産後にも続く出血に驚いたり心配になったりするママもいるかもしれませんが、これは「悪露」と呼ばれるもの。では、悪露とはどういうもので、産後いつまで続くのでしょうか。また、臭いや色、量はどのように変化するのかについて詳しくご説明します。
悪露(おろ)とは?なぜ産後に起きるの?
悪露とは、子宮が妊娠前の状態に戻るときに排出される分泌物のことです。
胎盤には子宮からたくさんの血管が通い、血液を送っていたため、胎盤が剥がれたあと、そこに通っていた血管が出血をして悪露として排出されます。また悪露には、リンパ液、粘液、子宮内に残った卵膜の一部などが含まれています。
悪露は血が混じっていて赤っぽく血生臭いので、生理の出血によく似ていることが特徴です。
悪露は産後いつまで続くの?
個人差はありますが、悪露は産後1ヶ月ほどで出なくなるのが一般的です。
子宮が回復していくにつれて、悪露の量は徐々に減っていきます。また次第に血液が混じらなくなっていき、最初は鮮血のようだった色も少しずつ薄くなりますよ。
帝王切開の場合、経腟分娩に比べて子宮の戻りがゆっくりなため、悪露が長引いて2ヶ月近く続くことがあります。
産後の悪露の臭いや色、量はどう変化するの?
産後の悪露は、約4週間かけて以下のように変化します。
悪露は個人差があるものなので、少し違いがある程度であれば気にする必要はありません。
産後直後〜2・3日の悪露
- 量:多い
- 色:赤色
- 臭い:生臭いにおい
産後数日は子宮内の出血量も多く、子宮口も開いているので、悪露の量も多くなる時期です。血液が多く含まれるので赤色をしていて、生臭いにおいがします。
産後1週目の悪露
- 量:少ない
- 色:淡赤色〜茶褐色
- 臭い:血生臭いにおい
産後1週間が過ぎると、出血量も少なくなり、悪露はだいぶおさまります。色は鮮血のような赤色から、血が酸化したような茶褐色へ変化しますが、この段階ではまだ血液特有の血生臭いにおいがします。
産後2〜3週目の悪露
- 量:かなり少ない
- 色:茶褐色〜淡黄色
- 臭い:ほとんどしない
産後2~3週目には、胎盤が付いていたところ以外の子宮内膜が段々と再生し、出血がほとんど止まります。出血量が少ないので臭いも弱まり、悪露の色も、茶褐色から淡黄色へと少しずつ変化する時期です。量も徐々に少なくなって、ほとんど出ていないくらいに感じるかもしれません。
産後4週目以降の悪露
- 量:ほとんど出ない
- 色:白っぽい
- 臭い:無臭
子宮口が閉じて、悪露はほとんどでなくなります。悪露は白っぽいおりもののようになって終わることもあれば、ぴたりと出なくなって終わる場合もあります。
もし産後5週目以降に入っても悪露の量が多い、臭いが強い、生理初日のように赤色をしているときは、医師に相談しましょう。
また、徐々に減っていた悪露が再び増えて止まらなくなった場合も、早めに産院に連絡しましょう。
産後の悪露にはどう対処すればいいの?
産後の悪露対策として「産褥パッド」や「産褥ショーツ」などを使いましょう。分娩が終わったらすぐに悪露は出てくるので、入院の時点で多めに用意しておくと安心です。
産褥パッドは生理用ナプキンによく似ていますが、より分厚く、おむつに近い大きさなので、吸収力が違います。専用の産褥ショーツとセットで使うと、悪露をしっかりと防げますよ。
産褥ショーツは股の部分が面ファスナーなどで開くようにできていて、入院中に看護師さんに手当てしてもらうときにとても便利です。産褥ショーツは産院で準備されることもありますが、できれば1〜2枚用意しておくとよいでしょう。
悪露の量や色、臭いで、産後の回復状態がわかる
産後の体がきちんと回復しているかどうかは、悪露の状態を見るとわかります。悪露の量が減っていて、色が薄く、臭いが弱くなっていれば子宮が回復している証拠です。
悪露の状態は毎日のトイレのときに確認してみましょう。量や色、臭いを毎日チェックしていると、その変化にも気づきやすくなります。
もしも徐々に減ってきた悪露が再び増えて止まらなくなった場合は、早めに産院へ連絡をしましょう。そのほかに悪露の状態で気になることがあれば、1ヶ月健診のときに相談してくださいね。