赤ちゃんが誕生し、ようやく育児にも慣れてきてほっとしたものの、出産時に開いた骨盤が原因で、なかなか体重が戻らない、腰痛や肩こりがひどくなった、といった悩みを持つママは多いようです。そこで今回は、産後の体型を戻すために、骨盤矯正はいつからいつまで行えばいいのか、産後の骨盤ケアにはどんな方法があるのかをご紹介します。
産後に骨盤が歪む原因は?

そもそも産後に骨盤が歪むのは、出産によって骨盤が大きく開くことが原因です。歪んだ骨盤は、産後数ヶ月かけてゆっくりと元の状態に戻ろうとしますが、妊娠や出産を通して骨盤のバランスが崩れていると、正常な位置に戻りづらくなるといわれています。
また、横座りや椅子での足組み、猫背、あぐらは体を歪める姿勢なので、産後2〜3ヶ月頃までにこういった姿勢をとっていると、さらに骨盤が歪んでしまいます。
産後に骨盤が元に戻らないとどうなるの?

産後、骨盤が妊娠前の位置に戻らない状態が続くと、体のラインが崩れて、筋肉の動きが妊娠前と変わってしまうことがあります。
また、産後は筋力が低下していて脂肪の燃焼がうまくいかないこともあるため、カロリーを多く摂取しすぎるとエネルギーが消費されずに体重が増えてしまうこともあります。
出産後に妊娠前の服が入らなくなってしまったという声がよく聞かれるのは、このためです。
産後の骨盤の歪みは、肩こり、腰痛、むくみ、冷え性や不妊などの婦人科系トラブルにつながることもあります。
産後の骨盤矯正とは?効果は?

そこでポイントとなるのが、産後の骨盤ケアです。歪んだ骨盤を正しい位置に矯正することを「骨盤矯正」と呼びますが、産後の骨盤矯正には、体型の改善やダイエットを目指す意味も含まれています。
産後の骨盤矯正の方法としては、後述の骨盤ベルトやリフォームインナーの着用、体操、運動、整体など様々です。
産後の骨盤ケアによって骨盤が正しい位置に戻ると、体の筋肉をきちんと使えるようになり歩きやすくなります。その結果、体全体の血行がよくなり、筋肉もついてくることで、代謝が上がって消費カロリーが増えやすくなります。
消費カロリーが上がるということは、痩せやすい体になるということ。産後、体重がなかなか戻らずにいたのに、骨盤矯正をはじめたら1週間で1〜2kgくらい体重が減ったというような事例もありますよ。
産後の体重増加を解消するなら、産後約6ヶ月間に骨盤ケアをすることが重要といわれています。骨盤矯正、産後ダイエット、リフォーム下着の着用を上手に組み合わせれば、効率よく痩せるだけでなく、スタイルが良くなる効果も期待できますよ。
産後の骨盤矯正はいつからいつまで?

産後、じん帯はとても柔らかくしなやかな状態なので、骨盤矯正やリフォームには絶好の機会です。基本的には、産後6ヶ月頃までに骨盤矯正を行うのがおすすめです。
産後3ヶ月を過ぎると、骨盤のグラグラが少ない状態になるため、歪みが強い場合は骨盤矯正をするのが大変になることもあります。そうなる前に、早めに骨盤矯正を開始しておきたいですね。
ただし、産後1ヶ月は悪露が出たり体力が回復しなかったりして、出産の影響が残っている時期です。無理をすると体調を悪化させる可能性もあるので、産後1ヶ月ほどは焦らず、体と相談しながら産後の骨盤矯正をスタートしてください。
あまりに腰痛や恥骨痛がひどい場合は、産後すぐからでも骨盤矯正をしてもらえることもあるので、専門家に相談するのも1つの方法ですよ。
産後の骨盤矯正の方法は?

産後の骨盤矯正には様々な方法があります。産後1ヶ月はまだまだ体の回復期なので、まずは軽めの骨盤矯正から始めるのがおすすめです。
骨盤ベルトや産後ガードルをつける
骨盤ベルトや産後ガードルは、産後の理想的なボディラインづくりをサポートしてくれます。育児をしながら運動をするのが難しい場合にも、続けやすいと人気です。
ただし、産後のあまり早い段階からキツくしめすぎると、骨盤に悪影響を及ぼす可能性があるので、産後の時期ごとに適切なものを選ぶようにしましょう。
骨盤体操や骨盤スクワットを実践する
産後の骨盤を元の位置に戻すための体操やスクワットは、自宅で行うことができます。産後の体調や週数に合わせて内容を確認しながら、体に負担のないようにじっくり進めてくださいね。
整体やマッサージの施術を受ける
プロの手を借りて、産後の骨盤ケアをするのもおすすめです。
体調に問題がなければ産後すぐから施術可能な場合もありますが、産後1ヶ月健診で医師に確認してから始めた方が安心です。
骨盤を元の位置に戻す骨盤ケアを進めていくためには、定期的に何度か通う必要がありますが、託児所がついている所や、パパも同伴で施術を受けられるところもあるので、予約の際に相談してみましょう。
ヨガやピラティス
ヨガやピラティスは骨盤の歪みを改善できるほか、カロリーを消費することもできるので、産前産後に人気のエクササイズです。
産後は育児で忙しく、なかなか時間を取れないかもしれませんが、気分もリフレッシュできるので、パパや家族にお世話をお願いして行ってみるのもおすすめです。
骨盤矯正を行うときの注意点は?

骨盤矯正は健康のためにも大切ですが、出産後のママの体はたくさんのエネルギーを使ってボロボロの状態です。「産後の床上げ」という言葉があるように、昔は、産後約1ヶ月間は横になって安静に過ごして、体を回復させる期間といわれていました。
出産後に骨盤矯正を行うときは、必ず体の状態を確認してから取り組むようにしてください。
出産後すぐに着用可能とされているリフォームインナーであっても、入院中に医師や助産師に使用してもいいか確認してから使うと安心です。骨盤矯正に効果のある運動や整体、マッサージなどは、産後1ヶ月健診で医師に確認してから始めるようにしましょう。
骨盤矯正は、すぐに効果が現れるものではありません。また、効果の現れ方に個人差もあります。自分にあった方法を探してコツコツと続けていくことが大切です。
産後の骨盤矯正は体調を優先しながら

出産後にしっかり骨盤矯正をすると、産後の体型戻しに効果があるだけでなく、腰痛や頻尿を予防できるといったメリットもあります。今回ご紹介した方法はもちろんのこと、普段から姿勢や歩き方を気にして骨盤がゆがまないよう心がけることでも、骨盤ケアにつながりますよ。
育児に忙しい時期ですが、骨盤矯正や産後ダイエットを上手に取り入れて、健康的に産後を過ごしていけるといいですね。