産後、体重や体型をケアするために「骨盤矯正をするといい」という話を聞いたことがあるママは多いと思います。しかし、その理由や、具体的な方法を知っている人は少ないのではないでしょうか。そこで今回は、自宅でできる骨盤矯正に役立つ運動や姿勢をご紹介します。あわせて骨盤矯正が産後のダイエットに良い理由や、運動を行ううえでの注意点などもご説明します。
骨盤矯正が産後のダイエットに良い理由は?
妊娠中は、赤ちゃん(または子宮)を支えるため骨盤に負荷がかかります。また、分娩時は赤ちゃんの通り道として、恥骨や仙骨といった骨盤の一部が広がります。そのため、出産後の女性の骨盤は大きく開いた状態です。さらに、骨盤の底から内臓を支えている骨盤底筋もゆるんでいます。
骨盤矯正は、大きく開いてしまった骨盤を元の状態に戻すと同時に、骨盤内に落ちた内臓を元の位置に整え、筋肉を使いやすくし、低下していた代謝を上げることを目的に行います。これにより、たるんでしまったお腹まわりを引き締める効果が期待できるのです。
産後3ヶ月頃までは特に体が自然と妊娠前の状態に戻ろうとする時期だといわれています。産後6ヶ月頃を過ぎると除々に体重や体型が変化しにくくなるので、この時期に骨盤を整えて産後のボディケアをサポートしましょう。
産後におすすめの骨盤体操とは?
骨盤矯正に効果的な運動は色々ありますが、本格的な運動だけでなく、日常のちょっとした時間を使って簡単にできる体操もあります。
骨盤矯正教室に通うのもおすすめですが、産後は赤ちゃんのお世話や自分の体の回復に精一杯で、頻繁に外出することも難しいですよね。
ここでは、自宅で気軽にできる骨盤体操をご紹介します。骨盤周りの筋肉のバランスを整え、体に負担がかかりにくくなりますよ。
腰を回す
骨盤のゆがみをチェックできる体操です。回すときに違和感があったり、左右の回しやすさが違ったりすると、バランスが崩れていることが多いとされます。急に勢いよく回すのではなく、ゆっくり腰を回すのがポイントです。

1. 足を肩幅の広さまで開き、顔や体をまっすぐ正面に向ける
2. 手は腰に当てて左方向に2~3回大きく回す
3. 同様に右方向に2~3回大きく回す
座って体をひねる
こちらも、骨盤のゆがみをチェックする体操です。「腰を回す」運動とセットで行い、ゆがみを確認してみましょう。
座るときは床にお尻の骨をつけて骨盤を立たせ、両足をひらいて体を左右にひねります。ひねったときに違和感があると、骨盤がゆがんでいる状態です。

1. 両足を開き気味に伸ばして座る
2. 左手をお尻の後ろに置き、右手は股の間に置く

3. 体を左側にひねる
4. ひねった状態で右手を左手の上に置く(両手がお尻の後ろで重なった状態)
5. 息を吸いながら元の位置に体を戻す
6. 3~5の動作を逆方向に行う
骨盤の下を押し込む
骨盤ベルトで引き締めるような、恥骨にかかる横のラインを内側に押し込む運動です。左右それぞれ行います。

1. 骨盤ベルトを巻くときに通る、両サイドの骨盤のでっぱりに手を置く
2. まっすぐ立ち、左手で骨盤を右方向に押し込む
3. 同様に、右手で骨盤を左方向に押し込む
立った姿勢から上体をひねる
腰回りが重いと感じたら、それは骨盤のゆがみからくるものかもしれません。立った状態で軽く腰をひねり、骨盤周りを柔軟にしてみましょう。日常生活でも自然と行っている動作なので、手軽にできておすすめです。

1.背中をまっすぐ伸ばして、足を肩幅に開く
2.腰(腸骨の先端あたり)に手を当てる
3.骨盤が正面を向くように意識しながら、上半身を左右にひねる
産後に骨盤体操をするときの注意点は?

産後は赤ちゃんのお世話や体の回復を一番に考えることが大切です。過度な食事制限をするようなダイエットはせず、軽めの運動に加え、健康的な食生活を心がけてください。
特に、出産直後であれば、ダイエットを目的にすることよりも、落ちてしまった筋力を通常の状態に戻すつもりで取り組みましょう。激しい運動は体調不良にもつながるので、少しずつ体を動かすようにしてくださいね。
もう少し本格的な体操をしたい場合は、産後の1ヶ月検診で医師に回復状況を診てもらい、許可が出てからにしましょう。
また、軽い運動とはいえ、骨盤体操をしているときに痛みや違和感を感じたら、すぐに中断して体を休めてください。不調が続くときは、かかりつけの婦人科や病院に相談しましょう。
産後の骨盤体操は継続することが大切
妊娠すると、約10ヶ月かけて体に変化が起きるため、出産しても、それが一朝一夕で元に戻るわけではありません。ご紹介した骨盤体操は、劇的な効果があるわけではありませんが、無理のない範囲で継続すると、体が妊娠前の状態に戻る手助けをしてくれます。
産後6ヶ月頃までは体重が落ちやすい時期ですが、何もしないと脂肪が残ってしまう人もいます。骨盤体操をするだけでなく、骨盤ベルトや産後ガードルといった補正下着も活用しながら、取り組みましょう。