お腹が大きくなるにつれてお腹や胸に現れる妊娠線。消す方法はあるのか、赤ちゃんを産んだ後は消えるのかなど気になる女性は多いと思います。そこで今回は、妊娠線を消す方法はあるのか、放っておいても産後に消えるのかなどをご説明します。
妊娠線とは?なぜできるの?
妊娠線とは、妊娠中の女性のお腹や胸、太もも、お尻などの皮膚にできる縦に長い紡錘形の線のことです。長さは5〜6cm、幅は5〜6mmで、数個しか現れないこともあれば無数に現れることもあります。
妊娠線の表面は滑らかで、光沢があり、周囲の皮膚よりも少しへこんでいます。できたばかりの妊娠線は青や赤っぽい色をしていますが、次第に赤褐色になり、赤ちゃんを産んだ後は退色して白いシワになります(※1)。
妊娠でお腹が大きくなるのに伴って皮膚が急速に伸びると、皮膚の下にある真皮という組織の繊維が皮膚の伸びに追いつかず、軽く裂けます。すると、真皮内の毛細血管も破れてしまい、妊娠線ができると考えられています。
妊娠線の研究はほとんど行われていないため、出現する時期は正確にはわかっていません。ただし、京都大学の報告によれば、初めて出産を経験する人の約40%、妊娠経験者の約60%で妊娠線が発生し、妊娠線ができる女性のうち約80%が妊娠中期までにできるとされています(※2)。
妊娠線は消えるの?消す方法はある?
残念ながら、一度できた妊娠線が消えることはありません(※2)。
すでに述べたとおり、妊娠中は青や赤に見えた妊娠線は出産後に白っぽく色が変化するため、妊娠線が産後に消えたように見えることはあるかもしれません。しかし色が変わっているだけで、妊娠線自体が消えたわけではありません。
また、妊娠線を消す方法として、レーザーなどによる治療や妊娠線を消すクリームなどが紹介されていることもありますが、効果は確かなものではありません。
妊娠線は消す以外に対処法があるの?
前述のとおり、残念ながら一度できた妊娠線を消すことはできません。そのため、消すことよりも予防に意識を向けた方がいいかもしれません。以下で紹介することを妊娠線ができる前から心がけていれば、ある程度予防する効果が見込めますよ。
体重を適切にコントロールする
妊娠線の大敵は肥満だとされています。急に太ってしまうと皮膚が必要以上に伸びてしまうからです。つわりが終わって安定期に入り、体調が良くなって食欲が出てきたら、妊娠線ができやすい時期だと意識して体重の変化を少し気にしてみましょう。
妊娠線予防マッサージをする
妊娠線予防マッサージとは、お腹や胸の場合は円を描くように、足やお尻の場合は下から上に向けて行うマッサージです。まだ妊娠線がなかったとしても、1日2〜3回を目安にやってみてください。その際、自分の肌に合うマッサージオイルやクリームを使うといいでしょう。
お腹が大きくなってくると、おへその下や胸の下、お尻など自分では見えない場所に妊娠線ができることがあるので、鏡などを見ながら見えにくい場所もマッサージをするといいでしょう。ただし、お腹が張ったらマッサージを中止してくださいね。
ただし、胸をマッサージするときに乳頭までマッサージしてしまうと、お腹が張ってしまう可能性があります。そのため、正期産に入るまでは乳頭はなるべくマッサージしないようにしましょうね。
保湿クリームや保湿オイルを塗る
肌が乾燥していると肌の柔軟性がなくなってしまい妊娠線ができやすくなるので、保湿用のクリームやオイルをお腹や胸などに塗るのも効果が見込めます。
肌がカサカサの状態で塗っても浸透しにくいことがあるため、塗るタイミングはお風呂上がりがいいでしょう。
妊娠中は匂いに敏感になったり、肌の性質も変化しやすいので、市販のクリームやオイルを使う場合は、香りをかいで不快に感じないか確認したり、少しだけ塗ったりして、自分に合うものか確認してから使うようにしましょう。
ただし、アロマオイルを使う場合には、事前にアロマショップの店員さんに相談してからにしましょう。アロマオイルの中には陣痛を促すなどの効果があり、妊娠中は使わない方がよいとされているものもあるからです。
お腹を支える
妊娠線はお腹が大きくなるのに伴って皮膚が伸びることで発生します。そのため、お腹が大きくなってきた頃に、腹帯やマタニティ用のガードルなどを使い、お腹を支えて皮膚が急激に伸びすぎないようにすることで、妊娠線ができにくくなるかもしれません。
妊娠線は消すことよりも予防を意識しよう
妊娠線は一度できてしまうと消えないため、できないように予防することが大事です。
ですが、妊娠線ができてもお腹の中の赤ちゃんに悪影響はありません。できることなら、なるべく妊娠線ができないようにしたいものですが、できてしまっても落ち込まないでください。赤ちゃんが大きく育っている証として、前向きに受け止めたいですね。