産褥体操とは?目的や効果、方法は?産後いつから始めていいの?

記事監修 マタニティ、婦人科系専門の施術家 湯川 優
湯川 優 累計4万件施術。妊産婦さんは去年1000件施術。柔道整復師(国家資格)取得後、大学院にて研究を行い、整形外科勤務を経て整体院開院。施術したアスリートが世界一や日本一に輝き、現在はマタニティを専門としな... 続きを読む

「産褥体操」をご存知ですか?出産してから産後6〜8週目頃までの、体が妊娠前の状態に戻る時期を「産褥期」といい、その時期に行う運動のことです。産褥体操については耳にしたことがある人でも、実際にどんなことをやるのか、どんな効果があるのか、いつから始めるのかなど知らないことも多いと思います。そこで今回は産褥体操の方法や効果、時期についてまとめました。

産褥体操とは?

女性 パジャマ

産褥体操とは、安静にしていなければならない産褥期でも始められる体操のことを指します。「体操」と聞くと激しく体を動かす運動を考えがちですが、横になった状態でもできるとても簡単な運動です。負荷の小さい運動から始めて、徐々に負荷を大きくして体を慣らすので、妊娠中に運動不足になってしまったママでも気軽に始められます。

産褥体操の目的は?どんな効果があるの?

疑問 クエスチョン

産褥体操は、産後の体の回復を早めるのが目的です。妊娠・出産でママの体は大きく変化していて、疲労も蓄積しています。産後6〜8週目くらいまでの産褥期に少しずつ回復していきますが、そこで産褥体操をすることで回復が早まる効果が期待できるのです。

たとえば産後は、普段はつながっている左右の腹筋が伸びて開き、尿道や膣を引き締める骨盤底筋がゆるんでいます。こうした筋肉の変化は何をしなくても自然に回復しますが、産褥体操をすると筋肉が引き締まり、血行も良くなります。

産褥体操で血行が良くなると、母乳の分泌にもよい影響を与えます。そのほか、静脈瘤の改善や血栓症の予防、悪露の排泄を促して子宮の収縮を早めるなどの効果も期待できます。

産褥体操は体調の改善を目的としているので、劇的な効果は期待できません。ただ、その後の骨盤矯正や産後ダイエットにもつながる土台作りのようなものなので、焦らずにじっくり取り組んでくださいね。

産褥体操を始めていいのは、産後いつから?

スケジュール いつから カレンダー

産褥体操は体への負担が小さいので、出産当日から始められます。分娩後から体の回復は始まるので、むしろ早く始めるのがおすすめです。産褥期は早い人では産後6週目まで、遅い人でも産後8週目までといわれるため、できるだけ早く始めて、産後6〜8週目までは継続することをおすすめします。

産後すぐに始められるとはいっても、体調が優れないときは無理をしないこと。そんなときはゆっくり体を休めて、翌日からまた始めてくださいね。

産褥体操のやり方は?時期によって方法が違う?

体操

産褥体操のやり方は様々ですが、今回は産後1~5日頃におすすめの体操をまとめました。体に掛かる負担はどれも小さいので、できるものからチャレンジしてみてください。無理はせず、様子を見ながら徐々に回数を増やしていきましょう。

産後1日目の産褥体操

産後1日目は体を動かさず、寝ながら、または座りながらできる体操から始めましょう。

1. 胸式呼吸

仰向けに寝て、膝を立てる。両手は胸の下に置き、手が持ち上がるくらい大きく鼻から息を吸い込む。少し息を止めてからフーッと吐き出して1セット。これを2~3回程度から始めて、慣れたら5~6回行う。

2. 腹式呼吸

胸式呼吸と同じように仰向けに寝て、膝を立てる。両手をお腹の上に置き、お腹を空気でふくらませるように、できるだけ大きく息を吸い込む。少し息を止めてからフーッと吐くのを1セットにして2~3回繰り返す。慣れたら5~6回と回数を増やしていく。

3. 足の運動

仰向けで寝るか座った体勢で、膝を真っ直ぐ伸ばし、足首だけを前後にパタパタと動かす。同じ体勢で、今度は足首を左右に開く。それぞれ5回程度繰り返す。膝を曲げないのがポイントで、ふくらはぎを意識すると膝が曲がらずに力を入れやすい。

4. 下半身の引き締め運動

仰向けに寝るか座った体勢で膝を立て、膝同士をくっつける。お尻の筋肉、肛門、腟、尿道口の順にグッと力を入れて引き締め、全体に力を入れたまま1~2秒維持した後に力を抜く。1日に10回程度取り組む。

5. 首の運動

座ったままか立った状態で、首を前後・左右に倒し、右を向く・左を向く。これを1セットとして、朝昼夕に2~3セットずつ繰り返す。立ちながらやるときは倒れる可能性があるので、壁や机など手を添える。フラフラしたときは無理せずに中止する。

産後2日目の産褥体操

産後1日目の産褥体操ができたら、少し動きのある体操を加えてみましょう。

6. 腹筋の運動

両足を伸ばして仰向けに寝る。両手をお腹の上に置き、その手を見るように頭だけを起こす。1~2秒ほど頭を起こした状態でキープし、その後ゆっくり下ろす。息を止めないように注意しながら5〜10回繰り返す。

7. 肩の運動

座るか立つかした状態で脇を締め、肩を回す。内回し・外回しをゆっくり、それぞれ朝昼夕に10回ずつ繰り返す。

産後3日目

体を動かすことに慣れてきたら、さらに新しい動きを取り入れてみましょう。

8. 手首の運動

手首の力を抜いた状態で、10回程度ブラブラと振る。指先をグー・パーと開いたり閉じたりを10回ずつ繰り返す。これを1日に数回取り組む。

9. ウエストの運動

背筋を伸ばし、足を伸ばした状態で、L字型に座る。右足の膝を立てて、左足の外側に置く。ウエストを捻るように体は右側にひねる。ひねった状態のままで2〜3秒キープする。反対も同じようにして、それぞれ3〜5回ほど繰り返す。

10. 腹筋の運動

仰向けに寝て、膝を立てる。手の甲を上に向けた状態で、両手を背中の下に入れる。手の甲で背中を押し上げるようにして、お腹にゆっくり力を入れ、1〜2秒ほどキープしてからゆっくり戻す。朝夕5回ずつ繰り返す。

産後4日目の産褥体操

産後4日目にはさらに動きのある体操が加わります。これまでの体操で様子を見ながら、無理のない範囲でトライしてみてください。

11. 腹筋の運動

仰向けに寝て、両手を前に出して頭を起こす。手を出したままゆっくり頭を下げるのを朝夕5回ずつ繰り返す。

12. 骨盤の運動

仰向けに寝て、膝を立てて合わせる。足の裏はぴったり床につける。手の甲を上にして、両手は両脇に置いておく。深呼吸しながら膝だけをゆっくり左右に交互に倒す。朝夕5回ずつ。

13. 足の運動

仰向けに寝て、膝を立てて合わせる。足の裏をぴったり床につける。片足を上げて、太ももが床と直角になった状態でキープし、深呼吸を1回。次に、上げている足をまっすぐ上に伸ばし、足全体が床と垂直になるように。深呼吸した後にゆっくり下ろす。反対の足も同じようにして、それぞれ朝夕5回ずつ取り組む。

産後5日目の産褥体操

産後5日目には次のような動きにも挑戦してみましょう。

14. 腹筋の運動

仰向けに寝て、足を腰幅に開いて両膝を立てる。腕は手の甲を上にして体の横に。息を吐きながらお尻、腰、背中の順番で離れるように腰を上げていく。膝から背中にかけてまっすぐ斜めになった状態で息を吸い1〜2秒止める。その後息を吐きながらゆっくり腰を下ろす。5〜10回ほど同じ動きを繰り返す。

産褥体操でも体調に注意しながら取り組もう

女性 光 希望

産褥体操は負荷が小さいといっても、体調がすぐれないときには無理をしないでください。始めるときにはまず医師や看護師に相談しましょう。帝王切開で出産した人は産褥体操でも傷口に負担がかかってしまうので特に注意が必要です。くれぐれも無理のない程度にして、自分の体調に合わせながら回数や強さを少しずつ変えていきましょう。

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