母乳育児中に、ミルクを足した方がいいのか悩んでいるママも多いのではないでしょうか。母乳だけで赤ちゃんの体重が順調に増えていれば心配いりませんが、そうでなければミルクを足すようにお医者さんから指導されることもありますよね。今回は、母乳とミルクの両方をあげる「混合育児」の場合、ミルクの足し方や母乳との割合、どの順で授乳をすればいいかなど、混合育児のやり方についてご説明します。
混合育児とは?
離乳食が始まる前の赤ちゃんは、母乳やミルクから栄養を補給します。その方法には、母乳だけをあげる「完全母乳育児(完母)」、ミルクだけをあげる「ミルク育児」、そして、母乳とミルクの両方をあげる「混合育児」があります。
今回ご説明する「混合育児」では、母乳とミルクを両方あげることになるので、家庭によってその割合ややり方は様々です。
母乳が出にくい、ママの体調や都合(薬を飲まなくてはいけない、仕事に復帰する)など、混合育児にする事情は様々です。
ライフスタイルもそれぞれ違うので、混合育児は「母乳メインでミルクを足す」にすべきなのか、それとも「ミルクメインで母乳を足す」にすべきなのか、ママ自身が判断する必要があります。
混合育児での母乳の割合は?ミルクの足し方は?
家庭によって、混合育児の「母乳:ミルク」の割合は異なります。
ここでは大きく分けて「母乳をメインにする場合」、「ミルクをメインにする場合」の混合育児の例をご紹介します。
混合育児で、母乳とミルクの割合に正解はありません。
ママの状況や赤ちゃんの体重の増え具合いによって、その割合やミルクの足し方は変化するものです。赤ちゃんの様子を見ながら、調節するようにしましょう。
母乳をメインでミルクを足す混合育児の場合
授乳直後に赤ちゃんがすぐに口をパクパクさせる、授乳して30分以内に泣いているといったときは、母乳が足りていない可能性があります。
授乳間隔が2〜3時間くらい空くようにして、ミルクを足していきましょう。
ただし、次の授乳まで3時間以上空いてしまうときは、ミルクを足しすぎている可能性があります。
母乳の出をよくするためには、赤ちゃんにたくさんおっぱいを吸ってもらう必要があります。
母乳をメインで考えているママや、最終的に「完全母乳育児」を目指しているママは、赤ちゃんが欲しがるだけ母乳をあげるようにしましょう。ミルクは、母乳が足りない分を補うイメージで考えるといいですよ。
母乳の出が思わしくない場合は、以下の関連記事を参考にしたり、母乳外来に相談するなどして、生活習慣の改善も検討してみてくださいね。
ミルクをメインで母乳を足す混合育児の場合
赤ちゃんが哺乳瓶に慣れてしまえば、混合育児でミルクの割合を増やすことは、そう難しくありません。
哺乳瓶の乳首を口にくわえさせたりしながら、赤ちゃんを哺乳瓶に慣れさせてあげましょう。
哺乳瓶の乳首は柔らかいので、ママのおっぱいを吸うよりも少ない力で飲むことができます。
ミルクをなかなか飲まないときは、搾乳した母乳を哺乳瓶に入れて乳首から飲む練習をしてみましょう。
母乳は出ているけれど、仕事復帰などの理由でミルクをメインに切り替える場合は、おっぱいのケアも怠らないようにしてくださいね。
赤ちゃんが飲まなくなった母乳は、おっぱいの中で溜まり続けてしまいます。
そうすると乳腺が詰まり、乳腺炎を起こしてしまう危険性があります。搾乳するなどし、母乳の生成をコントロールしていきましょう。
【先輩体験談】混合育児のやり方!授乳のコツは?
混合育児のやり方は、どのような手順で行えばいいのでしょうか。
ここでは、代表例を大きく2つに分けて、うまくいく混合育児のコツを、先輩ママの体験談とともにお伝えします。
母乳をメインにミルクを足す混合育児の場合
授乳タイムでは、先に母乳をあげるようにしましょう。
おなかが空いていれば、赤ちゃんは一生懸命おっぱいを吸うので、それが刺激になり、母乳量が増えていきます。欲しがるだけあげて、足りないようならミルクを足します。
母乳の出が悪く、最初の1ヶ月は混合育児でした
母乳の出が悪かったので、入院中から混合育児でした。
授乳は、毎回おっぱいを左右5分程度吸わせてから、ミルクを足すという流れでした。出が悪かったせいか、途中でおっぱいから口を離すこともありました。
おっぱいを根気よく吸わせていたことがよかったのか、生後1ヶ月頃からは母乳の出がよくなり、そのあとは母乳オンリーになりました。
母乳外来やマッサージに行ったりはせず、食事内容に気をつけるくらいしかしませんでしたよ。(Sさん)
仕事復帰のために、計画的に混合育児に
産後半年で仕事に復帰しなくてはいけなかったので、計画的に混合育児にしていました。
会社の先輩から、「哺乳瓶の乳首を嫌がって大変だった!」という話を聞いていたので、生後2〜3ヶ月頃から、搾乳した母乳を哺乳瓶に入れて飲ませるようにしていました。
具体的には、朝・夜の寝かしつけ・ぐずぐずしたときはおっぱいを直接吸わせて、日中は搾乳した母乳を哺乳瓶に入れて飲ませていました。
はじめのうちは哺乳瓶の乳首を嫌がってしまい、最終的に4〜5種類は試したと思います。
哺乳瓶の乳首に慣れたら、次は、粉ミルクにチャレンジというステップを踏みましたが、ここは嫌がることなくすんなりクリアしました。
哺乳瓶に慣れておくと、子供を夫に託すことができるので、その点もよかったと思っています。
(Kさん)
また、実際にはママが思っているよりも、たくさん母乳が出ていることもあります。授乳の後に赤ちゃんが吐くことがあれば、ミルクが多すぎることも考えられるので、その場合は様子を見ながらミルクの量を減らしていきましょう。
ミルクをメインに母乳を足す混合育児の場合
赤ちゃんはおっぱいよりミルクを飲む方が楽なので、すぐに満腹になります。そのため、ミルクを与えてから母乳を吸わせようとしても、なかなか飲んではくれません。
ミルクをメインにして母乳を足す場合は、「ミルクだけを与える回」と「母乳をあげたのちにミルクを与える回」を分けることがポイントです。
日中は母乳を先に、夜間はミルクのみにすると、ママの負担も少なくすみますよ。
混合育児はママの負担が少ないメリットも
母乳の出が思わしくなく、ずっと混合育児でした。
母乳に関してはいろいろな意見はありますが、わたしは、混合育児でよかったと思っています。
家にいるときはおっぱいも与えましたが、外出先と夜間は基本的にはミルクにしていました。
ミルクなら外出先で授乳室を探す手間もないし、電車の中などでグズグスしてしまったときにサッと授乳することができます。
夫に子供の面倒をお願いできたので、その合間に買い物に行けたりした点も助かりました。
(Mさん)
母乳の量が足りず混合育児にしました
はじめのうちは母乳オンリーでしたが、次第に母乳の出が悪くなってしまい、健診で「ミルクを足しましょう」と指導されました。
哺乳瓶を嫌がることなく、4ヶ月のときにすんなりミルクデビューを果たしました。
グズグズしたときや寝かしつけのときなどにおっぱいをくわえたがりましたが、母乳はあまり出ていなかったと思います。
離乳食が始まるとミルクだけで満足するようになり、あっさりおっぱいを卒業してしまいました。それも個性なんですよね。
(Eさん)
ミルクだと体重が増えすぎてしまうこともあるので、こまめに体重を計るなどして、注意しておきましょう。
母乳とミルクの混合育児は、ママと赤ちゃんのペースで
完全母乳育児中で、ミルクを足すかどうか迷っている人は、助産師や医師にに相談してみましょう。
母乳メインの混合育児を希望しているママ、もしくは完全母乳育児を目指しているママは、赤ちゃんの機嫌がよく、体重が増えているなら、無理にミルクを足す必要はありません。
しっかりおっぱいを飲ませて、母乳の出る量を増やすようにしましょう。
初めての育児で、しかも新生児期や低月齢の時期は、授乳に関して悩むことが多いかもしれません。
しかし、ママや赤ちゃん、家庭によって状況が異なるので、他の家庭と比較するのではなく、赤ちゃんの様子を見ながら判断してくださいね。
最初のうちは大変ですが、そのうちママと赤ちゃんに一番合ったペースが見つかり、あっという間に授乳にも慣れてしまうはずですよ。
また、授乳時間や頻度などを育児日記帳やアプリなどに記録しておくと、リズムを把握しやすくなります。赤ちゃんのペースに合わせつつ、お互いにとって良い授乳リズムができると良いですね。