子宮復古不全とは?原因と症状は?悪露がレバー状に出る?

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年に山梨医科大学(現 山梨大学)医学部を卒業。板橋中央総合病院を経て、現在は沖縄県立中部病院 総合周産期母子医療センターに勤務。産婦人科専門医、周産期専門医として、一般的な産婦人科診療から、救... 監修記事一覧へ

妊娠、出産という大きな役目を終えた子宮は、産褥期と呼ばれる産後1ヶ月くらいまでに、再び元の大きさや硬さに戻っていきます。しかし、何らかの原因で子宮の収縮が遅れる「子宮復古不全」が起こることがあります。今回は、子宮復古不全について、原因や症状、治療法、予防法などをご説明します。

子宮復古不全とは?

本 ノート 時計

妊娠・出産によって大きくなった子宮が、産後に元の大きさや硬さに戻ることを「子宮復古」といいます。

子宮復古不全とは、この子宮復古がなかなか進まず、子宮の回復が悪い状態を指します。

一般的に、10ヶ月の妊娠期間を経て、胃を持ち上げるくらいの大きさにまで膨らんだ子宮は、出産後、急速に収縮を始めます。個人差もありますが、通常1ヶ月くらいかけて妊娠前の大きさに戻ります(※1)。

ところが、何らかの原因で子宮が十分に収縮できないと、子宮がやわらかく大きい状態から戻らず、子宮からの出血が止まらなくなることがあるのです。

子宮復古不全の症状は?レバー状の悪露が出る?

赤 バラ

子宮収縮がきちんと進んでいるかどうかの目安の一つに、「悪露(おろ)」があります。

悪露とは、出産後、約1ヶ月子宮から出される分泌物のことで、産後1週間くらいは量も多く、色は濃い赤色をしています。その後、徐々に量が減り、血液が混ざらなくなって色も薄くなり、約1ヶ月かけておりものに近い状態へと変化していきます(※2)。

ところが、子宮復古不全の場合は、赤褐色の悪露が1ヶ月過ぎても続いたり、ときにはレバーのような大きな血の塊が出たりすることもあります。

また、子宮復古不全は細菌感染を併発することもあり、産褥熱や腹痛などの症状を伴うこともあります。

子宮復古不全の原因は?

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本来、出産を終えると子宮は強く収縮し、胎盤が剥がれた面は自然と圧迫されて止血されます。

しかし、下記のような原因により、子宮復古不全が起きてしまうことがあります(※2,3)。

子宮内に胎盤などが残っている

通常、卵膜や胎盤は、後産で自然と子宮から剥がれて体外に出てきます。

しかし、その一部が体外に出てこないまま残ってしまうと、子宮収縮を邪魔してしまい、子宮復古不全となることがあります。

子宮筋腫や細菌感染がある

子宮のなかに筋腫があったり、細菌感染が起きていたりすると、子宮収縮が妨げられ、子宮復古不全の原因となります。

まれですが、子宮奇形が子宮復古不全を引き起こすこともあります。

子宮が疲れてしまっている

双子などの多胎妊娠や、胎児が大きいことが理由で、子宮の筋肉が伸びすぎてしまったり、お産に長時間かかったことで筋肉が疲労してしまったりすると、子宮収縮がうまく進まないことがあります。

子宮復古不全の治療法は?

病院 診察

どんな原因にせよ、子宮復古不全が起きている場合には、子宮収縮剤や子宮底マッサージなどにより子宮収縮を促し、経過観察を行います(※2)。

エコー検査によって、卵膜や胎盤の一部が子宮内に残っていることがわかれば、やわらかい状態の子宮を傷つけないよう注意しながら、子宮のなかにある残留物を取り除く処置が取られます(※2)。

また、細菌感染の疑いがあるときには、抗菌薬を投与し、感染症を予防します(※3)。

子宮復古不全は次の妊娠に影響がある?

妊娠初期 妊婦

子宮復古不全が起きると、次の妊娠に影響がないか心配になりますよね。子宮が元の大きさになかなか戻らないと聞くと、不妊になるのではと思う女性もいるかもしれません。

しかし、子宮復古不全になってしまったとしても、適切な治療を受けて症状が改善されれば、次の妊娠への影響は基本的にありません。

ただし、子宮復古不全を起こしている原因として子宮筋腫や卵巣腫瘍がある場合、排卵や受精卵の着床を妨げてしまう可能性があれば、手術などが必要となることもあります(※3)。

産後1~2週間が経っても血の塊が混じった悪露が見られるときには、早めに産婦人科を受診するようにしましょう。

子宮復古不全の予防法はあるの?

家事

微弱陣痛でお産の進み方が遅かった人や、赤ちゃんが大きくて子宮の筋肉疲労が激しかった人は、子宮の回復が遅れる傾向にあります。

子宮復古不全の予防法として、次のようなことを心がけましょう(※2,3)。

早いうちから赤ちゃんに授乳する

赤ちゃんがママのおっぱいを吸うことで分泌される「オキシトシン」というホルモンは、子宮収縮を助けてくれます。

オキシトシンをきちんと分泌するために、産後の早いうちから赤ちゃんに授乳するのも子宮復古不全を予防する一つの方法です。

赤ちゃんが欲しがるときにこまめに授乳をしていくことが、ママの子宮を早く回復させる手助けとなります。

排尿・排便を我慢しない

膀胱や直腸のなかが溜まりすぎていると、子宮収縮が妨げられることがあります。

産後しばらくは体の痛みがあるので、こまめにトイレに行くのが億劫になるかもしれませんが、排尿・排便は我慢しすぎないようにしてくださいね。

産後に適度に体を動かす

無理に床上げを急ぐ必要はありませんが、安静にし過ぎると子宮の戻りが悪くなります。できる範囲で少しずつ体を動かすよう心がけましょう。

体調が良いときは、産後すぐから始められる「産褥体操」をするのもいいですね。

子宮復古不全の可能性があれば、産婦人科で相談しよう

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産後1~2週間が過ぎても赤いレバー状の悪露が出て、量が減っていかない場合、子宮復古不全が起きているサインかもしれません。

産後は赤ちゃんのお世話が大変で、ママは自分の体のケアがおろそかになりがちですが、悪露の状態が改善されないときには早めに産婦人科を受診してください。

子宮復古を含め、産後の体をきちんと回復させるためには、産褥期の過ごし方が鍵を握っています。以下の関連記事を参考に、無理なく健康的な生活を送れるといいですね。

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