授乳中に卵を食べてもいいの?母乳に影響が出る?

監修専門家 管理栄養士 安蒜 ゆい
安蒜 ゆい 病院・保育園にて管理栄養士として献立作成・衛生管理や食育活動に携わり、現在は独立しフリーランス管理栄養士・彩り時短食プランナーとして活動しています。「季節や行事を通して食事・家族の時間の大切さを伝えて... 監修記事一覧へ

赤ちゃんが生まれて心配なのが、アレルギーの問題です。そのため授乳中のママのなかには、「自分が卵を食べることで、母乳を通じて赤ちゃんが卵アレルギーになるんじゃないか」と心配する人もいます。そこで今回は、授乳中に卵を食べてもいいのか、卵かけご飯などの生食は問題ないのか、1日何個まで食べていいのかなどをご紹介します。

授乳中に卵を食べていい?母乳への影響は?

玉子 たまご 鶏卵

授乳中に卵を食べていいかどうかを心配しているママのなかには、卵を食べると母乳にアレルギー物質が含まれるのではないかと考える人もいるでしょう。

確かに卵は、日本の0歳児のアレルギー原因物質の第1位となっており、ママとしては心配に思うのも当然のことです(※1)。

実際に過去に行われた研究で、卵、牛乳、小麦という乳児の食物アレルギーの三大原因をママが食べて、母乳にどれくらいアレルギーの原因物質(アレルギー抗原)が含まれるかを調査したものがあります。

その結果、11~34%の頻度でアレルギー抗原が母乳から検出されましたが、その量はごくわずかでした(※1)。

これまでの調査では、授乳中のママがアレルギー物質を含む食べ物を制限して、赤ちゃんにアレルギーが出にくかったという調査結果はほとんどなく、現在では食事制限をする必要はないという考えが主流です(※1)。

ただし、赤ちゃんが卵アレルギーだと既にわかっている場合には、念のため医師と相談して食事の内容を決めたほうがいいでしょう。

授乳中に卵かけご飯などの生食はOK?

授乳 ママ 赤ちゃん

授乳中に、卵かけご飯などで生の卵を食べることは、卵が低温で保存されており、賞味期限内であれば、基本的には問題ありません。ただ一般的に、卵を生で食べると、サルモネラ菌感染などのリスクがあるとされています。

ママがサルモネラ菌に感染したとしても、母乳を通じて赤ちゃんに感染することはありません。しかし感染したママには、嘔吐や腹痛、下痢などの症状が出て、そのなかでも下痢はおよそ3~4日、長くて1週間続くこともあります(※2)。

授乳中のママがサルモネラ菌に感染すると、赤ちゃんのお世話がままならなくなるので、赤ちゃんにとって大変なリスクであることに変わりはありません。

もし心配であれば、卵の生食は避け、火を通してから食べることをおすすめします。

授乳中に卵は何個まで食べていい?

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授乳中に限らず、「卵は1日1個まで」というイメージを持っている人は少なくないでしょう。

これは、卵にはコレステロールが多く含まれており、食べ過ぎると、過去に厚生労働省が設けていた、動脈硬化の原因となるコレステロールの摂取目標値(成人男性750mg、成人女性600mg)を越える恐れがあると考えられてきたからです。

しかし、2015年に厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準」においては、1日に2個以上卵を食べる人とほとんど食べない人の死亡率にほぼ差がないことがわかったため、その基準が撤廃されています(※3)。

そのため昔言われていたように、卵の摂取量を1日1個までに制限する必要はありません。

ただ、卵に限らず何の食品にも言えることですが、食べ過ぎると栄養が偏る可能性があります。赤ちゃんの成長に大事なのは、栄養バランスのとれた母乳です。

授乳中のママは卵だけでなく、肉や魚、豆腐や野菜など、いろいろな食材をバランスよく献立に取り入れて、ママと赤ちゃんが健康な状態を維持できるようにしていきましょう。

また、偏った食事、特に塩分や脂質を多く含む食事は、乳腺炎などの病気の原因になると考えられているため、授乳中は控えることをおすすめします。

授乳中の卵はバランスをよく考えて食べよう

食材 食べもの 料理

赤ちゃんに多い卵アレルギー。しかし、授乳中のママの食事と、赤ちゃんの卵アレルギー発症の関係性はまだ十分な根拠がないため、一般的には卵を食べても問題ないとされています。

子供の卵アレルギー発症が心配で仕方がない場合は、意図的に避けるのも手ですが、卵が入っている食品は想像以上に多いもの。

卵料理は食べていないから大丈夫、と思うかもしれませんが、ケーキやクッキー、パンにも入っていますし、ちくわやはんぺんなどの練り製品に使われている場合もあります。

あまり神経質になるのは、かえって体に毒になる場合もあります。卵料理を食べ過ぎないように気をつける程度にし、赤ちゃんが飲む母乳のことを考えて、栄養バランスのいい食事を摂ることに意識を向けることをおすすめします。

ただし、すでに赤ちゃんが卵アレルギーを持っている場合は、母乳によって症状が出る場合もあるため、医師に相談しましょう。

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