里帰り出産をする場合、出生届などの産後の手続きをいつすれば良いのか気になりますよね。申請方法や期日を把握しながら、パパや家族などと連携を取りつつ、必要な手続きの見通しを立てておきましょう。
今回は、里帰り出産の手続きやそれにかかる費用、出生届の提出時期などについてご紹介します。
● 分娩予約の手続きで気をつけることは?
● 妊婦健康診査費用助成金は使えるの?
● 退院手続きで気を付けることは?
● 出生届の手続きはどうすればいいの?
● 児童手当の手続きで気をつけることは?
● 健康保険の手続きで気をつけることは?
● 乳幼児医療費助成金の手続きとは?
里帰り出産で必要な手続きは?
里帰り出産をするときは、まず出産前後の手続きを把握しておくことが大切です。
出産を希望する病院の予約にはじまり、妊娠30~34週頃を目安に帰省して妊婦健診を受け、産後は子どもの出生届を提出しなければなりません。
特に産後の手続きは意外と期日が短く、提出先が現住所の役所の場合も多いので、事前に誰が提出するのか決めておくのがおすすめです。
以下に、里帰り出産で必要な主な手続きを紹介するので参考にしてみてくださいね。
産前
● 通院中の病院に里帰り先の病院へ渡す「紹介状」を書いてもらう
産後
● 自治体に赤ちゃんの出生届(14日以内)を提出する
● 勤務先もしくはお住まいの自治体に赤ちゃんの健康保険加入(なるべく早期)を申請する
● お住まいの自治体に児童手当(15日以内)・乳児医療費助成金(1ヶ月以内)を提出する
● 病院の退院手続きをする
● 里帰り出産で立て替えた妊婦健診費用の助成申請する
里帰り出産の分娩予約の手続きで気をつけることは?
里帰り出産の分娩予約の手続きの際には、里帰り前に妊婦健診をしていた病院から、出産する病院へ紹介状を書いてもらうことを忘れないようにしましょう。
紹介状はこれまでのママの妊娠経過などを里帰り先の病院に伝える大切な書類になります。1,000〜5,000円ほどかかりますが、必ず書いてもらうようにしてくださいね。
また、病院によっては里帰り出産ができないところもあるので、事前に対応できるのか電話などで確認しておきましょう。
里帰りするまでの流れ
1. 診察を受けて妊娠が確定する
2. 医師から、どこで出産するか尋ねられ分娩予約を促される
4. 出産を希望する里帰り先の病院に問い合わせ、初診の予約をする
5. 現在通っている病院の医師に妊娠後の経緯を記載した紹介状を書いてもらう
6. 里帰り先の病院での初診時に紹介状を提出する
分娩予約をする病院への持ち物
● 母子手帳
● 健康保険証
● 妊婦健診をしている病院からの紹介状
● 予約金
● 印鑑
● 出産育児一時金の申請書類
● 出産手当金の申請書類(支給資格のある人のみ)
● そのほか病院が指定する書類
里帰り出産の場合、妊婦健康診査費用助成金は使えるの?
他県での里帰り出産で、妊婦健康診査費用助成金を使用する場合、一時的に自費で対応して、後日住んでいる自治体に申請すれば返金されることがほとんどです。
返金の割合や詳細は自治体によって異なる場合があるので、詳しくは自治体に確認しましょう。
妊婦健康診査費用助成金の手続きで必要な持ち物
● 申請書
● 母子手帳
● 未使用の妊婦健康診査費用助成金チケット
● チケットが使えなかった期間の健診の領収書と明細書(手元に残す場合はコピーしておく)
● 通帳など振込口座番号がわかるもの
※その他、必要なものは自治体により異なります。
里帰り出産の退院手続きで気を付けることは?
里帰り出産の退院手続きは、通常の退院手続きと変わりませんが、書類のもらい忘れがないようにしましょう。
出生証明書や出産手当金の申請に必要な書類は病院側に記入してもらう必要があります。どちらも1,000円前後の費用が必要です。
退院手続きでもらうもの・返却してもらうもの
● 母子手帳
● 出生証明書
● 出産手当金に必要な書類(ママが仕事をしていて健康保険や共済組合に加入している場合)
里帰り出産の場合、出生届の手続きはどうすればいいの?
里帰り出産の出生届の手続きは、提出する場所と提出する人のタイミングが重要です。
出生届を出すことができるのは「赤ちゃんの出生地」「赤ちゃんの本籍地」「ママ・パパの住所地」のいずれかの役所窓口となります。
赤ちゃんの本籍地以外に提出する場合は、2通提出を求められることもあります。
生まれた日を含め14日以内という期日があるので、余裕を持って行動しましょう(※1)。
出生届は、出産した病院で退院時にもらえることが多いようです。
自治体の役所窓口でもらったり、ホームページからダウンロードしたりもできるので、あらかじめ入手しておくとその後の手続きがスムーズですよ。
遠方のパパが「父母の住所地」で手続きをする場合は、必要書類を受け渡す必要がでてきます。
出生届を提出した後は、母子手帳を実家宛に送ってもらうなどして、退院までに手元に戻すことも忘れないように気をつけてくださいね。
出生届を提出して住民登録がされると、赤ちゃんのマイナンバーが発行され、自宅に個人番号通知書が簡易書留で届きますよ(※5)。忘れずに受け取るようにしてくださいね。
出生届けの期日
● 生まれた日を含め14日以内
出生届の手続きで必要な持ち物
● 印鑑
● 母子手帳
● 出生届(出生証明書欄を医師または助産師に記載してもらったもの)
● 国民健康保険被保険者証(加入者のみ)
※その他、必要なものは自治体により異なります。
里帰り出産の児童手当の手続きで気をつけることは?
里帰り出産の児童手当の手続きは、何度も役所に足を運ぶ手間を省くためにも、出生届と一緒に済ますのがおすすめです。ただし、児童手当の申請はお住まいの自治体で行う必要があります。
また、児童手当は出産後すぐから対象となります。申請があった翌月から支給されますが、申請前の過去分をもらうことができません。少しでも早く申請しておきましょう。
支給は0歳~高校修了まで、年6回、偶数月にまとめて振り込まれ、子どもの年齢や人数によって金額が異なります(※2)。
児童手当の期日
● 出産後15日以内
児童手当の手続きに必要な持ちもの
● 児童手当認定請求書
● 申請者本人の預金通帳やカード等、振込先口座が確認できるもの
● 申請者本人のマイナンバーカード(健康保険証)
※その他、自治体により申請に必要なものが異なる場合があります。
里帰り出産の健康保険の手続きで気をつけることは?
里帰り出産の場合の健康保険の手続きは、赤ちゃんの1ヶ月健診までに済ませましょう。赤ちゃんが病院にかかるときに必要になるので、なるべく早めに加入するのがおすすめです。
国民健康保険の場合は、自治体での手続きが必要です。健康保険の場合は勤務先に連絡して、手続きの段取りを確認しましょう。共働きの場合は、夫婦どちらかの年間の収入が多い方の扶養に入れるのが一般的です。
赤ちゃんの1ヶ月健診は、里帰り先の病院(出産した場所)で行うので、まだ自宅に帰っていない人がほとんどですよね。
申請する人がママ以外の場合は、最低でも赤ちゃんの1ヶ月健診までに手元に届くよう、お願いしましょう。
健康保険の手続きで必要な持ち物
● 申請書
● 印鑑
● 出生届出済証明が記入されている母子手帳
● ママかパパの健康保険証
● ママかパパの本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)
● 出生届のコピー
※その他、自治体や健康保険組合などによって申請に必要なものが異なる場合があります。
里帰り出産の場合の乳幼児医療費助成金の手続きとは?
乳幼児医療費助成金もお住まいの自治体に提出します。
里帰り出産かどうかに関わらず、乳幼児医療費助成金の手続きには赤ちゃんの健康保険証が必要となるので、まずは健康保険の加入を済ませましょう。
乳幼児医療費助成金(子ども医療費助成・マル乳)とは、病院で赤ちゃんが診察や治療を受けたときに、費用の一部または全額を自治体が助成してくれる制度です(※3)。
赤ちゃんの1ヶ月健診には、健康保険証と乳幼児医療証の両方を持参しなくてはいけません。
健康保険証の申請が遅くなると、乳幼児医療証の発行が間に合わないこともあります。
その場合、1ヶ月健診の費用をいったん支払い、後日、自治体に払い戻しの申請をする必要があるので気をつけましょう。
乳幼児医療費助成の対象になる範囲や対象者は自治体によって異なる場合があります(※4)。自治体のホームページで確認したり、直接問い合わせてみましょう。
申請期間
出生・転入の日から資格を得る場合、自治体によって15~30日以内など期日が異なるので事前に確認しましょう。
乳幼児医療費助成金の手続きで必要な持ち物
● 赤ちゃんの健康保険証
● 印鑑
● 交付申請書
● 申請者の本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード)
※自治体によって申請に必要なものが異なる場合があります。
里帰り出産の手続きは余裕をもって準備を
里帰り出産の場合、通常でも期日が短い手続きを、さらに段取り良く行うことが必要になってきます。全体のスケジュールを把握して、余裕をもって対応するようにしましょう。
少しでも気になるところがあれば、里帰り先の病院に電話したり、妊婦健診でスタッフに質問したりすれば、丁寧に説明してもらえますよ。
提出をパパや両親などの代理人にお願いする場合は、事前に手続きの時期を伝えて、その間はスケジュールを合わせてもらえるようお願いしておくことも忘れないようにしましょう。