母乳に良いお茶はある?授乳中にお茶で乳腺炎を予防できるの?

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

おっぱいのケアや管理が悩みの種、という授乳中のママも多いですよね。何とかして母乳の出を良くしたり、乳腺炎を防いだりしたいと思うと、飲み物や食事で対策ができないかと考える人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、お茶と母乳の量・質との関係や、授乳中のママにおすすめのお茶、その効果をご紹介します。

そもそも、母乳はどうやって作られるの?

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乳房の中には母乳をつくる乳腺がたくさんあります。妊娠すると女性ホルモンの一種であるエストロゲンやプロゲステロンなどのが働きにより、乳腺が発達します(※1)。しかし、妊娠中は胎盤からもこれらのホルモンが分泌されているため、母乳の分泌は抑えられています。

出産すると胎盤も取り出されるため、エストロゲンやプロゲステロンなどの分泌が激減されて母乳が出る体へと変化します。

出産するとエストロゲンが激減し、母乳分泌の準備が整います。そして、赤ちゃんが母乳を飲むときの乳首への刺激で、母乳を生成するプロラクチンというホルモンが分泌されるようになり、母乳が作られるようになるのです。

また、母乳を押し出す作用のあるオキシトシンが分泌されることで、母乳が外に出ます。

妊娠中は母乳が出ず、出産すると出るのは、こうしたホルモンの仕組みによるものなのですね。

飲み物で母乳が出やすくなり乳腺炎を防げるの?

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母乳には、タンパク質・脂肪・炭水化物・ミネラル・ビタミン類などが含まれていますが、ほとんどは水分です。そのためママが水分不足になってしまうと、スムーズに母乳が作られません。

水分不足を避けるためには、のどの渇きを感じる前に、こまめに水分補給することが大切です。一度にたくさん摂取するのではなく、少しずつ何回も飲むようにしましょう。

ただし、食べ物や飲み物と、母乳の質・量との関係には、まだ調査報告が十分にされておらず、根拠がはっきりしていません(※2)。WHOも、「高塩分・高脂肪の食べ物は乳腺炎の可能性を高めると考えられているが、結論づけられる根拠はない」と発表しています(※3)。

一方で、母乳外来や母乳相談室では食事の指導をすることもあります(※4)。つまり、経験則として、食事は乳腺炎や母乳の質・量に関係があるのではないかとも考えられている、といえます。また、飲み物と母乳の質・量の関係については、明確な医学的根拠はないのが現状です。

授乳中におすすめのお茶とその効果は?

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前述の通り、授乳中に質の良い水分を摂ることで、母乳の質を良くすることにつながるかどうかについて、根拠ははっきりしていません。

それでも、母乳は主に血液でできているため、お茶のような温かい飲み物を飲むことで血のめぐりが良くなり、母乳の分泌に良い影響を与えることもあるのではないかとも考えられています(※2)。

ここでは、授乳中のママにおすすめのお茶をご紹介します。

たんぽぽ茶(たんぽぽコーヒー)

たんぽぽの根が原材料のお茶です。たんぽぽ茶に含まれるレシチンやコリンは、動脈硬化の予防や悪玉コレステロールの抑制といった働きがあるため、血行を促進させ、冷え性の改善に効果が期待できます(※5)。

また、母乳づくりに欠かせない鉄分・カルシウム・ビタミン類も含まれています。

たんぽぽ茶の味はコーヒーに似ているので、授乳中にカフェインを我慢しているコーヒー好きのママにも好まれています。

ごぼう茶

ごぼうに含まれるサポニンには血のめぐりを良くする効果があるため、おっぱいが詰まりやすいママにおすすめといえます(※6)。また、食物繊維も豊富に含まれているので、便秘にも効果的です。

しかしサポニンを過剰摂取してしまうと、下痢・吐き気などの副作用を引き起こすこともあるので、飲み過ぎには注意しましょう。

ルイボスティー

「ルイボス」というマメ科の植物の葉を乾燥させたお茶です。マグネシウム・亜鉛・カリウム・カルシウム・リンなどミネラルが豊富に含まれていて、便秘の改善や整腸作用があります。赤ちゃんや幼児にもやさしいお茶として最近注目されています。

麦茶

大麦が原材料の麦茶には、豊富なミネラル類が含まれています。手軽に手に入り、いつでも飲めるのがメリットです。

ただし、麦茶には体を冷やす作用があるため、大量に摂取し体の末端が冷えると乳腺が詰まりやすくなることもあります。

飲むときには温めて、飲み過ぎないようにしましょう。なかにはカフェインが含有されているものもあるので、飲む前にパッケージを確認しておくと安心です。

ほうじ茶

原材料の緑茶を強火で焙じたお茶です。虫歯予防や腸内環境を整える効能があるカテキンが含まれていて、香ばしい香りにはリラックス効果もあります(※5)。ただ微量ですがカフェインが含まれています。飲み過ぎには注意しましょう。

ハーブティー

ハーブティーには血のめぐりを良くする効果が期待できるものもありますが、その根拠がはっきりしているわけではありません(※2)。

ハーブの種類によっては授乳中に避けたほうがいいものや、カフェインが入ったものがあるため、飲む前にハーブの効果やカフェインの有無を確認しておくと安心です。

授乳中に避けた方が良い飲み物は?

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授乳中におすすめのお茶がある一方で、授乳中には飲んではいけない飲み物もあります。ここではその代表的なものをご紹介します。

カフェイン入りの飲み物

紅茶やコーヒー、ウーロン茶、コーラなどにはカフェインが含まれますが、授乳中のママがカフェインを摂取すると、カフェインが母乳に移行します。

母乳からのカフェインを過剰摂取すると、赤ちゃんが興奮して寝つきにくくなったり不機嫌になったりすることがあるため、妊娠中と同様にカフェイン入りの飲み物は控えるようにしましょう。

アルコール

アルコールを摂取すると、ママの血中アルコール濃度とほぼ同じ濃度のアルコール入りの母乳を赤ちゃんに飲ませてしまうことになります。その結果、赤ちゃんの睡眠時間が短くなったり、運動能力の遅れが出たりするなどの影響があるともいわれています(※7)。

授乳中のアルコールは控えましょう。

授乳中には母乳に良いお茶をたくさん飲もう

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おいしい飲み物をゆっくり味わう時間は、育児で疲れた心身をいたわるためにも大切です。授乳中は赤ちゃんとママの健康に気を配りながら、ママ自身の生活スタイルや食生活を見直すチャンスです。

授乳中のママの体に良いお茶をたくさん飲んで、母乳育児を楽しんでいけるといいですね。

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