生理不順を招く病気とは?生理が止まることもあるの?

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年 山梨医科大学(現 山梨大学)医学部卒。沖縄県立中部病院 総合周産期母子医療センターを経て、板橋中央総合病院に勤務。産婦人科専門医、周産期専門医として、一般的な産婦人科診療から、救急診療、分... 監修記事一覧へ

妊娠を望む女性にとって、生理不順は解消しておきたいものです。なんらかの病気が原因で不順になっている可能性もあるので、早めに病院を受診し、検査をすることが大切です。そこで今回は、生理不順を招く可能性がある病気について、原因や症状などをご説明します。

生理不順とは?病気なの?

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生理不順とは、一定の周期で規則正しく生理が来ない状態を指します。生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの期間を生理周期と呼びますが、健康な女性であれば、この期間は25~38日の範囲内であることが一般的です。

もし生理周期が24日以下、もしくは39日以上になったら、生理不順が疑われます。

生理周期はちょっとした原因でも乱れやすいものなので、一時的な乱れであれば、あまり心配はいりません。しかし生理周期の乱れが2~3回続いたら、病気が原因の場合もあるので、婦人科を受診することをおすすめします。

生理が24日以内に来てしまうことを「頻発月経」、39日~3ヶ月以内の間隔で来ることを「稀発月経」といいます(※1)。

生理不順が起こる仕組みは?

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生理周期には「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という2つの女性ホルモンが関わっています。これらが交互に分泌されることで一定のリズムが生まれ、規則的に生理が来るようになるのです。

そのため、このホルモン分泌のバランスが崩れると、生理周期が乱れ、生理不順が起こります。ホルモンバランスの乱れは、女性特有の病気やストレスなど様々なものが原因になります。

生理不順を招く病気とは?

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女性ホルモンの分泌に関わる卵巣や子宮などの病気にかかると、生理不順を招く可能性があります。ここでは、生理不順の原因となり得る主な病気をご紹介します。

子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮の筋肉や粘膜の下にできる良性の腫瘍です。腫瘍のできる部位や大きさによって症状は異なりますが、生理不順や経血の増加などが起こりやすくなります。小さな腫瘍だと無症状のこともあります。

女性の20~40%に存在し、年齢とともにその頻度は増加します(※1)。誰にでも発症する可能性があるので、定期的な検査を行うことをおすすめします。

子宮内膜症

本来は子宮内にしか存在しない子宮内膜の組織が、卵巣や腸管といった子宮以外の器官に発生する病気です。強い生理痛や腰痛、下腹部痛が起こるほか、生理不順も引き起こします。生殖可能年齢の女性の約10%に起こります(※1)。

完治が難しく、薬で治療した際の再発率は20~60%と、再発の頻度も高いのが特徴です(※1)。そのため基本的には、対症療法を受けながら長期間付き合っていくことになります。

子宮頸がん

腟と子宮腔をつなぐ子宮頚部にできる、悪性腫瘍のがんです。基本的にはヒトパピローマウイルスの感染が原因で発症し、性交渉の経験がある女性であれば誰でも発症するリスクがあります。

日本では、年間10,000人もの女性が発症しており、40歳未満の若年層の発症が増加傾向にあります(※1)。

感染しても最初は自覚症状がなく、病気が進行すると生理不順や不正出血といった症状が現れます。

多嚢胞性卵巣症候群

卵巣の外側が固くなって排卵しづらくなり、卵巣内に未成熟の卵胞がたくさんたまってしまう病気です。排卵がきちんと行われないため、月経不順につながります。

女性の6~10%が多嚢胞性卵巣症候群であるといわれています(※1)。

卵巣チョコレート嚢胞

卵巣の内部に子宮内膜のような組織ができる病気です。正式には、「子宮内膜症性嚢胞」と呼ばれ、子宮内膜症と同じような症状が起こります。

甲状腺の病気

バセドウ病や橋本病といった甲状腺の病気でも、生理不順を引き起こすことがあります。

甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは卵巣などにも影響を与えているので、病気でホルモンの分泌量が減少すると生理周期の乱れにつながると考えられます。

生理不順の原因は病気以外にもある?生理が止まることも?

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生理不順は上記で説明した病気だけでなく、下記のような症状によっても引き起こされることがあります。

黄体機能不全

黄体機能不全は、女性ホルモンの一つである「プロゲステロン」の分泌がうまく機能していない状態です。黄体機能不全になると、基礎体温を計った際に、高温期の日数が短くなり、生理周期が乱れます。

プロゲステロンが分泌されなくなる原因には様々なものがありますが、はっきりと特定できないことがほとんどです。

卵巣機能不全

卵巣機能不全は、卵巣の機能が低下して卵胞の成長が悪くなったり、排卵が遅れたりする状態です。

加齢による影響が大きいといわれますが、過度のストレスやダイエットによる栄養バランスの乱れ、睡眠不足や運動不足といった生活習慣でも、卵巣の機能が低下する可能性があります。

無排卵

生理があっても排卵されていない状態が無排卵です。脳の視床下部のホルモン調節機能低下や卵巣機能低下の長期化などが原因で、卵巣機能不全が長期間続くと無排卵になるといわれています。

無排卵の場合、生理が月に2回来る、生理周期が長くなるなどの症状が見られます。無排卵を放置していると、生理が止まってしまうこともあります。

生理不順は病気のサインかも。生理が止まる前に婦人科へ

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生理不順を引き起こす原因は様々ですが、体からのSOSのサインであることは間違いありません。生理不順気味かなと思ったら、軽視せずに一度婦人科で検査することをおすすめします。

病気が原因であることが分かればそれにあわせて治療ができますし、病気がなかったとしたら安心して生理不順の解消に取り組めます。

また、「生理不順だと思っていたら、妊娠していた」ということも考えられます。妊娠の可能性が少しでもあれば、一度市販の妊娠検査薬を使って妊娠の確認をすることをおすすめします。

妊娠に気が付かないまま初期の大事な時期の健診を逃してしまうと、順調に妊娠が進んでいるかを正確にみることができなくなってしまうこともあります。

生理不順の原因を把握するために、日頃から自分の生理周期を把握しておくことも大切です。

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