多くの妊婦さんが悩まされる「つわり」。つわりで苦しむパートナーの姿を見て、夫としてどうにかしてあげたいと思いながら、何をしたらいいのか分からず戸惑うこともあるのではないでしょうか。
そこで今回は、つわりについて夫が知っておきたいことや心がけたいことを、つわりを経験した先輩ママへのアンケート結果とともに紹介します。
まずは「つわり」を理解することから!
パートナーが妊娠したら、つわりとはどんなものか、しっかりと理解することが大切です。
つわりは、妊娠初期に現れる悪心・嘔吐など消化器系を中心とした不快症状のことで、妊婦さんの半数以上が経験するといわれています(※1)。
つわりの時期
一般的に、つわりの症状は妊娠5~6週頃から始まり、症状のほとんどは妊娠12~16週頃まで続くといわれています(※1)。ただし、始まりや終わりの時期には大きな個人差があります。
また、妊娠初期はつわりがなかったのに後期になって突然始まったり、一度は治まったつわりがぶり返して出産まで続いたりすることもあります。
編集部が行った「つわりに関するアンケート」(※)では、以下のような結果がみられました。
妊娠5週から始まった人が最も多かったですが、3週以前や10週以降に始まった人もいました。
つわりが終わった時期については、妊娠16週までに落ち着いた人が多かったものの、約44%の人が17週以降もつわりに悩まされていました。
つわりの原因
つわりの原因は医学的にはまだはっきりと解明されていません(※1)。ただ、妊娠によって起こる体内の様々な変化が関係しているのではと考えられています。
つわりの症状
つわりの代表的な症状には、以下のようなものがあります。
食べ物を食べている・いないにかかわらず、吐き気を感じたり嘔吐したりする
・食べつわり
空腹になると胸焼けや吐き気をもよおし、何かを口に入れていないと気持ち悪くなる
・においつわり
あらゆるにおいに敏感になったり、特定のにおいを嗅ぐと気持ち悪くなったりする
ほかにも、常に眠気に襲われる「眠りづわり」、よだれが過剰に分泌される「よだれつわり」、食欲不振、嗜好の変化、抑うつといった症状があります。
つわりの時期や期間に個人差があるように、症状やつらさも人それぞれです。1日の中でも波があり、症状が強い時間帯と比較的軽い時間帯がある人もいます。
なお、水を飲んでも吐いてしまうほどパートナーのつわりが重い場合は、脱水症状や妊娠悪阻の可能性もあります。そのようなときは、かかりつけの産婦人科に連絡して受診させてあげてください。
つわり中に夫ができることは?パートナーは何をしてほしい?
アンケート(※)では、「つわり中に夫にしてほしかったこと・してもらって嬉しかったこと」についても聞きました。以下のアンケート結果から、つわり中に夫ができることについて考えていきましょう。
1. 体調を気遣う声かけ
結果をみてもわかるように、つわり中のパートナーが夫にしてもらって何よりも嬉しいのは、体調を気遣い支えてくれること。
パートナーの体調や気持ちをすべて理解するのは難しいことですが、「今日は体調どう?」「無理しないでね」などと声がけをするだけでも、パートナーは心強いはずです。
できるだけ一緒にいたり、離れているときはメッセージを送ったりして、常にパートナーの体調を気遣うようにしましょう。
2. 食事の準備をする
つわりで「何も口にできない」「特定のものしか食べられない」「食べ物のにおいを嗅いだだけで気持ち悪い」というときに家族の食事を作るのは大変なことです。
パートナーが少しでも食べられるものがあれば、作ったり買ってきたりしましょう。パートナーが食べ物のにおいで気持ち悪くなる場合、夫は外食で済ますのも一つの方法です。
パートナーが苦手なにおいがするものは家では食べない、パートナーが食べられるものを常備しておく、といった工夫もできるといいですね。
3. 買い物に行く
つわりによって、買い物どころか、外出することさえ困難になる妊婦さんもいます。外出はできたとしても、スーパーやコンビニなどで食べ物を見ると気持ちが悪くなってしまうという人も。
ちょっとした買い物でも夫が行くようにしましょう。日用品や重いものは、ネットスーパーや宅配、通販などを利用するのもいいですね。
4. 洗濯や掃除などの家事を行う
今まで家事をほとんどパートナーに任せていた場合は、これを機に少しずつ洗濯や掃除などの家事をするようにしたいですね。
全て完璧にこなすのは難しいので、パートナーにまずは何をしてほしいか聞いて、優先順位をつけてできることから行うといいでしょう。
5. 家族のお世話
上の子や要介護者がいて、今まで主にパートナーがお世話をしていた家庭では、夫がお世話をするようにしましょう。ペットも同様です。
つわりが辛い時期のパートナーは思うように体が動かず、おむつやペットのにおいにも敏感になるため、以前のようにお世話をするのは大変です。
上の子のおむつ替えや園への送迎、ペットのお散歩、食事の支度などを夫が率先して行うことで、パートナーはずいぶん楽になるはずですよ。
つわり中は生活習慣も見直そう
アンケートでは「禁煙」や「禁酒」をしてほしかった・してもらって嬉しかった、という声も聞かれました。
6. タバコはすぐにやめる
パートナーの妊娠がわかったら、タバコはすぐにやめましょう。妊婦さんが副流煙を吸い込むと、胎児の成長に悪影響を及ぼす確率が上がるといわれています(※2)。
つわり中はにおいに敏感になりやすいため、タバコのにおいで気分が悪くなり症状が悪化してしまうこともあります。
7. 家でお酒を飲むときは工夫する
妊娠中は飲酒ができないため、もともとお酒好きだったパートナーは、お酒を飲む夫の姿を見て「自分は我慢しているのに…」と不快な気分になることがあるかもしれません。
また、お酒のにおいに敏感になり、ちょっと匂うだけで気持ち悪くなる妊婦さんもいます。
自宅でお酒を飲むときは、パートナーのことを考えて、飲む場所や時間帯を工夫しましょう。
8. 無理に夫婦生活を求めない
アンケート結果にはありませんでしたが、夫婦生活についても考えられるといいですね。
逆の立場で考えると、例えば高熱や二日酔いで寝込んでいるときに求められても応じる気持ちにはなれないはずです。つわり中のパートナーも同じで、体調が悪いときは、そういう気分になれないもの。
さらに、お腹の赤ちゃんに何かあったらと心配になることもあるかもしれません。妊娠初期は特にデリケートな時期なので、パートナーの気持ちを優先してあげてくださいね。
つわり中のパートナーを支えよう
今回ご紹介した8個の「夫ができること」を参考に、まずはパートナーの体調を気遣うことを第一に、家事や料理などできることからやっていくようにしましょう。
今までの生活が変わり大変なことも増えてくるかもしれませんが、パートナーを支えながらつわりの時期を一緒に乗り越えることで、二人の絆がより深まるはずですよ。
※アンケート概要
実施期間:①2022年9月7日〜9月30日 ②2022年10月25日〜11月1日
調査対象:妊娠中につわりを経験したninaruシリーズユーザー
有効回答数:①1097件 ②277件