生まれたばかりの赤ちゃんのほっぺ(頬)は、白くてやわらかい肌を想像しがちですが、実際はとってもデリケート。真っ白だったほっぺが、いつの間にか真っ赤になってしまうことも珍しくありません。そこで今回は、赤ちゃんのほっぺが赤い原因や対処法についてご説明します。
赤ちゃんのほっぺが赤いのは普通のこと?
赤ちゃんの肌は大人に比べてとてもデリケートで、少しの刺激でも反応してしまうことがあります。大人の皮膚の半分くらいしか厚みがなく、肌が薄いことから外部の刺激を受けやすく、また、暖かい環境や発熱によって赤くなりやすい性質もあります。
急に赤ちゃんのほっぺが赤くなると心配になりますが、少し寒いだけでも赤くなることもあるので、赤ちゃんの機嫌も見ながら対処してあげましょう。
赤ちゃんのほっぺが赤い原因は?乾燥でかさかさになる?
赤ちゃんのほっぺが赤くなる一番の原因は、乾燥です。赤ちゃんの肌は未熟で、外からの刺激を受けるとすぐに乾燥して赤くなってしまうのです。
赤ちゃんの表皮の厚さは成人の1/10しかなく、バリア機能を持つ角層も少ないため、大人の肌のように水分を貯めることができません(※1)。
外からの刺激に対する肌の防御機能も未熟で、冬に空気が乾燥していたり、口の周りがよだれなどで汚れたところを拭いてあげたりすると、すぐに赤くなってしまいます。
赤ちゃんのほっぺが赤いのは病気かも?
赤ちゃんのほっぺが赤くなるのは乾燥が主な原因ですが、なかには病気の可能性があります。以下の可能性も考慮して症状をチェックしてください。乾燥とは異なる症状が出た場合には、早めに皮膚科もしくは小児科で相談しましょう。
風邪を引いた
風邪を引いたときには、体温が上がってほっぺたが赤くなります。ほっぺが赤くなった場合は念のため体温を測ってください。
黄色ブドウ球菌の感染(とびひ)
虫刺されやあせも、擦り傷などの部位を引っ掻いたところに、黄色ブドウ球菌が感染して皮膚を侵して水ぶくれができます(※2)。水ぶくれが飛び火のようにどんどんと広がってしまうことから、「とびひ」という俗称がつけられています。
りんご病(伝染性紅斑)を発症
りんご病になると、両方のほっぺが真っ赤になります。その約1週間前に、風邪のような症状がみられることがあります(※3)。
腕・お腹・太ももにギザギザした発疹(紅斑)が出たりするので、乾燥肌と見分けるときの参考にしてください。
1歳以下の赤ちゃんがりんご病にかかるのはまれですが、保育園に通っていると感染する可能性があるので注意しましょう。
赤ちゃんが乾燥で赤いほっぺになったらどう対処する?
赤ちゃんの乾燥対策としては、保湿を心がけることです。外から帰ってきたときやお風呂あがりには、ベビー用ローションや保湿クリームを塗ってあげてください。室内は加湿器で湿度を50~60%に保つようにするといいですよ。
また、日頃から肌を清潔に保つことも大切です。食後や授乳後は濡れタオルやガーゼでやさしく拭いてあげましょう。
お風呂で洗うときは刺激の少ないベビー用石鹸をたっぷり泡立て、泡の先で触るようにやさしく洗ってくださいね。衣類やスタイ、寝具なども肌触りのよいものを選ぶと、乾燥した肌を傷つけずに済みますよ。
お風呂に入るとほっぺの赤みが強くなり、かゆさも増してしまうので、ひどくかゆそうにしていたら、シャワーなどでサッとすませるようにしましょう。
赤いほっぺの原因が病気のときは、どう対処すればいいの?
赤ちゃんに発熱があってほっぺが赤い状態になっているときは、原因となる病気への対処が必要です。
風邪は体温調節が大切
風邪であれば自宅で安静にして、汗で脱水症状が出ないようにこまめな水分補給をしてあげましょう。「熱を下げてほっぺの赤みがなくなるように」と思うかもしれませんが、無理に薬で下げることはせずに、脇や首の後ろ、ひざの裏、太ももを冷やすといいですよ。
黄色ブドウ球菌の感染(とびひ)は薬で対処
黄色ブドウ球菌の感染は、軽度であれば抗菌薬を4~5日塗ることで対処します。かゆみが強いときにはかゆみ止めの薬も使用します。
りんご病は安静にして保湿対策
りんご病はウイルス感染によって生じますが、現時点でりんご病を直接治療する特効薬はありません。ほっぺが赤くなるときには、すでに他の人への感染力はないので、保湿をして経過を見ていれば問題ありません。
赤ちゃんのほっぺが片方だけ赤い場合は?
赤ちゃんのほっぺが赤い原因としては、多くが気温や体温、乾燥、病気によるもので、基本的に両方のほっぺが赤くなります。
赤ちゃんのほっぺが片方だけ赤いときに考えられる理由としては、寝るときに向き癖がある、授乳が同じ方向ばかりになっている、抱っこをしているときに眠ってしまってほっぺに体重がかかってしまった、といった物理的な刺激が考えられます。
いずれも、赤ちゃんのほっぺが片方だけ擦れて肌荒れしてしまい、赤くなったと考えられます。
寝るときや授乳といった向く方向によるクセが続くと、頭の形が悪くなったり、姿勢に影響が出たりすることもあるので、無理のない範囲で少し位置を変えてあげるといったお世話をしてあげましょうね。
赤ちゃんの赤いほっぺは日頃からケアを
赤ちゃんのほっぺが赤いときには、症状別にきちんと対処してあげたいですよね。乾燥によってかさかさ肌になってしまっても、保湿を心がけて丁寧に接してあげれば悪化させずに済みます。
時間が経てば赤ちゃんの肌も強くなり、乾燥に負けない肌へと成長しますよ。手間はかかりますが、赤ちゃんの将来の肌のためにもこまめな家庭でのケアを心がけてくださいね。