赤ちゃんをあやしても抱っこしても泣き止まない…。毎日夜中に何時間も寝かしつけをして寝た気がしない…。子供が言うことを聞かなくて、「おかしくなってしまいそう!」と感じたことがあるママも多いのではないでしょうか?そんなママはもしかしたら「育児ノイローゼ」になっているかもしれません。今回は、育児ノイローゼとはどんな症状が出るのか、何科の病院に相談するのか、自分でチェックできるのかなどをご紹介します。
育児ノイローゼとは?
育児ノイローゼとは、主に出産後のママが、育児によって感じるストレスの影響で精神的に不安定になってしまう状態のことを指します。
協力者がおらず、たった1人で育児のストレスを抱え込んでいるママで、特に完璧主義だったり、責任感が強い性格だったりする人ほどなりやすい傾向があると考えられています。
これは、赤ちゃんをきちんと育てなければと思うあまりに、上手くいかないことすべてがストレスとなって蓄積されていくからです。
育児ノイローゼは、医学的にははっきりと定義づけされておらず、出産後のママが発症する「産後うつ」を含んで語られることもあります。
育児ノイローゼの症状は?自分でチェックできる?
産後の女性は体内のホルモンバランスが乱れていて、気分がどんどん落ち込みやすくなっています。また育児中はささいなことでもついイライラしてしまうことはあるものです。
しかし育児ノイローゼになってしまうと、これらの症状がより顕著にみられるようになります。
たとえば、思考力低下や興味関心の薄れ、マイナス思考、眠れなくなる、外に出たくなくなるなど、社交的な行動ができなくなっていきます。
症状がひどくなる前に、普段の生活のなかで、育児ノイローゼの症状が現れていないかどうかを確認してみましょう。
以下の行動や心の動きで、当てはまるものにチェックしてみてください。もし該当するものが複数あれば、育児ノイローゼになっている可能性があります。
育児ノイローゼの症状のチェック項目
□ 育児中、孤独感に襲われる
□ 家族にイライラをぶつけてしまう
□ 子供に手を上げてしまう
□ 体重が激減している
□ 家事をやる気がしない
□ しっかり寝ても疲れがとれない
□ 睡眠時間が短くなった
□ 他人と会話をするのが億劫
育児ノイローゼの原因は?
育児ノイローゼの原因は、産後のホルモンバランスの乱れ、育児への不安や、育児で忙しいために家事を思い通りに進められないことへの焦り、子供の発達に対する心配や、母親としての自信がなくなることなどが挙げられます。
核家族だったり、パパが単身赴任だったりして、相談できる相手が近くにいない場合は特に、育児ノイローゼになりやすい傾向があります。
また、深夜の授乳や夜泣きなどで生活リズムが崩れて、体に疲労が溜まることも、育児ノイローゼの原因の一つとされています。
育児ノイローゼは何科の病院で相談する?
育児ノイローゼになっているという自覚がある場合、出産でお世話になった産婦人科や、心療内科・精神科の病院に相談することをおすすめします。
ただし、育児ノイローゼなのか、一時的な気分の落ち込みなのかがわからず、いきなり病院に行くのはちょっと…、という場合もあるかもしれません。そんなときは、自治体の専門窓口にまず相談するのもいいでしょう。
自治体には、母子保健担当課など、ママをサポートしてくれる専門の機関があります(※1)。カウンセラーや保健師など、子育て支援の専門家が相談に乗ってくれますよ。
育児ノイローゼの治療方法は?
育児ノイローゼになってしまった場合、まずやるべき治療方法は休むことです。毎日の育児に追われ、誰にも頼れずに1人だけで頑張っている状態を変える必要があります。
パパや親族に協力を頼んだり、行政や民間の育児サービスを利用するなどして、1人でゆっくりするための時間をもちましょう。
ただ育児ノイローゼは、重症化すると自分で自分をコントロールできなくなり、自分や我が子を傷つけてしまう危険性もはらんでいます。そのため、自分の症状が重いと感じたら、心療内科や精神科でカウンセリングを受けたり、そこで処方された薬で治療をしたりすることも大切なことですよ。
育児ノイローゼになりやすい時期はある?
育児ノイローゼは、子供が何歳であるかに関わらず、親ならば誰でも症状があらわれる可能性がありますが、特に、短時間で寝たり起きたりを繰り返す、低月齢の赤ちゃんのママが発症することが多いようです。
これは、昼夜問わず赤ちゃんがお腹を空かせて泣くため、慢性的に寝不足になったり、一日のほとんどの時間をママと赤ちゃんだけで過ごすため、息抜きの時間がとれなかったりという要因があります。
また、子供が「イヤイヤ期」の頃に育児ノイローゼになるママも多いようです。イヤイヤ期とは、子供に自我が芽生えることによって、自分の思い通りにならないことに対して、泣いたりわめいたりという拒否反応を見せることです。
イヤイヤ期は子供によって個人差がありますが、多くは1〜2歳くらいにみられます。この時期は子供がママやパパの思い通りにいかないことも多く、大きなストレスを抱えるために、育児ノイローゼになりやすい傾向があるようです。
育児ノイローゼで子育てが難しいときは保育園に預けられることも
育児ノイローゼの症状が重く、ママによる子供の保育が難しいと医師が判断した場合、保育園に入りやすくなる場合があります。
保育園に入りやすくなる条件として「保育が必要な事由」が各地方自治体で設けられており、そのなかの「疾病、負傷により保育が困難な場合」や「心身に障害があり保育が困難な場合」などの項目に当てはまる可能性があるからです(※2)。
ただし、これらの事由は地域によって異なります。まずは住んでいる自治体の母子保健担当課などの窓口に相談しましょう。
育児ノイローゼで離婚したくなったときは?
育児の大変さをパパが理解してくれなかったり、仕事から帰っても家事や育児をしてくれなかったりする場合、パパに対してイライラが募っていくことがあります。育児ノイローゼになると、ネガティブな思考になりがちになってしまうため、離婚を考えるようになるかもしれません。
しかし、離婚の決断をするのは少し待ってください。育児ノイローゼになって、離婚したいと考えるようになった場合は、両親に子供を預けるなどして、一人で冷静に考える時間を作ってみましょう。
精神的に通常の状態ではないときに、大きな決断をするのはおすすめしません。ママ自身の幸せと子供の幸せを考え、本当に離婚すべきかどうかを慎重に考えましょう。
その際、一人で考え込むのではなく、心療内科などに通っている場合は医師に、通っていない場合は地域の福祉窓口に相談してから考えることをおすすめします。
育児ノイローゼは里帰りやパパの協力で対処しよう
産後は精神的に不安定な時期なので、周囲のサポートが不可欠です。そのため、パパの協力を得るか、パパが忙しいなら数ヶ月里帰りで育児をするなどして、休める時間を確保したいものです。
また、なんでも自分でしっかりやらなければと考えるのではなく、「できなくてもしょうがない」と気楽な気持ちで育児に向き合うことも大切です。
育児を完璧にこなすことはできません。なんでも自分がしなければと考えるのではなく、周囲に頼ればいいんだと気持ちを切り替えてみると楽になりますよ。