赤ちゃんの目の周りが赤くなっていると、「もしかしてアトピー!?」と不安になるかもしれません。ただ、生まれたばかりの赤ちゃんの目の周りは赤くなりやすいので、ぱっと見ただけで原因を特定するのは難しいものです。そこで今回は、赤ちゃんの目の周りが赤いときの原因と見分け方、対処法についてご説明します。
赤ちゃんの目の周りが赤くなりやすい理由は?
生まれたばかりの赤ちゃんの皮膚は大人に比べて薄く、皮脂の分泌が盛んです。そのため、肌が汚れると、すぐに湿疹や赤みが現れてしまいます。
特に赤ちゃんの目の周りの皮膚は、より薄くてデリケートです。乾燥や目やにの付着など、ちょっとしたことでカサカサに乾燥したり、赤くなったりしてしまいます。
赤ちゃんの目の周りが赤い原因は?見分け方は?
赤ちゃんの目の周りが赤い場合は、大きく5つの原因が考えられます。それぞれの症状と見分け方、対処法についてご説明します。
1. 乳児脂漏性湿疹で目の周りが赤い
乳児脂漏性湿疹は、生まれたばかりの赤ちゃんによくみられる一般的な湿疹なので、心配はいりません。
ホルモンバランスの変化で、生後2週間くらいから目の周りや頬に赤いブツブツができ始め、3ヶ月を過ぎる頃にはほとんど治まります。
赤ちゃんの目の周りは皮脂の分泌が少ないので、頬や額など皮脂の分泌が多い部分のほうが、より湿疹ができやすい傾向があります。
眉毛や頭皮の生え際に、黄色い皮脂やふけのようなものがつくので見分けやすいでしょう。かゆみや痛み、膿などがないことも特徴の一つです。
悪化するとかさぶたのようになったり、細菌感染を起こして赤みを増したり、かゆみが生じたりすることもあります。
特に治療の必要はありませんが、早く治すためには、赤ちゃんの肌を毎日清潔にしておくことが大切です。
沐浴のときに、赤ちゃんの目の周りも忘れずに拭いてあげてください。赤ちゃんの目の周りは涙で汚れやすいので、泣いた後も目の周りを拭くようにしてあげましょう。
赤ちゃんの目の周りは、きつく絞った濡れガーゼで拭くといいですよ。
2. 乾燥で目の周りが赤い
乾燥も、赤ちゃんの目の周りを赤くする原因になります。肌の表面がひび割れたようにカサカサしているときは、肌が乾燥しているサインです。
赤ちゃんの肌は水分が失われやすいので、皮膚の薄い目の周りはすぐに乾燥して赤くなってしまいます。
赤ちゃんの肌をきれいにしようと、沐浴のたびに石鹸やガーゼでゴシゴシと洗ってしまうことが、乾燥肌の原因になります。清潔に保つのは大切ですが、やりすぎには注意しましょう。
赤ちゃんの目の周りは皮脂の分泌が多いわけではないので、目やにや涙は、その都度、濡らしたガーゼでそっとふき取る程度でかまいません。
赤ちゃんの目の周りや肌が赤く、カサカサがひどいようであれば、小児科でワセリンなどの保湿剤を処方してもらってこまめに塗ってあげましょう。
3. アレルギーで目の周りが赤い
赤ちゃんはミルクや離乳食、石鹸などに含まれる成分にアレルギー反応を起こして目の周りが赤くなる場合があります。
アレルギー反応であれば、原因に接したときに発症します。発症するタイミングが、見分けるポイントの一つです。
食後に決まって赤ちゃんの目の周りが赤くなるなど、いつ、どこに、どんな症状が現れるかをチェックしてください。
アレルギーが疑われたら、すぐに小児科を受診しましょう。
血液検査や経過からアレルギー反応の原因を推定し、それを避けることで症状は緩和します。乳児は卵・小麦・乳のアレルギーであることが多いので、注意が必要です。
赤ちゃんの頃にアレルギー反応があったとしても、成長につれて消失することが多いので、あまり心配しすぎず対処法を取り入れていきましょう。
4. アトピー性皮膚炎で目の周りが赤い
アトピー性皮膚炎は、原因は明確になってはいませんが、なんらかの理由で肌が慢性的に炎症を起こす病気です。
親から遺伝することもあれば、親にアトピーがなくても発症する場合もあります。
アトピー性皮膚炎の場合は、肌が乾燥してザラザラした状態になり、かゆみを伴います。乳児の場合は、耳の後ろや目の周り・首に湿疹ができて赤くなることがよくあります。
自己判断でアトピー性皮膚炎に対処してしまうと、症状を悪化させる恐れがあります。赤ちゃんが痒みから目の周りや肌をひっかくなど、アトピー性皮膚炎の症状が見られたら小児科を受診しましょう。
ただし、月齢が低いうちはアトピー性皮膚炎か他の原因の湿疹なのか特定は難しいため、医師と相談の上、様子を見ながら対処することになります。
5. サーモンパッチで目の周りが赤い
生まれつきや、生後間もない時期に、目の周り(まぶたの上など)、額、上唇と鼻の間などに、淡いピンク色のあざが現れることがあります。
これはサーモンパッチと呼ばれる症状で、皮膚表面の毛細血管が増殖したり、急に拡張したりして、血管の色が浮き出たときに見られます。
見分け方は簡単で、境目がはっきりしない平らなあざで、顔の中心線の近くに出るのが特徴です。
いきんで泣いたり、寒がったりしたときには濃い色に見えるため、「急に目の周りが赤くなった!」と思うこともあります。遅くても2歳を過ぎる頃には消えるとされています。
赤ちゃんの目の周りが赤いとき、病院へ行く目安は?
赤ちゃんの肌は敏感で、ちょっとした環境の変化でよく目の周りも赤くなります。
そのため大抵はそこまで気にする必要はありませんが、次のような症状が見られたら、小児科の受診を検討しましょう。
● 乾燥などで肌が切れて出血も見られる
● 直前の決まった動作で発疹や嘔吐などの症状がある
● かゆみがあり、夜間などに掻きむしってしまう
赤ちゃんの目の周りが赤いと、アトピー性皮膚炎について気にするママやパパも多いのではないでしょうか。
かゆみがあること、湿疹が頭から顔、体、手足と広がっていること、乳児であれば2ヶ月以上症状が継続しているときに、アトピー性皮膚炎と診断されることが多いようです(※1)。
家庭での診断は難しいので、心配しすぎず、まずは小児科医への相談から始めましょう。
赤ちゃんの目の周りが赤いとき、保湿剤や入浴剤は使っていい?
乾燥が原因で赤ちゃんの目の周りが赤いときに、保湿剤や入浴剤を使用するパパ・ママも多くいます。
保湿剤については、赤ちゃんの乾燥肌には有効ですが、成分が肌に合わないこともあります。赤ちゃんの目の周りの赤みがひどくなるようなら使用を控えるか、別の保湿剤を選択するようにしましょう。
入浴剤も、基本的に使用しても良いとされています。最近では刺激の少ない赤ちゃんや新生児用の入浴剤も販売されているので、利用してみるのも一つの方法です。
赤ちゃんの目の周りが赤いときは、全身をチェックしよう
赤ちゃんの目の周りの赤みがひどかったり、腫れや痒みを伴ったりする場合は、まずは小児科か皮膚科を受診しましょう。
乳児脂漏性湿疹であれば経過観察で済みますが、他の原因がある場合は、症状や経過に応じた対応が必要になってきます。
また、赤ちゃんの目の周りが赤いと思ったら、全身の肌の状態もチェックしてみましょう。目の周りだけではなく、他の部分も赤くなっている場合は、受診の際に伝えると原因を特定しやすくなります。
赤ちゃんの目の周りの赤みの原因はさまざまですが、早めの対処でよくなる場合がほとんどです。日頃から注意してあげてくださいね。