卵巣機能不全とは?原因や症状、治療法は?改善後は妊娠できる?

卵巣は女性の生殖活動を担う大切な器官ですが、その機能がうまく働かなくなっている状態を「卵巣機能不全」と呼びます。卵巣機能不全に陥ると、女性の体に様々な影響をもたらし、不妊の原因になるため、適切な治療が必要となります。今回は、卵巣機能不全について、原因や症状、治療法、改善後に妊娠できるのかどうかなどをご紹介します。

卵巣機能不全とは?

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卵巣からは、月経周期にかかわる2種類の女性ホルモンが分泌されます。2つの女性ホルモンは、それぞれ「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」と呼ばれ、交互に分泌されることで毎月の月経周期を調整しています。

卵巣機能不全とは、卵巣の機能が低下して2つの女性ホルモンのバランスが乱れることで、「月経周期の乱れ」や「排卵障害」が引き起こされている状態を指します。卵巣機能不全は「卵巣機能低下症」とも呼ばれます。

卵巣機能不全の原因は?

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卵巣機能不全には様々な原因が考えられますが、精神的なストレスや過度なダイエット、激しい運動などが引き金になっているといわれます(※1)。

卵巣に女性ホルモンを分泌するように促す脳の視床下部は、自律神経を司る器官でもあります。精神的ストレスなどの影響で自律神経が乱れると、脳から卵巣への指令がうまく出せなくなり、ホルモン分泌のコントロールがうまくできなくなってしまいます。また、更年期になると卵巣そのものの機能が低下し、女性ホルモンのバランスが崩れやすくなります(※2)。

なお、卵巣そのものの病気や、視床下部・下垂体の疾患などが原因で卵巣機能不全に陥ることもあります。

卵巣機能不全の症状は?

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卵巣機能不全になると、女性ホルモンの乱れにより「月経異常」の症状が現れます。たとえば月経の出血が1週間以上続く「過長月経」や、月経周期が39日以上90日未満という長期間に渡る「稀発月経」などが見られます。

ただ、月経周期は乱れていても、定期的に月経があって、排卵が起きていれば基本的に問題はありません。しかし、これらが悪化すると、90日(3ヶ月)以上月経が来ない「無月経」や、生理がきても排卵されていない「無排卵月経」が見られ、不妊につながる恐れがあります(※2)。

また、ホルモンバランスの乱れにより、イライラや疲労感、のぼせ、動悸、頭痛、めまいなどの更年期障害に似た症状に悩まされる場合もあります。

40歳未満の女性で、4〜6ヶ月間の続発的な無月経がみられると「早発卵巣不全(POF)」が疑われます。早発卵巣不全と診断された場合、ホルモンの分泌的に閉経と同じ状態になっているため、排卵誘発が難しく早期に治療する必要があります。

卵巣機能不全の治療方法は?

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無月経や無排卵の状態が長く続いてしまうと、子宮内膜が育たず萎縮してしまったり、女性ホルモンがうまく分泌されなくなったりと不妊の原因になるので、妊娠を望む場合は特に治療が不可欠です。月経異常や排卵障害の可能性がある場合は、早めに婦人科を受診しましょう。

まず、ストレスやダイエットの影響など、卵巣機能不全を引き起こしている原因の可能性を探り、その原因を取り除くことで改善を目指します。

また、エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンが体内で不足していないかどうかを調べて、必要な場合は「デュファストン」などの薬で補うホルモン療法が行われます。

卵巣機能不全が改善すれば妊娠できる?

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卵巣機能不全が原因で無月経や無排卵の状態になってしまうと、「妊娠できなくなってしまうのではないか」という不安を感じる人もいると思います。しかし、一時的に卵巣の機能が低下しているだけであれば、ほとんどの場合、きちんと治療を続けていくことで機能が回復し、ホルモンバランスや月経周期が整っていきます。

卵巣機能不全になったとしても、卵巣に卵胞が残っていて、排卵がされるようになれば、妊娠できる可能性はあります。早期に妊娠を望むのであれば、排卵誘発剤を使用して排卵を促すこともあります。たとえば「クロミッド」という薬の場合、服用した女性のうち約75~80%に排卵の効果が見られます(※4)。

また、重度の排卵障害やPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)を抱えている場合、hMG注射とhCG注射の2つを使う「ゴナドトロピン療法」を実施することもあります。ゴナドトロピン療法はほかの排卵誘発法よりも高い効果を得られますが、副作用も現れやすいので、医師とよく相談する必要があります。

卵巣機能不全の予防・改善には、生活習慣の見直しが大切

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今回ご説明したとおり、卵巣機能不全はストレスで女性ホルモンの分泌が乱れることによって引き起こされることが多い症状です。普段からホルモンバランスを整え、卵巣機能不全を予防・改善するためには生活習慣の見直しが大切です。

「体を冷やさない」「軽い運動を続ける」「ストレスを上手に発散する」といったことを日常生活で意識するほか、月経異常に気づきやすくするために「基礎体温を測る」ことも習慣づけることをおすすめします。

卵巣の機能を守るために、規則正しく健康的な暮らしを心がけたいですね。また、生理不順が続くときは、早めに婦人科を受診して対処してください。

※1参考文献: 東海大学医学部産婦人科 月経不順(卵巣機能不全)※2参考文献: 日経BP社『女性ホルモンの教科書』※3参考文献: 株式会社メディックメディア『病気がみえる Vol.9 婦人科・乳腺外科 第3版』p.101※4参考文献: メルクマニュアル 家庭版「排卵の問題」

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