授乳中の摂取カロリーはどれくらいが理想?母乳に必要な栄養素は?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

母乳育児中は食事の内容になにかと気を遣うもの。また、母乳をあげていると食べても食べてもお腹が空いてしまうので、「こんなに食べていて大丈夫なのかな」と心配になるママも多いですよね。

今回は、授乳中に必要な摂取カロリーや栄養素についてご紹介します。

授乳中は食事に気をつけたほうがいいの?

新生児 親子 赤ちゃん

授乳中の食事について、特別に気をつけた方がいい食べ物は明確にはありませんが、アルコールやカフェインを含む飲み物は、母乳を通して赤ちゃんの体に悪影響を与えることがあるので注意しましょう。

以前は乳製品や脂肪分の多い食品によって乳腺炎を引き起こすことがあるといわれていましたが、医学的根拠はありません。UNICEF/WHOも「授乳中の女性は特別なものを食べたり、特定の食事を避けたりする必要はない」としています(※1,2)。

母乳はママの血液から作られ、成分の約90%は水分です。母乳育児中のママは授乳によってたくさんの血液と水分を失うことになるため、栄養と水分をしっかり摂る必要があります。

不足しがちな野菜や果物、豆類などを意識的に摂ってバランスのいい食事目指しましょう。「偏ったものを大量に食べない、食べ続けない」といったことを心がけてくださいね。

授乳中の摂取カロリーはどのくらい必要?

親子 男の子 ママ

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、母乳育児をしている場合、授乳していないときに比べて350kcal多くとる必要があります(※3)。

「1日たったの350kcalを増やすだけでいいの?」と少ないと思う人もいるかもしれませんが、これは早足で行うウォーキング1時間分に相当する量です。それだけ授乳というのは体に負担をかけることなので、食事でしっかり補給しましょう。

一方で、食事内容によっては、あっという間に1日のカロリー摂取量を超えてしまうこともあります。たとえば、菓子パンには、1個で350kcalを超えるものも珍しくありません。

成人女性の1日に必要なカロリーは、年齢や身長、体重、身体活動レベルによって異なります(※3)。

まずは、自分自身の身体活動レベルや普段の必要エネルギー量を確認したうえで、必要に応じて授乳中に必要な追加の350kcalを摂るようにしましょう。

授乳中はカロリーだけでなく栄養素も大切

料理 食材 はてな クエスチョン 疑問

授乳中は様々な栄養素が奪われやすいので、カロリーだけでなく栄養も食事でしっかり補いましょう。ここでは、授乳中のママが積極的に摂りたい栄養素をいくつかご紹介します(※3)。

出産直後は出産による出血が原因で貧血になりやすい状態です。また、母乳は血液から作られるため、慢性的な貧血になるママも多いもの。鉄分をしっかり摂ることで貧血を予防できるので、積極的に摂取するようにしましょう。

鉄分はビタミンCと一緒に摂取すると吸収がよくなります。茹でたほうれん草と油揚げをしょうゆと砂糖であえた「ほうれん草と油揚げの和えもの」などがおすすめです。

葉酸

葉酸は、妊娠初期の胎児の発達を促進することで有名な栄養素ですが、貧血予防や赤血球の生成、細胞の新生を助けるといった働きもあるので、産後もしっかり摂りたい栄養素です(※4)。キウイは半分食べるだけで多くの葉酸を摂取できるので、習慣的に食べることをおすすめします。

カルシウム

カルシウムは骨を丈夫にする作用があるため、赤ちゃんだけでなく産後の授乳でカルシウムを失いがちなママの骨や歯もケアしてくれます。

カルシウムは、牛乳やチーズといった乳製品や、小魚や野菜といった食べ物からも摂取できますよ。

授乳中の摂取カロリーを意識しながら食事を楽しもう

和食 食事 日本人

授乳中に必要なカロリーを知ることで、食べ過ぎやエネルギー量の不足を把握することができます。一度、1日のカロリー摂取量を計算してみるのもおすすめですよ。

授乳中の食事は、よほど食材が偏らない限り、難しく考える必要はありません。食べたいものを美味しく食べることは、ストレス解消になり心にゆとりができます。ママが笑顔で赤ちゃんに接するためにも、美味しい食事を食べて健康的に過ごせるといいですね。

こそだてハックに「いいね!」して情報を受け取ろう