妊婦は温泉に入っても大丈夫?妊娠中の効果と注意点は?

記事監修 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 続きを読む

妊娠中、子育てで忙しくなる前に旦那さんと2人の時間を旅行で楽しみたい、という妊婦さんも多くいます。妊娠中は激しく動くのは避けたいですし、のんびり温泉旅行を考える人もいるのではないでしょうか。でも、「妊娠中に温泉に入っても大丈夫なの?」と気になる妊婦さんは少なくないようです。そこで今回は、妊婦さんが温泉に入ってもいいのか、また、入るときの注意点などをご説明します。

妊婦の温泉は大丈夫?禁忌なの?

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「妊娠中に温泉に入ってもいいの?」と気になる妊婦さんは多いようですが、基本的に温泉の成分が胎児に直接影響を与えることはありません。

ちなみに、1948年に公布された温泉法では、「妊娠中(特に初期と末期)」は禁忌症とされていて、妊婦さんの入浴は推奨されていませんでした。

しかし、最近になって医学的に根拠のない基準であることがわかり、2014年に環境省によって「妊娠中の入浴」が禁忌項目から削除されました(※1)。

ただし、温泉に入るときに妊婦さんが気をつけるべきポイントがあるので、温泉旅行に行くときには注意してくださいね。

妊婦の温泉で気をつけることは?

温泉 注意点

温泉に入っても良いとはいえ、妊婦さんには特に気をつけてほしいことがいくつかあります。次のリスクに十分注意したうえで、温泉を楽しんでくださいね。

滑らないように注意!

温泉は岩や床が滑りやすいので、手すりを利用したり、ゆっくり歩いたりすることを心がけましょう。お腹が大きくなってくると足元が見えにくく、バランスを崩しやすいので気をつけてくださいね。

のぼせないように注意!

温泉にゆっくり浸かりすぎて、のぼせてしまうと大変です。長時間の入浴は避け、10分程度で切り上げるようにしましょう。42℃以上の高温、または30℃以下の低温だと血圧が上昇しやすいので、熱すぎるお湯や水風呂は入らない方が安全です(※2)。

また、お風呂あがりの湯冷めにも気をつけてください。湯冷めすると風邪をひいてしまうかもしれないので、温かい格好でくつろぐようにしましょう。お風呂あがりの水分補給も忘れずに。

肌トラブルに注意!

妊娠中は、肌がいつもより敏感になる人も多いもの。もし、温泉に浸かって肌がかゆくなったりしたら、すぐに入浴を中止し、シャワーのお湯で体を流しましょう。

お風呂あがりに化粧水などで保湿をするのもいいですね。

できるだけ一人にならないように!

のぼせてしまったり、急に貧血になったり、意識を失ってしまうと非常に危険です。できるだけ付き添いを連れて入浴するか、人が入っている時間帯に温泉を利用するようにしましょう。

できれば家族風呂を利用して、家族と一緒に入浴すると安心です。

妊娠初期の温泉は大丈夫?妊娠中はいつまでOK?

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妊娠初期は流産のリスクが高いので、できるだけ刺激の少ない安定した生活を送りたいところ。

温泉に入ること自体は問題ないのですが、長距離の移動は妊婦さんの体の負担にもなります。遠方の温泉旅行は妊娠中期のいわゆる安定期(妊娠5ヶ月~)に入ってからがおすすめです。

また、妊娠後期はお腹が大きくなって体調が悪くなりやすいですし、臨月はふとした拍子で破水するリスクもあります。いざというときすぐに病院へ行けるように、妊娠後期や臨月も温泉旅行は避けた方がいいでしょう。

妊婦の温泉で注意すべき泉質は?

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妊婦さんが温泉旅行を計画するときには、泉質も気になりますよね。今のところ、特定の泉質が胎児に影響を与えるという根拠はありません。

たとえば、ラジウム温泉に入るときに放射線の被曝を心配する人もいるかもしれませんが、ラジウム温泉の放射線量はごく少ないものであり、少しの時間入浴するだけであれば、特に気にする必要はありません。

注意すべき点としては、アルカリ性が強く、ヌルヌルした粘性のある泉質では足を滑らせて転倒する恐れがあります。また、硫黄泉などで温泉の床が見えないところでは、段差につまずいたりしないよう気をつけて温泉を楽しんでくださいね。

妊婦は温泉卵を食べてもいい?

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温泉宿では食べ物も楽しみの一つですよね。妊娠してから生ものに注意している妊婦さんは多いですが、「温泉宿で、どうしても温泉卵を食べたい!」という人もいるかもしれません。

卵で気をつけたいのは「サルモネラ菌」による食中毒です。サルモネラ菌は加熱が十分に行われていないと感染しやすく、高熱、下痢、腹痛、嘔吐などを引き起こします。妊娠中は免疫力が低下しており、食中毒になりやすいので注意が必要です。

サルモネラ菌は75℃以上で1分以上、もしくは65℃以上で5分程度の加熱で死滅します。温泉卵は一般的に約70度のお湯に30分程度つけて作るので、基本的には食べても問題ないといえるでしょう。

ただし、温泉卵のように半熟調理された卵は、2時間以内に食べることが望ましいとされています。食中毒を避けるために、調理から時間の経ったものは食べない方が安心です(※3)。

妊婦の温泉にはどんな効果がある?

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妊婦の温泉旅行では気をつけたい点がいくつかある一方で、うれしい効果も期待できますよ。

ストレスの解消

妊娠中はわけもなく悲しい気分や不安になったり、眠れなくなったりと、気持ちが不安定になることも多くあります。リラックス効果を期待して、温泉旅行を選ぶ人も多いのではないでしょうか。

温泉に入ってのんびりすることで、普段溜まりがちなストレスを発散し、ニコニコと楽しい妊娠生活を送れるといいですね。

冷え性の解消

妊娠中は冷え性になりやすく、肩こりや腰痛、難産の原因にもなります(※2)。

温泉で全身温まることで血行をよくして、安産へのきっかけがつくれるといいですね。足湯でも十分な効果を期待できますよ。

温泉のある旅館に泊まると、部屋で着る浴衣が用意されていることが多いですが、はだけて体が冷えてしまうのが心配な人は、お気に入りのマタニティルームウェアを持っていくのもおすすめです。

妊婦の温泉旅行にはマタニティプランを活用しよう

温泉 プラン

最近では、温泉でもマタニティプランを用意しているところが増えています。妊娠中の思い出作りにマタニティフォトが撮影できるところや、寝つきが悪い妊婦さんのために快眠グッズを準備してくれるところも。旅行サイトで「マタニティ」といれて検索して、自分の希望に沿った好きなプランを探してみましょう。

また、宿泊先の貸し切りのお風呂の使いやすさや、スタッフの対応、地元の産婦人科との連携などをあらかじめ確認しておくと、旅がより安心なものとなるでしょう。旦那さんや家族にも協力してもらいながら、楽しい温泉旅行になるといいですね。

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