授乳をするようになって初めて、「白斑(はくはん)」という言葉を耳にしたママも多いのではないでしょうか。母乳育児をしていると、突然おっぱいの乳頭部分に白いにきびのようなものができて、痛い思いをする人がたくさんいます。
今回は授乳中のこの白斑について、原因や予防法をはじめ、病院へ行く目安などをまとめました。
授乳中に乳頭にできる白い点は、一体なに?
授乳中に乳首の先端にできる直径1mmくらいの白いにきびのようなものは、「白斑」と呼ばれます。
母乳育児中にみられるトラブルのひとつで、痛みや乳管の閉塞を伴うことが多く、赤ちゃんに触れられたり吸われたりすると非常に強い痛みがあったり、水泡のように膨れたりすることもあります(※1)。
ただし、角質層が付着して白く見える場合もあります。その場合は痛みや乳管の閉塞はともないませんよ(※1)。
授乳中に白斑ができる原因と予防法は?
白斑は、主に母乳の詰まりによって引き起こされます。代表的な原因とともに予防法をご紹介します。
赤ちゃんのくわえ方が正しくない
母乳の詰まりは、赤ちゃんのくわえ方が正しくな場合に引き起こされることが多いです。赤ちゃんがおっぱいを吸うときには、大きく口を開けてもらい、乳輪全体を含ませるのが理想的です。
つぶし飲みや浅飲みになってしまい、うまく乳頭をくわえられない赤ちゃんもたくさんいますよね。そんなときは、赤ちゃんがおっぱいをくわえやすいように乳頭マッサージをして乳首を柔らかくして、上手に飲めるように手助けしてあげましょう。
いつも同じ角度で授乳をしている
乳腺は乳頭を中心に放射線状にあるので、縦抱き・横抱き。やフットボール抱きなど、抱き方を変えて、いろんな角度から飲ませてあげることも大事です(※2)。授乳回数や時間を決めてしまうのではなく、赤ちゃんが欲しがるだけ飲ませてくださいね。
ストレスと疲れがある
疲れや冷えなどの身体的ストレス、または精神的ストレスが原因で、母乳を押し出す作用のある「オキシトシン」の分泌が悪くなり、母乳が溜まりやすくなってしまいます(※2)。
慣れない育児、周りの意見との相違など、産後の育児は疲れとストレスが溜まりがちです。溜め込まずパートナーや同じ境遇にあるママ友に話を聞いてもらうなどして、意識的に発散してくださいね。
乳首の白斑は取れないの?授乳はしてもいい?
白斑はあるけれど痛みがない場合は、特に何かをする必要はありません(※3)。いつも通り授乳をしましょう。
痛みが出ている場合は、白斑を取り除くことで詰まりが改善する場合があります。
白斑を取るときは、温かいお湯に乳首をつけたり、オリーブオイルを浸したコットンや綿球を乳首にあてたりして、皮膚を柔らかくしてから厚くなった皮膚をはがしましょう。
その後、詰まっているものを押し出すように乳首を圧迫すると、母乳が濃縮して糸状になったものが出てきますよ。
授乳中に痛みが我慢できない!白斑で病院へ行く目安は?
白斑が改善されず、授乳中に我慢できないほどの痛みがあったり、痛みが続くなどの場合は母乳外来のある病院を受診しましょう。
乳腺炎に移行させないためにも、しっかり診てもらって適切な処置を受けてくださいね。
授乳中に白斑が痛いときは、早めの対処を
乳頭に白斑ができてしまうと痛みが強く出やすいので、赤ちゃんに授乳することが苦痛になってしまうこともあります。しかし、適切な対処をすれば白斑は良くなりますよ。
乳腺炎になってしまうと高熱が出てしまったりと大変なので、いつもと何か違うと感じたら早めの対処を心がけてくださいね。