「カロナール」という薬をご存知ですか?カロナールは、解熱・鎮痛作用がある「アセトアミノフェン」という成分を含んでおり、インフルエンザで高熱や頭痛がつらい場合に処方されることがあります。今回は、インフルエンザにカロナールは効くのか、効かないこともあるのか、注意点はあるのかについてご紹介します。
インフルエンザってどんな病気?
インフルエンザは、インフルエンザウイルスの感染により起こる病気で、毎年世界各地で流行しています。
日本では例年11月下旬から流行が見られ、1~3月に流行のピークを迎えているものの、流行の程度やピークの時期はその年によって異なります(※1)。
インフルエンザの特徴的な症状は、高熱や頭痛、全身の倦怠感、筋肉痛、関節痛です。特に熱は38度以上の高熱になることがほとんどで、一般的な風邪と比べて急激に起こります(※1)。
また子供がインフルエンザにかかった際は、中耳炎や熱性けいれん、気管支喘息、肺炎、インフルエンザ脳症などを発症することもあり、注意が必要です。
インフルエンザにカロナールが効く?
前述したとおり、インフルエンザにかかると高熱が出て、頭痛などの症状も見られます。それらの症状を和らげるために、医師から「カロナール」という薬を処方されることがあります。
カロナールは、「アセトアミノフェン」という成分を含んでいます。アセトアミノフェンは、インフルエンザに対して使うことができる解熱剤の成分です(※2)。
カロナールの効果は?
カロナールは解熱鎮痛剤で、熱を下げる作用や、痛みを和らげる作用があります。
主に、以下の目的で処方されます(※3)。
● 子供の解熱や鎮痛
● 急性上気道炎(一般的な風邪などによる鼻や喉の炎症)による解熱や鎮痛
● 頭痛、耳痛、症候性神経痛、腰痛症、筋肉痛、打撲痛、捻挫痛、月経痛、分娩後痛、がんによる疼痛、歯痛、歯科治療後の疼痛、変形性関節症などに対する鎮痛
インフルエンザで高熱や頭痛があらわれた場合、カロナールを使用することにより、症状を和らげることが期待できます。
カロナールの種類は?
カロナールには、以下のような種類があります(※3)。
● 粉薬:カロナール原末、カロナール細粒20%/50%
● 座薬:カロナール坐剤小児用50、カロナール坐剤100/200/400
● 錠剤:カロナール錠200/300/500
● シロップ:カロナールシロップ2%
シロップや座薬など、小さな子供でも使用しやすいタイプがラインナップされているのが特徴です。
インフルエンザにカロナールが効かないこともある?
インフルエンザで高熱や頭痛があらわれた場合、カロナールを使っても目立った効果が見られないこともありえます。
その場合に考えられるのは、以下の3つの理由です。
インフルエンザの熱が上がっている最中
インフルエンザに限らず、感染症や風邪で発熱する際は、「熱が上がっている期間」、「発熱が一定している期間」、「熱が下がっている期間」があります。
このうち、熱が上がっている期間にカロナールを使用しても、カロナールによる解熱作用が相殺され、効果がないように見えることもあります。
カロナールの使用量が少ない
カロナールは体重に応じて使用量が決められており、場合によっては座薬を1回に2~3個使用することもあります。
処方されたとおりの量を使用しなければ、十分な効果が見られないこともあります。
カロナールの効果に対する誤解
一般的に、解熱剤は発熱によるつらさを取り去るものであり、熱自体を下げることが目的ではありません。
そのため、カロナールを使用したからといって、必ず平熱に下がるということではありません。
上記のような理由がないにも関わらず、カロナールを使っても高熱がなかなか引かない、呼吸が苦しい、全身のだるさが治まらないなどといった場合は、小児科や内科を再度受診して、医師の判断を仰いだ方がいいでしょう。
インフルエンザでのカロナールは子供にも使える?
カロナール原末、カロナール細粒20%/50%、カロナール坐剤小児用50、カロナールシロップ2%は、0歳児がインフルエンザにかかったときも使用することができます。
ただし、添付文書には「低出生体重児、新生児及び3ヶ月未満の乳児に対する使用経験が少なく、安全性は確立していない。」と付記されており、一般的には体重5㎏・生後3ヶ月以上の子供に使用されます(※3)。
インフルエンザでカロナールを使うときの注意点は?
種類によって一部異なりますが、カロナールを使うときは、主に以下の点に注意してください(※3)。
● 使用する間隔は、4~6時間以上空けること
● できるだけ空腹時を避けること(座薬以外)
● 同時に使用している薬にも、アセトアミノフェンが含まれていないかを確認すること
● 妊婦、もしくは妊娠している可能性がある場合は、使用前に医師に相談すること
● 血液、肝臓、腎臓、心機能に重い障害がある場合は、使用しないこと
● アルコールと同時に摂取しないこと
● アナフィラキシーや冷や汗、めまい、息切れなどの副作用が起こりうること
インフルエンザでカロナールを処方される場合、これらの注意点に該当しないか、医師や薬剤師から確認を求められることもあります。
病院に行く前に、服用している薬などを確認しておくとスムーズです。
インフルエンザの熱や頭痛にはカロナールが効果的
熱や頭痛がつらいインフルエンザ。解熱・鎮痛作用があり、赤ちゃんも使用できるカロナールは、そのつらさを和らげるために有効な薬です。
ただし、子供の体重などによって服用量が異なるので、自己判断での服用は避けたほうが良いでしょう。医師の注意に従って、適切に使用してくださいね。