母乳の量を増やす方法は?出が悪い・少ないときの対処法を教えて!

記事監修 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 続きを読む

はじめから母乳がなかなか出なかったり、順調に出ていたのに急に母乳量が減ったりするなど、母乳に関する悩みは多くのママが抱えています。理由がわからず、悩んだり落ち込んだりすることもありますよね。そこで今回は、母乳不足になる原因をはじめ、母乳を増やす方法や母乳量が減ったときの対処法をまとめました。

母乳の量が少ないかどうかの目安は?

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母乳不足かどうかを判断するには、赤ちゃんの体重が増えているかをチェックします。体重に大きな変化がない時期もありますが、しばらくたってもなかなか増えなかったり、反対に減ってしまったりする場合は母乳不足の可能性があります。

他にも、うんちやおしっこの回数が少なかったり、授乳間隔が短かったり、授乳してもなかなかおっぱいを離さず吸い続けようとしたりするのも、母乳が足りていないサインであることもあります。ただし、これらは母乳育児中によく起きることなので、1度起きただけで気にしすぎないようにしましょう。

赤ちゃんの体重は、新生児期は1日20~30グラム、生後1ヶ月は1日30グラム、生後2ヶ月くらいになると1ヶ月で1キログラム前後など、徐々にでも増えていれば母乳が足りている証拠です。

授乳中は、産後のホルモンバランスの乱れもあり、母乳が出ないことで自信をなくすことや、ストレスを感じてしまうママもたくさんいます。ママと赤ちゃんのお互いが授乳に慣れていないだけということもあるので、焦らず対処していきましょう。

母乳の量が少ない原因は?急に減ることってあるの?

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母乳が分泌される仕組み自体は明らかになっており、母乳を生成する「プロラクチン」と、母乳を外に押し出す「オキシトシン」という2つのホルモンが鍵になっています。これらのホルモンがしっかりと分泌されるかどうかが大切です。

ちなみに、ストレスや食事が母乳の分泌に影響するかどうかについては、まだはっきりした根拠がなく、また、昔から行われている乳房マッサージによってどれだけ母乳の分泌量が増えたかについての調査もありません(※1)。

ただし、実際の現場では母乳外来で食事や生活の指導、乳房マッサージが行われることもあり(※2,3)、それによって母乳の量が変化したという先輩ママの声も多くあります。つまり、母乳分泌に関しての仕組みは完全に解明されてはいないが、経験則としての対策が昔から行われているというのが現状だといえます。

母乳は主に血液からできており、アルコールや薬などが母乳を通じて赤ちゃんに影響が出るという調査研究があることからも、食事と母乳の分泌には何かしらの関係があるのではないかと考えられますよね。

以下の内容に心当たりがあれば、生活習慣や母乳を与えるタイミングを見直してみましょう。

母乳が少ない・母乳の量が減る主な原因

・ 授乳回数が少ない
・ 赤ちゃんがしっかりと吸えない(吸啜できない)
・ ミルクとのバランスの悪さ
・ 水分不足
・ 食生活の乱れ
・ 寝不足など不規則な生活
・ ストレスや冷え
・ 乳腺や乳管の詰まり

母乳の量を増やす方法はあるの?

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ここでは、前述の母乳不足や母乳量が減る原因をもとに、母乳の量を増やす方法をご紹介します。なかなか母乳が増えなかったり、急に減ってしまったりした場合は、以下の方法を参考に対処してみましょう。

授乳回数を増やす

赤ちゃんが乳首を吸って刺激を与えることで、母乳量は変わります。赤ちゃんが吸えば吸うほどプロラクチンの濃度が高くなり、母乳が作られるようになります。

24時間で8回以上の授乳をすると、プロラクチン濃度を維持できるので、できるだけ頻度を高く、赤ちゃんが欲しがるだけ与えてあげましょう。(※1)。

赤ちゃんとの接触回数を増やす

赤ちゃんが乳首を吸うだけでなく、赤ちゃんの泣き声を聞く、肌に触れる、匂いをかぐなどの行為でも、オキシトシンは分泌されます(※1)。日頃から赤ちゃんに愛情を注いであげるようにすることも、母乳の分泌に良い影響を与えてくれるのです。

水分をたくさんとる

水分不足で母乳が出にくいこともあります。母乳の原料はママの血液ですが、成分のほとんどは水分なので、意識的に水分補給を心がけましょう。冷たい飲みものは体を冷やしてしまうので、常温もしくは温かい飲みものを選ぶと良いですね。

母乳に良い飲み物を積極的に摂るのも効果的なので、関連記事も合わせて参考にしてください。

食生活を見直す

栄養不足も、母乳の分泌に影響を与える可能性があります。野菜中心のヘルシーな食事や和食など、バランスのとれた食事も大切です。

ケーキや揚げもの、乳製品といった高カロリー・高脂肪のものは控えましょう。栄養価が高く、体を温める根菜類の入ったお味噌汁がおすすめですよ。

生活習慣を整える

睡眠不足による疲労やストレスも、オキシトシンの分泌に影響を与える可能性があります(※1)。イライラするのも、育児疲れが原因のひとつとも考えられるので、パパや両親、地域のサービスを活用し、リラックスできる時間や睡眠時間を確保しましょう。

授乳以外の赤ちゃんのお世話をパパにお願いして、短時間でもまとまった睡眠時間がとれる体制を作ってください。

体を温める

血行が悪いと母乳の流れも悪くなってしまいます。体を冷やさないよう、薄着をせず、冷たいものを飲まないなど、身近なところから変えていきましょう。

たまにはお風呂にゆっくり浸かるのもおすすめ。育児で忙しいと、なかなか1人で湯船に浸かる機会も作れませんが、パパがいる日は赤ちゃんのお風呂は任せて、ママが1人でお風呂に入る時間も作ってみてください。

産褥期で湯船に浸かれない場合は、足湯がおすすめです。お気に入りのアロマオイルを垂らせば、よりリラックスできますよ。

おっぱいマッサージをする

せっかく母乳が作られても、乳腺が詰まり、母乳が乳房に溜まってしまっていては出るものも出ません。「乳腺炎」という、おっぱいトラブルになりやすくなるので、おっぱいマッサージでケアしてあげましょう。

親指と人差し指、中指の3本指で乳首を軽くつまみ、そのままゆっくり体の内側に押し込んで、押し込んだ状態で乳首のつまんでいる指に力を入れてみましょう。様々な方向から行うことで、乳管が開通しやすくなります。自分でうまくマッサージできない場合には、母乳相談室や母乳外来に行ってプロにマッサージしてもらうのもおすすめですよ。

ミルクと混合の場合は、ミルクを少しずつ減らす

混合育児をしている場合は、ミルクで満足してしまい、赤ちゃんがおっぱいを吸わなくなることも。しかし、おっぱいが吸われないことには母乳も増えません。

母乳が出ないときは赤ちゃんの体重が増えないため、混合育児にして粉ミルクを与えてあげる必要がありますが、できるだけ搾乳をして母乳をあげるようにし、少しずつでもミルクを減らせると良いですね。

また、母乳の分泌を良くするためには、お腹が空いている最初のうちにおっぱいを吸ってもらい、乳首を刺激するのもポイントです。まずは、おっぱいから授乳をし、不足分を搾乳分やミルクで補充するようにしましょう。

母乳の量を増やすには、こまめなケアが大切

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色々と対処してみてもなかなか母乳の出が安定せず、気が滅入ってしまう場合は、粉ミルクと混合にしてみるのも一つの方法です。授乳する時間も作りながら少しずつ対処し、気持ちに余裕を持つことも大切ですよ。また、自己判断をする前に、悩みがあれば母乳外来で相談して方法を一緒に検討してもらいましょう。

日本では「母乳育児の方が良い」というイメージが強いですが、ママのストレスになって体調を崩してしまったり、赤ちゃんの体重が減ったりしてしまっては本末転倒です。母乳によるメリットはありますが、ミルクが悪いわけではありません。ママと赤ちゃんのためにも上手に活用しましょう。

粉ミルクは、母乳に近い成分で作られているものがほとんどです。母乳と同様、抱っこしながらミルクを飲ませたり、たくさんスキンシップをとってあげたりしましょう。母乳育児は個人差が大きく、正解のないことなので、赤ちゃんとママの状態を専門家に相談しながら、自分にとってベストな方法を見つけられるといいですね。

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