労働省は、少なくとも発熱してから2日間は、異常行動による事故対策を徹底するよう注意喚起しています。
万が一の転落事故などを防ぐために、子どもがインフルエンザにかかったら以下のような対策を行いましょう(※1)。
- 玄関や全ての部屋の窓を確実に施錠する(内鍵、補助錠がある場合はそれらも活用する)
- 窓に格子のある部屋がある場合は、その部屋に寝かせる
- ベランダに面していない部屋で寝かせる
- 一戸建てに住んでいる場合は、できる限り1階で寝かせる
また発熱している時は子どもを1人にせず、できる限り目を離さないようにしましょう。
子どもがインフルエンザになったら、発熱から2日は異常行動に注意!
インフルエンザの異常行動は突然起こるもので、予防することはできませんが、発熱後2日以内に起こることがほとんどです。
特に眠りから覚めた直後や、夜間に異常行動が起こることが多いので、子どもが寝ているあいだもできる限り目を離さず、子どもを1人にしない環境で看病してあげましょう。