高齢出産のリスクは?年齢は何歳から?ダウン症になりやすい?

女性の社会進出が進むにつれ、晩婚化などの影響で高齢出産になる夫婦も増えてきました。「高齢出産にはリスクがある」と耳にしたこともあると思いますが、「一体どんなリスクが潜んでいるかは知らない」という人も多いようです。今回は、高齢出産を後悔しないためにも、全分娩の5人に1人といわれる高齢出産の年齢は何歳からか、ダウン症といった障害へのリスクなどについてご紹介します。

高齢出産の年齢は何歳から?

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日本産科婦人科学会の定義では、35歳を過ぎてからの出産のことを「高齢出産」といいます。35歳を過ぎると様々なリスクが高まることから、1993年に30歳から35歳に変更されました。

日本人の平均初婚年齢は、2012年データにおいて、夫は30.8歳、妻は29.2歳となっており、晩婚化に伴って出産も遅くなっています。女性の社会進出が進み、仕事をする方が増えていることが背景としてあるようです。

高齢出産のリスクとは?

高齢出産の場合、母体と胎児の双方に様々なリスクを伴います。ここでは代表的な4つのリスクをご紹介します。

1. 妊娠率が下がって妊娠しづらくなる

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年齢を重ねると精子と卵子の質が下がり、受精・着床できない確率が上がってしまいます。20代では不妊の確率が数%なのに対し、40代では60%を超えるといわれています。また、人工授精や体外受精などの不妊治療を行っても、成功率が下がります。

結婚し避妊せずに性行為をしてから1年経っても妊娠しないときには、不妊治療を行っている産婦人科の医師に相談してみましょう。

2. ダウン症などの染色体異常児が生まれる可能性が高くなる

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染色体異常児と聞いてもピンとこない方も多いかもしれません。ダウン症など、障害をもった子供が生まれるリスクが高まるということであり、卵子の老化がその原因の一つになります。女性が生み出せる卵子の数は生まれたときにすでに決まっていて、年齢を重ねるにつれて卵子自体も老化していきます。

卵子や精子が老化していると染色体に異常をきたすことがあり、胎児に異常が見つかることも。染色体異常が起こった場合の20%は父親由来、80%は母親由来といわれています。

例えば、ダウン症の発症率は、25歳の出産では1,351人に1人なのに対し、30歳では909人に1人、40歳では112人に1人と、高年齢になるにつれて発症率が高くなります(※1)。なお、卵子の老化は、染色体異常児が生まれる原因のあくまで一因です。

3. 妊娠中、病気にかかりやすい

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高齢妊娠は子供だけでなく母体にも負担が大きくかかり、体調不良や病気になりやすくなります。特に、妊娠中に血圧が高くなったり尿にたんぱくが出たり全身がむくんだり、帝王切開につながることもある「妊娠高血圧症候群」になりやすいので注意が必要です。発生頻度は妊婦の10%ですが、35歳以上だと14~18%、45歳以降では約30%といわれています。年を重ねると卵巣や血管の機能が低下するので、発生確率も上がるのです。

妊娠高血圧症候群の他にも、妊娠糖尿病、全身が疲れる甲状腺疾患、流産の原因になりうる子宮筋腫や卵巣に腫瘍ができる卵巣腫瘍などにかかる確率もあがるといわれています。

4. 流産、早産、難産になる確率が上がる

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流産や早産、切迫流産や切迫早産の確率が高まるのもリスクの一つです。流産と早産は主に染色体異常が原因で起きやすくなり、帝王切開や出血過多などにつながります。20代では約10%だった流産の可能性も、40代では倍の約20%となります。

また、常位胎盤早期剥離が起きやすいのもリスクの一つです。常位胎盤早期剥離とは、赤ちゃんとお母さんをつなぐ役目の胎盤が剥がれてしまうことで、赤ちゃんや妊婦さんにも危険が及びます。

発生率は全妊婦の1%ですが、事故など腹部への強い衝撃や妊娠高血圧症候群や子宮筋腫によって起こることも。最悪の場合は産婦の命にも関わり、40代の産婦死亡の確率は20代に比べて20倍にものぼるといわれています。

40歳を超える高齢出産でも無事出産できるの?

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35歳以上を高齢出産と分類しますが、最近では40歳代に入ってから出産する女性も増えてきました。2014年度のデータによると、女性が40〜45歳で生まれた赤ちゃんの数は49,606人。他の年代では出生数は下がる傾向にあるのに、40歳以上では年々出生数が増加しています(※2)。

人工授精や体外受精、顕微授精など不妊治療の発達とともに、高齢出産の数も増加傾向にあります。もちろん、40代であっても日頃の生活習慣によっては自然妊娠が可能だった夫婦もいます。

とはいえ40代にもなると妊娠・出産は奇跡的なこと。もし子供を希望するのであれば、できるだけ早く不妊治療を行っている産婦人科やクリニックに相談に行きましょう。

高齢出産のリスクを知ることが後悔しないためには大切

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若い頃は仕事やプライベートで一生懸命になっていて、妊娠・出産のことはよく考えていなかった、という男性や女性は多くいます。年齢を重ねてから子供が欲しいと思うことも不思議ではないですよね。ただ、高齢出産のリスクをよく知らずに妊娠・出産を迎えて、後悔を感じている方も多いようです。

高齢出産で後悔しないためには、まずはリスクに関する知識をきちんと身につけることです。起こり得るリスクを事前に知ることで、このまま妊活を続けるべきか、パートナーと一緒に考えて決断することができます。

また、ホルモンバランスを整えるために食生活を改善する、適度な運動を続けて体力をつける、神経管閉鎖障害予防のために厚生労働省が推奨する葉酸サプリを摂取するなど、高齢であっても若い夫婦と同じような体をめざすことは可能です。

40代でも妊娠・出産した方は大勢います。流産の確率も高く、悲しい気持ちなることも多いのですが、子供が欲しい限りは、パートナーと共に頑張って妊活を続けてくださいね。

高齢出産はリスクも知って、できるだけの準備を

風景 

確かに高齢出産にリスクはありますが、「年齢よりも、個人差が大きい」ものです。また、高齢出産はデメリットばかりではなく、高齢で出産することにより自己管理を徹底し、食事制限や体調管理にしっかりと気を配り、若くして出産した方と同じように出産できた女性も多くいます。体の柔らかさ・体力・食生活など、健康に気を配りながら生活していきましょう。

また、子供を産む年齢が高くなることによって経済的に余裕ができた状態で子育てができるなどいい面もあります。高齢出産は不安もつきまといますが、赤ちゃんのことを大切に思う気持ちが強く、若い頃よりも自己管理が徹底できて妊娠生活で問題がないことが多いといいます。高齢出産に関するリスクは頭に入れながらも、落ち着いて毎日を過ごせるといいですね。

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