子育てをしていると、どうしてもイライラしたり感情的に叱ってしまったりということもありますよね。「かわいいはずのわが子にこんなにイライラしてしまうなんて…」と思いつめてしまう人もいるかもしれません。
そこで今回は、そんな育児ストレスについて、原因や症状、解消法をご紹介します。
育児ストレスが限界…原因は?
一般的に育児ストレスとは、子どものお世話やしつけ、教育、成長にまつわることや、子どもの友人や親との関係について、親がストレスを抱える状態を指します。
育児ストレスが起こる原因は人それぞれですが、下記に一般的に考えられる原因をまとめました。
肉体的なダメージ・疲れ
産後しばらくは、体のいろいろなところに痛みを感じたり、疲れや寝不足が溜まったりしている状態で育児に追われ、気持ちにも余裕がなくなって、ちょっとしたことでストレスを感じやすくなります。
産後のママの体が妊娠前の状態に戻るまでには、一般的に経腟分娩の場合で6〜8週間ほど、帝王切開で出産した場合はさらに長い時間がかかるとされています。
ママの年齢や体力によっても回復までの時間には個人差があり、妊娠前の体の状態に戻るまで1年ほどかかることも珍しくありません。
体が回復して子どもがある程度成長しても、保育園や幼稚園、習い事の送迎や、公園や病院へ連れて行くことなど、さまざまな場面で体力を使います。
こういった肉体的な疲れや睡眠不足が蓄積すると、どうしてもイライラしやすくなるため、ストレスにつながりやすくなります。
不安や悩みなど精神的な負担
「体重はちゃんと増えているかな」「離乳食の進みが遅れているかも…」など、赤ちゃんのときも大きくなってからも、子どもの成長に関する不安や悩みは尽きないものです。
また、保育園や幼稚園に入ると、子どもの友達との関わりがはじまり、気をつかったり比べたりすることも多くなりがちです。ママ友との関係性で悩みを抱くことも少なくありません。
こういった不安や悩みを解消できず積み重なっていくとストレスにつながります。
育児で頼れる人が少ない
昨今は核家族化や近所付き合いの希薄化がますます進み、育児に関してパートナー以外の家族や近所の人、知人などにサポートを求めることが難しいと感じるママは多いようです。
頼れる人がいないとプレッシャーを感じたり、育児の悩みを相談したくてもできなかったりして、ストレスとなることもあります。
パートナーと育児や家事をうまく分担できれば問題ない場合もありますが、パートナーとの役割分担がうまくいかず負担が増えてしまうと、身体的にも精神的にもストレスが溜まります。
そのままの状態が続くと、出産や子育てをきっかけに夫婦仲が悪化する「産後クライシス」につながってしまうこともあります。
情報に踊らされてしまう
同じ年齢・性別の子どもでも、成長スピードや性格、育つ環境などはそれぞれ違うので、育児に正解はありません。
ところが、SNSやインターネット、テレビ、育児雑誌には、一見「これが正解」と思わせるような情報をはじめ、あらゆる情報があふれかえっています。
自分の育児と比べて、不安や劣等感を抱え込み、ストレスにつながるケースもあります。
仕事とのギャップや孤独感
育児は手をかけた分だけ目に見えて成果が出るとは限りません。
育児中は社会から切り離されたような孤独感を抱きやすく、育児ストレスのきっかけとなることもあるようです。
両親や義理両親との育児方針の違い
両親や義両親が育児をサポートしてくれるのは心強いものですが、「昔はこうだった」「こうしないと変な癖がついてしまう」など、ママやパパの育児のやり方に何かと口を出されると、ストレスになってしまうことも。
また、育児に対する方針や考え方の違いだけでなく、そもそも両親や義両親との関係性が良好でないこともあります。
子どもがいると両親や義両親との付き合いを避けることは難しく、ストレスの原因となるケースもあるようです。
育児ストレスが溜まるとどうなる?気をつけたい症状は?
育児ストレスが溜まると、些細なことでイライラして、ネガティブな感情が強く出やすくなります。
自分なりの方法で気分転換をしてストレス発散ができればいいですが、産後うつや育児ノイローゼに発展することも少なくありません。
産後うつや育児ノイローゼはママ自身で気づくのは難しいこともあるため、身近な人のサポートが必要不可欠です。
以下のような症状がいくつかある、頻繁にあると感じる場合は、すぐにパートナーや信頼できる人などに相談してくださいね。
□ 気分が落ち込んで涙が出てくる
□ 何かをする意欲がわかない
□ 子どもがかわいいと思えない
□ 考えがまとまらず、育児や家事にやたらと時間がかかる
□ 以前は好きだったものを楽しめない
□ 寝つきが悪かったり、逆に眠りすぎたりしてしまう
□ 食欲がない、または逆に食べすぎてしまう
□ 何事も自分が悪いと考えてしまう
□ 漠然と不安になる
□ 他人との交流を面倒に感じる
□ 頭痛や動悸、息苦しさ、肩こりなどがひどい など
少しでも心当たりがあればママ自身を守るためにも、心療内科や出産した産婦人科、お住まいの地域の保健センターなどで相談するのも大切です。日本助産師会のホームページにも、全国の相談窓口が掲載されているので、ぜひ活用しましょう。
専門家に相談することで、育児ストレスや現在の症状を緩和する第一歩につながります。
最近は女性専門や託児所付きの心療内科やオンライン診療を行っている病院も増えているので、ためらわずに受診してくださいね。
育児ストレスを解消する方法は?
育児をしていて少しでもストレスを感じたら、できるだけ早く解消することが大切です。育児ストレスの原因によって解消方法も変わってきますが、以下のようなことを心がけるとストレスが緩和されていくはずですよ。
「完璧なママ」を目指さない
理想のママを目指して育児も家事も完璧にこなそうとすると、「今日はこれができなかった」「ほかのママはできているのに…」などマイナス面ばかりに目がいって落ち込んでしまいストレスになります。
育児も家事も毎日続くものなので、完璧にやる必要はありません。「今日は最低限あれをやろう」「とりあえずこれができたからOK」というふうに、余裕をもってクリアできるレベルの目標を立てて、積極的に自分を褒めてあげてくださいね。
人やサービス、相談窓口をどんどん頼る
頼れる人やサービスはどんどん頼りましょう。
家族や知人など身近な人に頼れない場合は、一時預かりやファミリーサポート、産後ケア・産後ヘルパー、産後ドゥーラなどを活用してみてくださいね。
育児支援センターや児童館などに出向いて職員やスタッフと話したりするのもおすすめです。
家事代行やネットスーパーなどの便利なサービスも利用すると家事の負担も減りますよ。
育児に関する不安や悩みがあるときは、お住まいの地域の相談窓口や保健センターのスタッフなどを頼りましょう。
情報は集めすぎない
SNSやインターネットなどの育児情報は便利ですが、情報が偏っていることも。うまく取捨選択して、情報過多になったり自分と比べたりしないようにしましょう。
意識して定期的にストレス解消を行う
できるだけストレスを溜めないようにと思っていても、知らず知らずのうちに溜まるものです。
映画や動画を観る、ウインドウショッピングを楽しむ、体を動かす、カフェに行く、学生時代の友人と会う、など自分にとってストレス解消となる方法を見つけて、定期的に実践するのもおすすめです。
パートナーに任せたり一時保育やファミリーサポートを利用したりして、少しずつ自分のために時間を使うことに慣れていけるといいですね。
体が疲れているときは無理に外出する必要はありません。ひたすら睡眠をとったり、ネットでおいしいものを頼んで食べたりするのもおすすめですよ。
育児ストレスを感じたら早めに対策を
育児中のママは誰もが大なり小なり育児ストレスを感じるものです。ただし、そのストレスを解消しないまま溜めてしまうと、体にも心にも大きな負担となってしまいます。
少しでもストレスを感じたら、その原因を探り、今回ご紹介したような方法で上手に解消していけるといいですね。