乳児湿疹や赤ちゃんの保湿にはワセリンを!効果や塗り方、注意点は?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

赤ちゃんによく見られる「乳児湿疹」のケアや、肌の保湿のために、ワセリンが使われることがあります。ワセリンは市販されているので手に入れやすく、使い勝手がいいことから人気なようです。しかし一方で、その効果や適切な塗り方、注意点を知らずにワセリンを使っている人もいます。そこで今回は、乳児湿疹のケアや赤ちゃんの肌の保湿に使われるワセリンについて、効果、塗り方、注意点などをご紹介します。

そもそも乳児湿疹とは?

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乳児湿疹とは、新生児期~乳児期にかけて赤ちゃんの顔や体に現れる湿疹の総称です。乳児湿疹はホルモンバランスにより過剰な皮脂分泌が起きたり、寒暖差により肌が乾燥して起きたりと、原因はさまざまです。

乳児湿疹は、肌を清潔に保てば、基本的には自然に治まっていきます。

しかし、赤ちゃんの湿疹のなかには、アトピー性皮膚炎によって起きているものもあります。肌を清潔にしていても症状が改善されない場合や、さらに悪化していく場合は、皮膚科か小児科を受診してください。

乳児湿疹にワセリンは効果がある?赤ちゃんの保湿にも使える?

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ワセリンとは、鉱物油を元に作られた保湿剤のことです。鉱物油と聞くと不安になるかもしれませんが、肌に塗ることを前提に作られているので安全性は問題ありません。頬や口元にも塗ることがあるため、赤ちゃんが舐めてしまってもいいように作られています。

ワセリンには肌の奥へ浸透する効果はなく、肌の表面を保護する作用があります。この作用のおかげで肌の水分が蒸発するのを防ぐと同時に、外的刺激から守ってくれます。

そのため、赤ちゃんの毎日の保湿ケア用品として使っている家庭も多いようです。

また、乾燥が原因で赤ちゃんに乳児湿疹が起きているのであれば、ワセリンを塗ることで肌の乾燥を防げるため、症状の改善が期待できます。

乳児湿疹への対処法としてワセリンを使用する場合は、黄色のワセリンではなく、精製度が高く、肌への刺激が少ない白色のワセリンを使うように心がけてください。

ただし、ワセリン自体には抗炎作用、つまり「湿疹を治癒する力」はありません。あくまでも肌の表面を保護し、水分蒸発を防ぐものです。

乳児湿疹や赤ちゃんの保湿目的でのワセリンの塗り方や注意点は?

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乳児湿疹のケアや赤ちゃんの保湿のためにワセリンを使うのであれば、肌が清潔で潤っているお風呂あがりに優しく塗ってあげましょう。

ワセリンの塗り方は、ママやパパがワセリンを手のひらに広げ、赤ちゃんの肌をなでるようにして塗り広げていきます。

ゴシゴシと擦り込むと刺激になることがあるため、肌に擦り込むような塗り方はなるべく避け、軽く叩いたりしながら優しく広げるような意識をしてください。

一度に塗る量の目安は、ママ・パパの人差し指の第1関節から指先までくらいか、1円玉くらいで、それをママ・パパの手のひら2枚分くらいに広げるといいとされています。

ワセリンを塗った後の肌にティッシュがくっついたり、テカっていたりしたら、ワセリンが十分に足りている証拠です。たっぷりと塗ってあげましょう。

なお、ワセリンは体のどの部分に塗っても問題ないとされています。まぶたや唇の乾燥を防ぐために使われることもあるようです。

また、ワセリンは直射日光にあたると酸化し、劣化してしまいます。そのため、ワセリンを塗った直後は直射日光をできるだけ避けてくださいね。

生後2~3ヶ月頃までは肌の皮脂が十分に分泌されているので、基本的にこの期間はワセリンなどの保湿剤を赤ちゃんにつける必要はないとされています。肌の乾燥による乳児湿疹は、生後2~3ヶ月以降に起こりやすくなるので、ワセリンを塗るのであればそれ以降にするといいでしょう。

アトピー性皮膚炎が湿疹を引き起こしている場合は、ワセリンを塗っていても悪化する可能性があります。自己判断でワセリンを使用するのは控え、医師に診断してもらってくださいね。

乳児湿疹や赤ちゃんの保湿でワセリン以外に使えるものは?

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乳児湿疹のケアや赤ちゃんの保湿には、ワセリン以外にもローションやオイル、クリームなどの保湿剤を使うことができます。

ただし、保湿剤の種類によって含まれている成分が異なります。赤ちゃんの肌は大人に比べてデリケートで刺激に弱いため、使用する前に必ずパッチテストを行うようにしましょう。

「赤ちゃん用」とうたっている保湿剤でも、塗ったところが赤くなったり、乳児湿疹を悪化させてしまうことがあるので注意してくださいね。

一度使ってみて、次の日に湿疹の状態が悪くなっているようなら、使用は控えましょう。また、使用する前に、一度小児科や皮膚科の医師に相談しておくと安心です。

乳児湿疹に馬油は効くの?

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乳児湿疹のケアや赤ちゃんの保湿のために、馬油がおすすめされることもあります。

馬油とは、馬の脂肪から作られた天然の保湿剤です。人間の皮脂に近い成分で構成されているため、赤ちゃんの肌に塗っても問題はありません。

馬油は角質層にしっかりと浸透するので保湿効果が高く、抗炎症作用や血行促進作用も期待できます。そのため、乳児湿疹だけでなく、おむつかぶれや、あせもの改善にも効果が期待できます。

口に入ってしまっても害はないので、顔に塗った馬油を赤ちゃんが舐めてしまっても大丈夫ですよ。

ただし、馬油が赤ちゃんの体質に合わない場合があり、塗ると皮膚が赤くなるなどの症状が見られる場合があります。肌に合わない馬油を乳児湿疹に塗り続けると、かえって湿疹を悪化させることがあるので注意してください。

乳児湿疹や赤ちゃんの保湿でワセリンを使うなら、精製度が高いものを

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乳児湿疹のケアや赤ちゃんの保湿のためにワセリンを使う際は、どの商品を使うかに十分に注意してください。

一般的に、ワセリンは低価格のものの方が不純物が含まれやすく、場合によっては、乳児湿疹の症状を悪化させてしまうこともあります。赤ちゃんの肌はとてもデリケートなので、できるだけ精製度が高いワセリンを選んであげたいですね。

また、乳児湿疹自体はいろいろな要因が重なって起こるものです。保湿をしていれば万事解決、というわけでもありません。ワセリンによる保湿は補助と考え、肌を清潔に保つなど他のスキンケアも心がけてくださいね。

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