赤ちゃんに蕁麻疹が出た!考えられる原因は?どう対処すべき?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

赤ちゃんの肌はデリケートで、発疹が起きやすくなっています。そんな肌トラブルの中でも特に注意したいのが蕁麻疹(じんましん)です。蕁麻疹は、突然発症して強いかゆみを伴うため、赤ちゃんはつらい思いをすることになります。今回は赤ちゃんの蕁麻疹について、原因や症状、対処法、病院に行く目安などをご紹介します。

赤ちゃんの蕁麻疹はどんな症状?

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蕁麻疹とは、皮膚の一部に赤く盛り上がった発疹が現れる病気のことです。

蕁麻疹は突然起こり、強いかゆみを伴うのが一般的です。皮膚以外にも、くちびるや口の中、のどの奥にも発疹が現れることがあります(※1)。

蕁麻疹はほとんどの場合、数分から数時間で跡形もなく消えますが、半日から1日ほど症状が続くこともあります。しかし、場合によっては体全体が赤くなり、呼吸困難や顔色不良などのアナフィラキシーを起こすこともあるので、注意が必要です(※2)。

赤ちゃんの蕁麻疹の原因は?

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赤ちゃんに限ったことではありませんが、蕁麻疹が起こる理由は様々で、原因がわからないこともよくあります。主な原因は、以下の通りです(※2)。

● 薬
● ダニやハウスダスト、花粉
● 食物アレルギー
● 下着のゴムなどによる圧迫
● 寒暖差
● 温かいもの・熱いものとの接触
● 日光による長時間の刺激
● 体調不良
● ストレス

食品に対するアレルギーでは、それまで問題なく食べられていたものでも突然アレルギー反応が起きて、蕁麻疹になることもあります。

赤ちゃんに蕁麻疹が出たときの対処法は?

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赤ちゃんに蕁麻疹と見られる症状が現れたら、以下のように、落ち着いて対処してあげてください。

かゆみを和らげる

強いかゆみでかき壊してしまうことがあるので、かゆみを和らげてあげましょう。患部を冷やすとかゆみが軽減するので、冷たくしぼったタオルなどを患部に当ててあげるといいですよ。

お風呂に入る際は短時間にして、お湯の温度は38~39度とぬるめにします。できれば湯船にはつからず、シャワーのみで済ませましょう。かいてしまっても怪我をしないように、爪を短く切って清潔に保っておいてください。

睡眠中は無意識にかいてしまうこともあるので、ミトンをつけてもいいですね。

水分補給を行う

口の中に蕁麻疹ができてしまうと、赤ちゃんの機嫌が悪くなり、飲食をしたがらないことがあります。

そんなときはうどんやゼリーといった口当たりのいい食べ物を与えて、赤ちゃん用イオン飲料や麦茶などで水分とミネラルを補給することを心がけてください。母乳で水分補給を行っても大丈夫です。

赤ちゃんの様子をチェックする

赤ちゃんの蕁麻疹は再発することがありますが、原因を特定できれば、再発をある程度防止することができます。

いつ・どこで・どのように蕁麻疹が出たのか、もしすでに症状が治まっているのなら、どのくらいの時間で蕁麻疹が消えたかを記録しておくと、病院を受診した際に診断がスムーズに進み、原因究明もしやすくなります。

蕁麻疹はすぐに消えてしまうことがあるので、スマホやカメラで患部の写真を撮っておきましょう。

赤ちゃんに蕁麻疹が出たら病院に行くべき?

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蕁麻疹は自然と治まることがほとんどなので、症状がそれほどひどくなければ、しばらく家で様子を見てみましょう。

しかし、蕁麻疹が何度も起きる場合や、症状がなかなか消えなかったり、ひどかったりする場合は皮膚科か小児科を受診し、医師に診てもらってください。また、蕁麻疹だけでなく呼吸困難や意識障害があれば、「アナフィラキシー」という緊急性がある状況なので、すぐに救急車を呼んでください。

赤ちゃんの蕁麻疹の治療法は?

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一般的に蕁麻疹を治療するときには、抗ヒスタミン薬などの抗アレルギー薬が処方されます。症状によっては、かゆみ止めの塗り薬が処方されることもあります。

蕁麻疹が食物アレルギーによって起こっていて、原因となる食べ物も分かっている場合は、医師の指導のもとアレルゲン(アレルギーの原因になる物質)を摂取しないようにする食事療法を行っていきます。

食物アレルギーの可能性があり、原因となる食べ物が分からない場合は、アレルギー検査を受けて、アレルゲンの特定を試みることも。しかし実際のところ、原因が分からないことも多くあります。

蕁麻疹は赤ちゃんに遺伝するの?

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パパやママが体質的に蕁麻疹が起きやすい場合、赤ちゃんにも蕁麻疹の症状が現れると「遺伝したのかな…」と思い詰めてしまうかもしれません。

日本皮膚科学会によると、いろいろなものに対してアレルギー反応を起こし、アレルギー性の蕁麻疹が起きる人であれば、その体質が遺伝することもありますが、ほとんどの場合、蕁麻疹が起こる体質は遺伝しません(※3)。

ママやパパが落ち込んでいると、その気持ちが赤ちゃんにも伝わって、元気がなくなってしまうかもしれません。赤ちゃんが蕁麻疹になったからといって過剰に心配しすぎず、落ち着いて対処していきましょう。

赤ちゃんの蕁麻疹は再発防止が大切

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赤ちゃんの蕁麻疹は、繰り返し発症しないように予防することが大切です。ストレスが溜まったり、生活リズムが崩れたりすることが原因で蕁麻疹が起きることがあるので、睡眠時間をしっかり確保した規則正しい生活を心がけましょう。

また、肌を清潔に保っておくことは、蕁麻疹予防につながります。汗をたくさんかいているときは肌着やおむつをこまめに替え、毎日のお風呂でも丁寧に体を洗ってあげましょう。

日頃から予防を意識して、赤ちゃんを蕁麻疹の苦しみから守っていけるといいですね。

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