妊娠後期や臨月になるとお腹が大きくなる分、体への負担も増えてきます。気軽に運動するのが難しく、ストレスを感じる妊婦さんも多くいのではないでしょうか。そんなときは、ゆったりとした動きで行える「マタニティヨガ」がおすすめです。今回は、妊娠後期や臨月のマタニティヨガについて、お腹が大きくてもできるおすすめポーズや、マタニティヨガを行うときの注意点などをご説明します。
妊娠後期・臨月の妊婦さんの状態は?
妊娠後期・臨月ともなるとお腹の赤ちゃんはどんどん大きくなり、お腹もぐんと大きくなってきます。
妊娠後期・臨月は子宮やお腹の赤ちゃんが大きくなることでお腹が重くなり、他の臓器を圧迫するようになります。そうすると腰痛や便秘、手足のむくみ、こむらがえりといった不快症状が現れます。
妊娠が進むごとに胃や肺、直腸などが圧迫されるほか、出産に向けて赤ちゃんが降りてくることで膀胱も圧迫され、頻尿や尿もれをすることもあります(※1)。
体の不調がストレスにならないよう、マタニティヨガやストレッチ、適度な散歩で気分転換をするのがおすすめです。
妊娠後期・臨月にマタニティヨガをしてもいいの?
「マタニティヨガ」とは、妊婦さんの体やお腹の赤ちゃんに負担のかからないヨガです。
マタニティヨガは、妊娠後期・臨月でも、妊娠の経過が順調であれば行うことができるとされています(※2)。
この時期は、お腹が大きくなることで起きる不快症状を緩和させること、出産に向けた体力を高めることを目的としたポーズを中心に、マタニティヨガを行うのがおすすめです。
不快症状を緩和するためのマタニティヨガで体調を崩してしまっては本末転倒です。くれぐれも無理はせず、心地良いと思えるポーズや回数を判断して行いましょう。
妊娠後期・臨月におすすめのマタニティヨガポーズは?
一般的なヨガのポーズをマタニティヨガとして取り入れる場合は、お腹を圧迫したり負担をかけたりしないよう、体勢を工夫しながら行いましょう。
ここでは、妊娠後期・臨月になりやすい腰痛をはじめ、この時期の不快症状を緩和するマタニティヨガポーズを5つご紹介します。
1. イーグル(鷲)のポーズ
- 1. あぐらで座り、背筋を伸ばす(お腹が大きいので足は組まずにあぐらをかく)
- 2. 両肘を肩の高さに上げてひじを90度に曲げ、右が上になるように両腕をクロスする
- 3. 両肘を絡ませるようにクロスさせたら、顔の前で手の平を合わせる
- 4. そのままゆっくりと天井に向かって腕を上げ、肩甲骨を広げる
- 5. ゆっくり息を吐きながら腕を解く。今度は左腕を上にして、2〜4を行う
2. タツノオトシゴのポーズ
- 1. 両ひざを立てて寝転がり、頭の上で丸を作るように両手を組む
- 2. 内もも同士がくっつくようにして足を組む。両足を重ねたまま、息を吐きながら右側にひざを倒す(ひざを倒すときに、肩甲骨が床から離れないよう注意)
- 3. その姿勢で2~3回呼吸をし、息を吸いながら左側にひざを倒す
- 4. 元に戻し、反対の足でも2〜3を行う
3. 開脚(前屈)のポーズ
- 1. 足を伸ばして座り、足を開く。つまさきを上に向け、足首を90度に曲げる
- 2. 開いた足の間に両手をつき、おへそ・胸・頭の順番で、ゆっくりと上体を前に倒す。このとき、お腹を圧迫しないように気をつける
- 3. 苦しくない、気持ちの良い位置でストップし、ゆっくりと元の位置に戻る
4. 橋のポーズ
- 1. 仰向けになり、足を腰幅に開いてひざを立てる
- 2. 手の平を床につけて置き、息を吸いながらゆっくりとお尻・背中・胸の順番で持ち上げる
- 3. 腰を高い位置でキープしたまま、ゆっくり5回ほど深呼吸を繰り返す
- 4. 最後は息を吐きながらゆっくりと腰を下ろし、呼吸を整える
5. 四つん這いのポーズ
- 1. 両手両ひざを床につき、肩幅に開く(ひじは曲げないよう注意)
- 2. 腰・背中・首の順番で、ゆっくり上半身を丸める
- 3. ゆっくりと元の姿勢に戻す
妊娠後期・臨月にマタニティヨガをするときの注意点は?
妊娠後期・臨月にマタニティヨガをするときは、妊婦健診などで医師に事前に確認することをおすすめします。
それまでに安静の指示があった場合や多胎妊娠の場合、後期つわりやお腹の張りが続いているときは、無理をしてマタニティヨガを行わないよう注意しましょう。
また、妊娠後期・臨月に限らず、マタニティヨガをするときは食後・空腹時・入浴直後は避けるようにしてください。
特に妊娠後期・臨月の場合は、大きくなった子宮で胃や腸が圧迫されている状態なので、気分が悪くなることもあります。ポーズ中に呼吸を止めるなど、体に負荷をかけないようにしてくださいね。
マタニティヨガをしていて、少しでも異変を感じたらすぐに中断しましょう。また、お腹の張りや不調が続く場合は、かかりつけの産科で診てもらいましょう。
妊娠後期・臨月にマタニティヨガを楽しもう
前述のとおり、妊娠の経過が順調であれば臨月でもマタニティヨガを続けることができます。
お腹が重くなると動くのがおっくうになりがちですが、マタニティヨガなどで体を動かして、出産に向けて体調を整えていきましょう。
予定日を過ぎても生まれる気配がないときは、マタニティヨガの陣痛を促すポーズをするのもおすすめですよ。
陣痛を促すポーズに「しゃがみこみのポーズ」があります。
足を肩幅に開いたまま、両手を胸の前で合わせてゆっくりを腰を下ろしていくだけなのでとても簡単です。スクワットもよく知られた方法ですね。
マタニティヨガを上手に活用して、スムーズなお産ができると良いですね。