「ロタウイルスワクチン」は2020年8月以降に生まれた赤ちゃんから、定期接種に変更されました。今回はロタウイルスワクチンの接種時期や回数、副反応などをご説明します。
ロタウイルスって何?
ロタウイルスとは、急性胃腸炎を引き起こすウイルスの1つです。感染力が非常に強く、国立感染症研究所によると、5歳までにほとんどの乳幼児がロタウイルスに感染するとされています(※1)。
感染すると発熱、下痢、嘔吐、腹痛が起こり、症状が続くことで脱水症状になってしまう場合もあります(※1)。重症化してロタウイルス脳炎を合併すると、後遺症が残ることも。
治療には特効薬がありませんが、ロタウイルスワクチンの予防接種を行うことで、ロタウイルスの感染による胃腸炎を予防したり、重症化を防いだりすることができます。
ロタウイルスワクチンの接種時期や間隔、回数は?
ロタウイルスワクチンは生後6週から接種できます。
注射ではなく飲むワクチンのため、赤ちゃんはワクチンを服用することで接種を受けることができますよ。
成分の違いで「ロタリックス」と「ロタテック」という2つの種類があり、それぞれ受ける回数や間隔が異なりますが、同様の効果があります。
日本小児科学会が推奨するスケジュールは以下の通りです(※2)。
ロタリックス(1価)のスケジュール
ロタリックスは生後6〜24週未満の間に2回受ける必要があります。生後8~15週未満の間に1回目を受け、4週間(28日)以上の間隔を空け、かつ生後24週0日までに2回目を受けましょう。
日本小児科学会は、生後2ヶ月を迎えたら1回目、生後3ヶ月に2回目を接種することを推奨しています。
ロタテック(5価)のスケジュール
ロタテックは生後6〜32週未満の間に3回受ける必要があります。生後8~15週の間に1回目を受けて、2回目と3回目はそれぞれ4週間以上の間隔を空け、かつ3回目は生後32週0日までに受けましょう。
日本小児科学会は、生後2ヶ月を迎えたら1回目、生後3ヶ月と生後4ヶ月にそれぞれ2回目、3回目を接種することを推奨しています。
どちらの種類でも、生後15週以降の初回接種は接種後1週間以内に腸重積を発症するリスクが高まるため推奨されていません(※3)。初回接種は生後14週6日までに済ませましょう。
またロタリックスは生後24週0日、ロタテックは生後32週0日を過ぎると、予防接種自体を受けられなくなるので注意してください。
特に生後まもなくは予防接種を受ける回数も多いので、かかりつけの小児科医と相談して、漏れなく予防接種を受けられるように上手にスケジュールを組みましょう。
ロタウイルスワクチンの副反応は?
ロタウイルスワクチンは、予防接種を受けてから約1〜2週間の間は、副反応で腸重積を起こすリスクが高まるとの研究結果があります(※4)。これは特に初回接種の後にみられる傾向があります。
ロタウイルスワクチン接種後1〜2週間の間に以下の症状が1つでも見られたら、速やかに病院を受診してください(※4)。
● 突然はげしく泣く
● 機嫌が良かったり不機嫌になったりを繰り返す
● 嘔吐をする
● 血便が見られる
● ぐったりして顔色が悪い
これらの症状が見られなくても、赤ちゃんの様子がいつもと違うと感じたらすぐに医師に診察をしてもらいましょう。
ロタウイルスワクチンの予防接種で重症化を防ごう
ロタウイルスに感染した後の症状を緩和する、重症化を防ぐという意味でも、予防接種は大切です。
赤ちゃんを守るために、生後14週6日までにロタウイルスワクチンの予防接種を受けられるよう早めにスケジュールを組みましょう。
万が一予約をしていた日に予防接種を受けられなかったとしても、接種期間内であればスケジュールを組み直してもらえるので、早めにかかりつけ医に相談してくださいね。