「新生児は頻回授乳でいい」とはよく聞きますが、実際にはどれくらいの頻度や間隔で、いつまで飲ませればいいのか、初めて育児をするママは迷ってしまいますよね。そこで今回は、頻回授乳はいつまで続けるのか、1回の授乳時間や回数、母乳量はどれくらいなのかなどについてまとめました。
頻回授乳とは?
3時間起きくらいに1日8回以上赤ちゃんに母乳をあげることを「頻回授乳」といいます。生まれてすぐの新生児は1日に何度も母乳を欲しがります。
その回数は、「こんなにあげてもいいのかな?」とママが心配になるほど何度も飲みたがるほどで、ママはそのたびに授乳することになります。しかし、この頻回授乳は、新生児の成長にとって大切なものです。
新生児の頻回授乳中、間隔や回数はどれくらい?
この時期は赤ちゃんが欲しがるだけ母乳をあげてかまいません。欲しがった分だけ、授乳してあげましょう。
ママが体内で母乳をつくるにはプロラクチンというホルモンが必要ですが、プロラクチンは授乳開始から30~40分後にピークになり、授乳後2時間すると元に戻ってしまいます。また、日本助産師会によると、24時間に8回以上授乳をしていると、プロラクチンの濃度が低下することを防ぐことができます(※1)。
そのため新生児期には、授乳の間隔はなるべく3時間以内にするようにしましょう。そうすると母乳は常に作られ続けることになり、ママと赤ちゃんの授乳ペースも作りやすくなりますよ。
新生児の期間が過ぎても、1日6~8回くらいは母乳をあげましょう。赤ちゃんが欲しがるなら8回以上でもかまいません。授乳回数が少なくなると、赤ちゃんの飲む量も減ることになるので体重が増えにくくなります。「最低でも6回」はあげると覚えておいてくださいね。
新生児の頻回授乳での1回の授乳時間はどれくらい?
1回の授乳時間は両方で約10~20分くらいが適切です。あまり長いと赤ちゃんもママも疲れてしまうので、片方を5分ほど飲ませてから反対のおっぱいを吸わせ、まだ飲みたそうなら同じ順序でもう一回ずつ飲ませてあげましょう。授乳前よりもおっぱいの張りが落ち着いていれば、赤ちゃんがしっかりと母乳を飲めた証拠です。
ちなみに、ママの乳腺は、赤ちゃんが飲み終わってからも新しく作られて湧き出してくるので、5分の授乳が終わったからといって空っぽになるわけではありません。
頻回授乳はいつまで続けるの?
一般的には、生後3ヶ月頃から頻回授乳が徐々になくなってくることが多いようですが、これは赤ちゃんによって個人差が大きいものです。
頻回授乳をいつまで続けるべきかどうかというよりも、大切なのは体重が増えているかどうかです。体重が順調に増えているのであれば、少しずつ回数を減らしてもいいかもしれません。
頻回授乳が続く…母乳量が足りているのか心配
生後3ヶ月を過ぎても、「母乳を飲み終わって1時間もすると、また赤ちゃんが泣き出す」という繰り返しがあると、母乳量が足りていないのかなと不安になるかもしれません。しかし、前述の通り体重が順調に増えていれば大丈夫です。赤ちゃんが欲しがるようなら今まで通りあげてくださいね。
特に保育園入園などで卒乳を早めたいなどの特別な理由がない限り、授乳は赤ちゃんのペースに任せましょう。赤ちゃんにとって、授乳は心の成長にも大きな効果をもたらしています。
ただ、新生児から続く頻回授乳に疲れてしまうママも多いですよね。その場合は、生後3ヶ月頃からは、「泣いたら授乳」より「授乳の前に何かを試してみる」ことをおすすめします。
赤ちゃんが泣く理由は空腹だけではなく、抱っこやおむつ、甘えたいだけかもしれません。抱っこで話しかけることやおもちゃであそぶ、バウンサーに入れて揺らしてあげる、抱っこしてあやすなどして、赤ちゃんのしたいことを探りましょう。それでも泣き止まない場合は母乳をあげてくださいね。
一方、頻回授乳をしていても体重が増えていないときは、母乳量が足りていない可能性があります。その場合は、母乳量を増やす対策を講じたり、ミルクを追加することも考えた方が良いかもしれません。
頻回授乳は、赤ちゃんとママの絆を深める大切な時間
初めての母乳育児には、多くの悩みがつきものです。頻回授乳もそのひとつ。あまりに回数が多いので、睡眠不足でへとへとになっているママも多いですよね。しかし数年経てば、「そんなこともあったなあ」という良い思い出になります。
授乳期間は、赤ちゃんとママの絆を深める絶好のチャンスでもあります。この時期の家事は、手を抜いて赤ちゃんと一緒にお昼寝をしたり、たまにはパパやおじいちゃん、おばあちゃんの手を借りたりしながら、短い授乳期間を楽しんでくださいね。