早いうちに赤ちゃんが接種すべきワクチンはたくさんあり、そのなかのひとつに「ヒブワクチン」があります。なぜヒブワクチンは早めに接種しておいた方がいいのでしょうか?また、接種することで、どのような効果を期待できるのでしょうか?
今回はヒブワクチンについて、効果や接種する間隔、他のワクチンとの同時接種、副反応などをご紹介します。
ヒブワクチンとは?効果は?

ヒブワクチンとは、「ヒブ(Hib:ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型)」というインフルエンザ菌への抗体をつけるためのワクチンです。生後2ヶ月~4歳の期間に接種することができ、定期接種扱いになるので、基本的に無料で受けられます。
ヒブ感染症にかかり、髄膜炎、化膿性関節炎、急性喉頭蓋炎などを合併すると、3〜6%が命を落とします(※1)。特に髄膜炎になってしまうと約5%が命を落とし、約20%に難聴・てんかん・成長発達遅延などの後遺症を残すといわれています(※2)。
ヒブワクチンは2013年に定期接種となりましたが、2014年以降、重症なヒブ感染症は1例も報告がありません。ワクチンを接種することで、重症なヒブ感染症をほぼ100%予防できるため、必ず接種しましょう(※3)。
ヒブワクチンの接種間隔や回数は?

日本小児科学会が推奨するスケジュールによると、ヒブワクチンは、生後2~6ヶ月の間に3回、1歳を過ぎてから1回の接種を受けます。
1~3回目の接種では、それぞれ27~56 日(4~8週)あけ、4回目の接種は3回目から7~13ヶ月あけます(※4)。
ヒブワクチンの初回接種は、生後6ヶ月を過ぎても受けることはできますが、生後7~11ヶ月の間に初回のワクチン接種を受けると、接種回数は3回になり、間隔のあけ方が異なってきます。また、1~4歳に初回接種を受けると、接種回数は1回になります。
初回接種の時期が遅れてしまった場合は、医師と相談のうえ、スケジュールを組みましょう。
ヒブワクチンは同時接種できる?

赤ちゃんの頃に受けるべき予防接種はたくさんあり、できるだけ複数のワクチンを同時接種したいところ。
生後2ヶ月の時点では、ヒブワクチンに加えて、「小児用肺炎球菌ワクチン」「ロタウイルスワクチン」「B型肝炎ワクチン」「四種混合ワクチン」、つまり合計5種類のワクチンを同時接種することができます。
同時接種のスケジュールの組み方で分からないことがある場合は、かかりつけの医師に相談してみましょう。
ヒブワクチンの副反応は?

ヒブワクチンによる副反応としては、接種部位の赤み、痛み、腫れなどが見られます。これらの多くは24時間以内によくなります(※3)。
ヒブワクチンは高い安全性が確認されていますが、もし接種後に赤ちゃんがいつもと違った様子がある、ぐったりしているなどの症状がある場合は、予防接種を受けた病院、もしくは小児救急電話相談(#8000)に相談しましょう。
ヒブワクチンの予防接種を受けて赤ちゃんを守ろう
予防接種のスケジュールを組むのは大変ですが、赤ちゃんの命を守るためにも、早めに予防接種のスケジュールを決めておくことが大切です。
予防接種を管理するアプリなどを活用しながら、赤ちゃんのワクチン接種を忘れずに進めていきましょう。