妊婦はプール・海に入っても大丈夫?妊娠初期はOK?

監修専門家 看護師・助産師 岡 美雪
岡 美雪 看護師・助産師を免許を取得後、未熟児病棟、脳神経外科病棟、産科病棟で医療業務に従事。その後、医療現場での経験を活かして、青年海外協力隊の看護職としてアフリカに2年間駐在し、現地の医療技術向上に貢献。日... 監修記事一覧へ

「妊娠中でも夏のレジャーを楽しみたい」と思う妊婦さんはたくさんいますよね。また、2人目を妊娠している妊婦さんは、上の子を連れてプールや海に出かける機会もあるのではないでしょうか。今回は、妊娠中にプールや海に入ってもいいのか、入るときの注意点やポイントなどをご説明します。

妊娠中にプールや海に入ってもいいの?

妊婦 プール 日本人

基本的に、安定期(妊娠中期)に入っていて、医師の許可を得ているのであれば、プールに入っても問題ないとされています。

ただし、妊娠中は疲れやすく、急に体調を崩すこともありえます。マタニティスイミングのクラスを実施していて妊婦さんへの対応ができるスタッフが常駐しているなど、安全管理体制の整った施設で泳ぐことをおすすめします。

また、妊娠中に海に入るときも、プールと同じように、安定期以降に医師の承諾を取ってから入るようにしましょう。

妊婦がプールや海に入っていい時期はいつから?妊娠初期は?

妊婦 日本人

前述の通り、妊娠中にプールや海に入る場合は、安定期に入ってから医師の許可をとるようにしましょう。妊娠初期は、急な出血や腹痛が起こりやすい不安定な時期なので、プールも海も控えてください。

マタニティスイミングの教室では、一般的に下記の項目が参加するための条件となります。

マタニティスイミングを始めるための条件

・妊娠16週以降(安定期)で、妊娠経過が順調であること
・かかりつけの産婦人科医の許可を得ていること
・心疾患、糖尿病、妊娠高血圧症候群といった合併症がないこと
・過去に流産や早産を何度か経験していないこと

各スクールによって細かい条件が異なるので、事前に問い合わせてください。

妊婦がプールや海に入れるのはいつまで?妊娠後期は?

妊婦 海 日本人

妊娠中にいつまでプールや海に入れるかについては明確な決まりはありません。ただし、妊娠後期は前期破水が起こるリスクもあるので、水のなかに入るのは避けたほうが安心です。

家族で行くときも、パートナーなどに上の子を遊ばせておいてもらって、妊娠後期のママはプールサイドや日陰でゆっくりしていた方が安心です。

また、お腹が大きくなってくると足元が見えづらくなるので、水で濡れている床で足を滑らせないよう注意しましょう。

マタニティスイミングは、ママの体調や妊娠経過に問題がなければ出産直前まで続けられるクラスもありますが、無理をしないようにしてくださいね。

妊娠中にプールや海に入るときの注意点は?

チェックリスト 注意

妊婦さんがプールや海に入るときは、普段よりも気をつけなければいけないことがたくさんあります。

感染症に気をつける

妊娠中は抵抗力が落ちているため、水中にいる様々な菌やウイルスに感染する可能性はゼロではありません。風邪が治ったばかりの時期などは特に免疫力が低下しているので、なるべくプールや海に入らない方がいいでしょう。

また、破水が起きた場合、赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れて、腟から細菌感染が起こるリスクが高まります。そのため、臨月はプールや海に入ることをおすすめできません。

お腹を冷やさない

水の中に入って体が冷えると、全身の血行が悪くなり、お腹が張りやすくなることがあります。プールに入るときは温水プールを選ぶといいでしょう。

海の場合、外の温度が高くても水温は低いことがあるので、長い時間入りすぎないようにしてくださいね。

水からあがった後はすぐに体を拭き、衣服を着て体を温めましょう。

足がつったらすぐ休む

妊娠週数が進むにつれて、血行不良やミネラル不足、骨盤のゆがみなどが原因で足がつりやすくなります。

足がつってしまったときはすぐ休憩をとり、パートナーなどに協力してもらってふくらはぎの筋肉を伸ばしましょう。座った状態でタオルを足の裏にかけて足をピンと伸ばし、タオルを自分の体の方向に引っ張ると、少しずつ痛みがなくなりますよ。

紫外線対策を万全にする

屋外で紫外線を浴び続けると、体力を激しく消耗し、皮膚の炎症や体調の悪化を引き起こすことがあるので、しっかりと対策をしましょう。

また、日焼けも注意が必要です。妊娠中は、エスロトゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが増加し、メラニン色素を生成する「メラノサイト」という色素細胞を活性化させるので、妊娠前よりも色素沈着が起こりやすくなります(※2)。

紫外線を浴びると、さらにメラニン色素が作られてシミができやすくなるので、できるだけ日陰にいるようにして、長袖の上着を着るようにしてくださいね。

日焼け止めは、妊婦さんのデリケートな肌にも安心して使えるものを選び、1~2時間おきに塗り直しましょう。

妊婦が海やプールに入るときの水着は?

妊婦 水着 マタニティ水着

安定期以降はどんどんお腹が大きくなっていくため、妊娠中にプールや海に入るときは、マタニティ水着を着用しましょう。

「まだ、お腹が出ていないから今まで着ていた水着でもいいかな」と考えがちですが、通常の水着は締めつけがきついので、思っているよりお腹が苦しくなります。

マタニティ水着なら、お腹が大きくなっても快適に着ることができるので、妊娠中にプールや海を楽しみたいという人は準備しておくといいですね。

妊娠中のプールや海は安全に楽しもう

日本人 海 家族

プールや海で泳ぐと、気持ちがリフレッシュしますよね。特に、妊娠前からスイミングやマリンスポーツを楽しんでいた人は、妊娠中もプールや海で体を動かしたくなると思います。

プールや海に入るのであれば、安定期以降で体調の良い日を選び、お腹の張りを感じたらすぐに水からあがって休んでくださいね。上の子がいる場合は、常にパパや家族に近くにいてもらい、何かあったときはすぐに対応できる状況を作っておくと安心です。

安全な状況でスイミングや海水浴を楽しみながら、妊娠中の思い出ができるといいですね。

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