出産後、ママが育児に少しずつ慣れ始める生後1ヶ月頃に、赤ちゃんやママの産後の様子を診るための1ヶ月健診があります。それ以降も定期的に赤ちゃんの成長やママの育児状況を把握するために「乳幼児健診」を受けますが、実際にはどんなことをするのでしょうか。今回は、赤ちゃんが受ける乳幼児健診について、目的や内容、費用や行う時期などをご紹介します。
赤ちゃんの乳幼児健診とは?

赤ちゃんは生まれたあと定期的に「乳幼児健康診査」という健診を受ける必要があります。一般的には「乳幼児健診」や「乳児健診」と呼ばれています。
生後間もない赤ちゃんの健康保持及び増進を図ることを目的とし、発育・栄養状態の確認、先天的な病気の有無・早期発見、予防接種の時期や種類の確認など、必要な項目を定期的にチェックします。
また乳幼児健診では、ママが普段気になっていることを小児科医や保健師に相談することもできます。近隣との関係が薄れ、育児をサポートしてくれる人が周りに少なくなっている現在、定期的な乳幼児健診は、ママの不安を緩和する、精神的な支えにもなる貴重な機会にもなっています。
赤ちゃんの健診(乳幼児健診)はいつ受けるの?

乳幼児健診は、住んでいる自治体によって回数が異なりますが、定期で必ず決まっている健診は4ヶ月、1歳6ヶ月、3歳の3回です。
またその他にも、自治体によって異なる任意の健診が2歳までに5回あり、主に1歳までの期間に集中しています。自治体にもよりますが、任意の健診は無料券が配布されることが多いです。
定期は主に母子保健法で定められた期間で、「満1歳6ヶ月を超え満2歳に達しない幼児」と、「満3歳を超え満4歳に達しない幼児」となっていますが、第十三条の推奨から3~4ヶ月を含む3回で行っている自治体がほとんどです(※1)。
定期の健診時期
● 3~4ヶ月健診
● 1歳半健診
● 3歳健診
任意の健診時期
● 1ヶ月健診
● 6~7ヶ月健診
● 9~10ヶ月健診
● 12ヶ月健診(1歳健診)
● 2歳健診
赤ちゃんの健診(乳幼児健診)はどんな内容?

乳幼児健診は、赤ちゃんの身長、体重、胸囲、頭囲を測定し、成長曲線と照らし合わせながら、成長度合いを確認します。身体的な健診に限らず、粗大運動・微細運動・精神面を含めた発達、疾患の有無に関しても確認します。
健診時期によって重視する内容が異なるので、以下の内容を参考にしてみてくださいね。
1ヶ月健診(任意)
母乳・ミルクのあげ方や量、検尿、へその乾き具合、黄疸が消えているか、先天性股関節脱臼があるかどうか、心臓の雑音がないか、モロー反射の様子などを診てもらいます。
母乳の場合、ビタミンK不足による赤ちゃんの頭蓋内出血予防のため、ビタミンKシロップを投与してもらうこともよくあります。育児についての不安があれば、気軽に相談してみましょう。
3~4ヶ月健診(定期)
首のすわり具合、音への反応、肌の状態、先天性の病気がないかなどのチェックをします。「あやすと笑うか」「音に反応するか」「目でものを追うか」などが、発達具合を測る指標になります。
乳児脂漏性湿疹などもでやすくなる時期なので、気になる人は相談してみましょう。時期や産科によっては、離乳食開始の説明があるかもしれません。
6~7ヶ月健診(任意)
寝返りやお座りができるか、離乳食の回数などの確認を行います。また、おもちゃへの関心、人見知りがあるかなど、精神的な発達も確認します。
生後6ヶ月頃になると、ママからもらった免疫が弱くなるので、感染症についての指導が行われることもあります。
9~10ヶ月健診(任意)
つかまり立ち、ハイハイなどの運動機能の発達具合、歯の生え具合、喃語(ダダ、ババなどの言葉)、離乳食の様子などを診てもらいます。また、体が倒れそうになった時に手を伸ばして体を支えようとする「パラシュート反射」の確認や、予防接種の進み具合なども確認されます。
この時期に、視覚や聴覚などの先天的な病気が見つかる可能性もあります。
12ヶ月健診(任意)
ひとり立ち、伝い歩きなど運動機能の発達と、簡単な「ママ、パパ」などの言葉が言えるか、おもちゃで遊ぶかなど周囲に対する関心を確認。大泉門の開き具合、陰嚢水腫がある子は消失しているかもチェックします。
育児でママの睡眠不足が続き、ストレスや不安が溜まりやすい時期なので、悩みごとがあれば相談しましょう。
1歳半健診(定期)・2歳健診(任意)
心音や腸の動き、皮膚の状態に異常がないか、視力・聴力などをチェックします。ひとり歩きができるか、小さいものを掴めるか、物の名前がわかるか、指さしができるか、名前を呼ばれると振り向くかなど、言葉や、音への反応を確認します。
また、歯の本数や生え方、虫歯がないかをチェックし、歯の磨き方の指導があるかもしれません。
3歳健診(定期)
視力や聴力のテスト、お医者さんによる問診、生活習慣の確認、言語・精神・運動発達の確認、社会性の発達確認、歯の検査や尿検査などが行われます。例えば、名前と年齢が言えるか、積み木が指定の数まで積めるか、小さい物を指先でつまめるかなどを確認します。
まだイヤイヤ期などが続いているなど、子育てに悩みがあれば相談してみましょう。
赤ちゃんの健診の費用は自費?

乳幼児健診は、有料(自費)と無料(助成)の場合があります。母子手帳と一緒にもらった「乳幼児健康診査受診票」を確認し、うまく利用しましょう。自治体によってもらえる枚数が異なります。基本的には、定期健診は無料で、任意健診は自治体によって一部、または全額有料というケースもあります。
任意健診の費用は行政や産院、健診内容によって異なりますが、助成をされる場合が多いです。自治体によって表記や費用が異なる場合があるので、詳しくは住んでいる自治体に確認しましょう。
赤ちゃんの健診はどこで受けるの?

乳幼児健診の受診先は、病院と市町村の保健センターの2つがあります。どちらで健診を受けるのかは、自治体や受ける年齢で異なります。
市町村の保健センターでは、「集団健診」といって、複数の赤ちゃんが同じ場所に集まり、一緒に健診を受けることもありますよ。
主に保健センターでする乳幼児健診
● 3~4ヶ月、1歳半、3歳児健診
国や自治体が負担する場合は、指定した日に市町村の保健センターで受けることが多いようです。受診票が配布された場合は、病院で受ける場合もあります。
主に病院でする乳幼児健診
● 1ヶ月健診
出産した病院でママの1ヶ月健診と合わせて受ける方が多いようです。
● 6~7ヶ月、9~10ヶ月、12ヶ月(1歳)、2歳児健診
自治体ではやっていない場合が多いので、基本的には産院や小児科で受けることが多いです。予約が必要な場合や、曜日の指定がある病院もあるので、行く前に確認をしましょう。
赤ちゃんの健診の前に気になることをチェックして

乳幼児健診は、専門家に相談できる貴重な機会です。事前に赤ちゃんの成長過程を把握し、気になっていることや、育児への不安やストレスなどがあれば、先に母子手帳に記録しておきましょう。
その場になると、相談したい内容を忘れてしまい、健診後に後悔することも少なくありません。まとめておけば、自分でも状況を把握できる上に、健診もスムーズに進み、赤ちゃんの負担も減るのでおすすめですよ。