妊娠力をアップ!卵子の質を上げる食べ物とは?【産婦人科医監修】

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

「そろそろ赤ちゃんが欲しいな」と思って妊活を始めるようになってから、健康的な生活を心がけている人は多いのではないでしょうか。なかには食生活を改善して栄養をしっかり摂ることで、妊娠力アップにつなげたいと考えている人もいるかもしれません。

そこで今回は、妊活中の食事に焦点を当てて、妊娠力を高めたり卵子の質を上げたりすることにつながる食生活や食べ物をご紹介します。

妊娠力を高めるには?

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個人差はあるものの、一般的に年齢が若いほど妊娠が成立しやすい=妊娠力が高いといわれています。

しかし、妊娠できない原因となるのは年齢だけではありません。もともとの体質や生活習慣、環境などによって個人差があるものです。

そのため、妊娠しやすくするには、年齢を考慮することだけでなく、妊娠前から健康的な体を作ることがポイントとなります。なかでも、栄養バランスの整った食事は非常に大切です。

次からは、妊娠力を向上させる食生活について詳しくご説明していきます。

妊娠力を高めるための食生活とは?

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妊娠力を高めるためには、普段の食生活で次のことを意識するようにしましょう(※1)。

バランスの整った食事をとる

1回の食事で、「主食(ご飯やパン、麺類など)」「主菜(肉や魚、大豆製品など)」「副菜(野菜やきのこ類など)」が揃っていることが理想です。

この3つが揃うと、「主食」でエネルギーを、「主菜」でたんぱく質を、「副菜」でビタミンやミネラルをとることができ、自然と栄養バランスが整った食事となります。

なかでも、たんぱく質は体を形成する主成分で、妊娠中は赤ちゃんの血液や筋肉をつくるので重要な栄養素です。

外食をしたときや忙しいときなどは、1回の食事で「主食」「主菜」「副菜」が揃わないことがあるかもしれません。

そういったときは、次の食事で不足した分を補うなどして、1日のトータルでバランスをとるようにしましょう。

葉酸・鉄分・カルシウムが含まれた食材を積極的に取り入れる

妊活中は、いろいろな食材からさまざまな種類の栄養素を摂ることが大切ですが、特に葉酸、鉄分、カルシウムは積極的に摂りたい栄養素とされています。

葉酸

厚生労働省は、 妊娠を計画している女性は妊娠する1ヶ月以上前から葉酸を摂取することを推奨しています(※2)。

妊娠前から妊娠初期(特に妊娠3ヶ月まで)にかけて葉酸を適切に摂取することで、生まれてくる赤ちゃんの神経管閉鎖障害の発症リスクを低減できるとされています。

妊活中から妊娠初期までの葉酸の推奨量(1日あたり)は、食事から240μg、サプリメントなどの強化食品から400μgです(※3)。

食事から葉酸を摂るには、小松菜やブロッコリー、枝豆、納豆、いちごなどを食べるようにしましょう。

ただし、葉酸摂取量の上限は、30〜40代の女性で1日あたり1,000μg(1mg)とされているので、摂りすぎには注意してくださいね(※3)。

鉄分

女性は毎月の月経があるため、鉄不足になりがちです。さらに妊娠すると血液量が増えて、赤ちゃんの成長のために鉄分が使われるため、貧血が起こりやすくなります(※4)。

いまのうちから鉄分をしっかり摂取して貧血を予防しましょう。

20〜40代女性の鉄分摂取の推奨量は、月経のあるときは10.5mg/日、妊娠すると初期で9mg/日、中・後期で16mg/日とされています(※3)。

鉄分は、赤身の魚やレバー、ひじき、大豆などに多く含まれているので、積極的に食事に取り入れてみてくださいね。

カルシウム

カルシウムには、体の機能を維持したり調節したりする働きのほか、妊娠中はお腹の赤ちゃんの骨や歯をつくるといった役割があります(※1)。

今のうちから日常的にしっかりと摂取することで、将来の骨粗しょう症の予防にもつながります。

カルシウムは、ちりめんじゃこやイワシなどの小魚、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品に多く含まれているので、朝食にヨーグルト、夕食にちりめんじゃこといったように1日の中でバランスよく摂れるといいですね。

卵子の質が下がるって本当?妊娠力に影響がある?

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一般的に35歳を過ぎると妊娠力が下がると同時に流産率も高くなります。

妊娠初期の流産の原因は胎児側の染色体異常がほとんどで、年齢とともに卵子の質が低下することによって染色体異常の発症率が増加するため、流産の確率も高くなると考えられています(※5)。

また、女性は卵子を約200万個持って生まれてきますが、排卵が起こる思春期頃には30万個ほどまでに減少し、37歳頃を過ぎると、さらに急速に減少します(※6)。

高齢になればなるほど、卵子の量が減っていき、妊娠するのが難しくなるのです。

卵子の量が減るのは仕方のないことですが、卵子の質を保ったり質が下がるスピードを遅くすることはできると考えられています。

そのためには、健康でいることが第一です。栄養バランスの整った食事をとることをはじめ、喫煙やお酒の飲み過ぎに気をつける、十分な睡眠や休息をとる、ストレスを溜めないといったことを心がけましょう。

卵子の質を上げることが期待できる食材とは?

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卵子の質を上げる食べ物として医学的に証明されているものはありませんが、全身の老化を防ぐのに役立つとされている、抗酸化作用のある栄養素を含む食材を取り入れてみるといいかもしれません。

抗酸化作用のある食材の代表的なものは、以下のような食べ物です。

抗酸化作用のある栄養素と食材(※7)

⚫︎ ビタミンA:レバー、アンコウ肝、ウナギ肝
⚫︎ ビタミンC:柑橘類、いちご、赤ピーマン
⚫︎ ビタミンE:アボカド、かぼちゃ、アーモンド
⚫︎ カロテノイド(βカロテン):モロヘイヤ、かぼちゃ、ニンジン
⚫︎ カロテノイド(αカロテン):ニンジン、かぼちゃ、いも
⚫︎ カロテノイド(リコピン):トマト、柿、すいか
⚫︎ カロテノイド(アスタキサンチン):えび、かに、鮭(いくら)
⚫︎ コエンザイムQ10:牛肉、いわし、落花生
⚫︎ カテキン:緑茶

卵子の質を上げるサプリメントや漢方もあるの?

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卵子の質を上げる効果があるサプリメントや薬はありません。ただし、体の内側から老化を予防することを目的として、妊活にサプリメントや漢方を取り入れる人も多くいますよ。

サプリメント

サプリメントであれば、抗酸化作用を含むものだと効果が期待できます。また、南米原産の植物「マカ」のサプリメントは、代謝を良くして生殖機能を高める効果が期待できるといわれています。

漢方薬

東洋医学では、血流を促し、冷えを改善し、精力を蓄えることで、卵子の質が高められると考えられています。

その代表的な漢方薬としては、体を温め、月経トラブルをはじめ女性特有のさまざまな症状を改善する「当帰芍薬散」があります。

ただし漢方薬は、一人ひとりの体質や症状にあわせたものを服用することが大切です。まずは、産婦人科医に相談してみてくださいね。

妊娠力と卵子の質を高めるために食生活を見直そう

少しでも妊娠の確率を上げるために、今回ご紹介した栄養素や食べ物を取り入れながら食生活を整えて、妊娠力や卵子の質を高める体づくりをしていけるといいですね。

また、望んでいてもなかなか妊娠できないときは、パートナーと一緒に婦人科や不妊治療を行っているクリニックなどを受診しましょう。検査を受けることで、原因や治療法がわかることもあります。

パートナーとも相談しながら、自分たちにあった方法やペースで妊活をしていけるといいですね。

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