産後に腰痛がつらい…改善方法は?歩けないほど腰が痛い原因は?

監修専門家 マタニティ、婦人科系専門の施術家 湯川 優
湯川 優 累計6万件施術。妊産婦さんは年間3500件施術。柔道整復師(国家資格)取得後、大学院にて研究を行い、整形外科勤務を経て整体院開院。施術したアスリートが世界一や日本一に輝き、現在はマタニティを専門としな... 監修記事一覧へ

産後のママによく現れるトラブルのひとつに「腰痛」があります。産後すぐは体力も回復しておらず、赤ちゃんを抱っこする機会も多いので、腰が痛いと本当につらいものです。今回は、産後の腰痛の原因や対処法についてご紹介します。

産後に腰痛が起きる原因は?歩けないほど痛いときは?

本

産後の腰痛は、さまざまな原因が絡み合って引き起こされます。正しく対処するために、その原因を知っておきましょう。

骨盤の歪み

出産時は最大限に骨盤を緩めて、赤ちゃんを子宮から体外へと出すので、産後すぐは骨盤が緩く、開いた状態になっています。骨盤が歪んだ状態のままで、多くの人は骨盤まわりのどこかに痛みを感じます。産後に歩けないほどの腰痛が起きる場合は、骨盤の歪みや炎症が関わっていることがほとんど。

もともと運動をしていた人であれば、筋肉が鍛えられているのですが、普段からあまり運動をしていなかった人は戻りが遅くなり、腰痛が長引きがちです。

産後1~2週間は思うように体を動かすことができませんが、落ち着いてきたら関連記事を参考に、骨盤の歪みチェックを行ってみてください。

育児

赤ちゃんを抱っこしたり、赤ちゃんの体重を支えながら授乳をしたりと、今までの生活ではあまり使わない筋肉を使うことになります。

特に長い時間抱っこをすることで腰への負担が増して腰痛につながることも。抱っこのしすぎで腱鞘炎を起こして、ダブルパンチで家事もままならないほどの人もいます。

ストレス

ストレスが溜まると自律神経のバランスが崩れ、血行が悪くなります。産後は運動不足になりがちで、ただでさえ血行が悪い状態ですが、精神的な負担が加わることで腰痛を引き起こす場合もあります。

一人目の出産でも二人目の出産でも、産後は生活ががらっと変わるので、家事と育児の両立でストレスを感じやすい時期です。さらにパートナーが家事や育児をしてくれないときは、ママへの肉体的・精神的なストレスが増してしまうことも。

そういったストレスが原因で、腰痛を引き起こしているのかもしれません。

睡眠不足

夜中に授乳したり、オムツを替えたり、産後はまとめて睡眠を取ることができません。睡眠がしっかりとれないと、体に疲労が溜まって血行が悪くなり、結果的に腰痛を引き起こしてしまうことがあります。

産後の腰痛を改善するには?

リラックス 女性

産後の腰痛の対処法は、「これさえすれば大丈夫!」というようなものはなく、食事内容を見直したり、体操をうまく取り入れたり、日々の生活習慣から見直す必要があります。

以下の方法を試してみて、自分に合った腰痛の対処法を見つけてみてくださいね。

産褥ベルトやウエストニッパーを使う

産褥ベルトやウエストニッパーで骨盤を固定すると、骨盤が元の位置に戻りやすくなり、腰痛の改善が期待できます。

商品によって異なりますが、一般的に産褥ニッパーは産後すぐから使え、ウエストニッパーは産後1~2週間以降から使い始められます。

産褥体操をする

腰痛を改善するには、骨盤の歪みを解消するだけでなく、血行を良くすることも大切です。

産後の体の回復を促進する産褥体操は、産後1日目からできておすすめです。腰痛改善だけではなく、子宮収縮の促進や血栓症の予防などの効果もあります。

産褥体操は、運動が苦手な人でも簡単にできる体操なので、関連記事を参考にして、ぜひ取り入れてください。産後しばらく経ってから行っても遅くありませんよ。

ストレッチをする

ゆっくりストレッチをすることで、体に負担をかけることなく、腰まわりの筋肉を鍛えることができます。筋肉をつけることで、腰痛の改善が期待できます。

たとえば四つん這いになり、頭を下げ腰を上げる、猫の背伸びのようなストレッチは、腰痛に効果的です。また、仰向けになって、膝だけを曲げ、左右にねじるストレッチも腰痛に悩んでいるママにおすすめです。

ただし、産後すぐに運動は禁物なので、無理はしないでくださいね。

産後の腰痛がひどいときに試したい、生活の工夫とは?

寝る 睡眠

授乳クッションを使う

腰痛になると、赤ちゃんへの授乳もひと苦労ですよね。母乳育児のママには、授乳クッションがおすすめです。

赤ちゃんの下に授乳クッションを敷けば、高さを調節できるため授乳もしやすくなり、腰への負担を減らすことができます。また、椅子や床に座るときの腰当てクッションとして使うのも効果的です。

寝方を工夫する

お風呂に入って血行を良くしたあとに眠りにつくことで、腰痛を緩和できます。また、寝るときは腰の下に小さな枕やタオルを敷き、横向きに寝ると痛みが和らぎますよ。

睡眠の質を上げるためにも、寝る1時間前からブルーライトを発するスマートフォンやパソコンは見ないようにし、部屋を暗めにしておきましょう。

産後はまとめて寝ることが難しいので、短い時間でもできるだけ睡眠の質を高めることが大切です。腰痛を改善するだけでなく、育児中にイライラしないためにも、家事は手を抜きつつ、体の疲労回復を優先してくださいね。

食事を工夫する

即効性は期待できませんが、腰痛にはカルシウム、マグネシウム、たんぱく質、ビタミンDの栄養素がいいとされており、食事を通して摂取することができます。

カルシウムは牛乳や干しエビ、マグネシウムは納豆やわかめ、たんぱく質は肉や卵、ビタミンDは干しシイタケやマグロを食べることによって、効率よく摂取できますよ。

産後の腰痛は整体でも解消できる?

整体

産後の腰痛は、整体でも改善することはできます。産後すぐにでも施術してくれる整骨院や整体もありますよ。

ただし、産後1ヶ月頃までは、体が完全に回復しきってないため、強いマッサージやポキポキ矯正するところは避けましょう。

産後の整体を専門に行っていて、妊産婦さんの知識がある整体師さんや診療所に施術してもらうことをおすすめします。

産後の腰痛は早め早めの対処を

赤ちゃん ママ 抱っこ

腰痛がそれほどひどくないと、日々の忙しさに我慢して、対処せずにそのまま放置してしまうことがあります。

しかし、腰痛によって慢性的にストレスを感じていると、母乳の出が悪くなったり、体調不良になったりします。そのストレスがさらに腰痛を悪化させるという悪循環も。

自分のためにも、そして赤ちゃんのためにも、産後に腰痛を感じたら、できるだけ早めの対処を心がけましょう。骨盤矯正の方法は様々あるので、自分に合った方法を見つけられるといいですね。

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