早いうちに赤ちゃんが接種すべきワクチンはたくさんあり、そのなかのひとつに「ヒブワクチン」があります。それでは、なぜヒブワクチンは早めに接種しておいた方がいいのでしょうか?また、接種することで、どのような効果を期待できるのでしょうか?今回はヒブワクチンについて、効果や接種する間隔、他のワクチンとの同時接種、副反応などをご紹介します。
ヒブワクチンとは?効果は?

ヒブワクチンとは、「ヒブ(Hib:ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型)」というインフルエンザ菌への抗体をつけるためのワクチンです。生後2ヶ月~4歳の期間に接種することができ、定期接種扱いになるので、基本的に無料で受けられます。
ヒブは、健康な子供の鼻や喉に生息していることもあるのですが、多くの場合、何事もなく消えていきます。しかし、ヒブが血液の中に入ってしまうと、細菌性髄膜炎や喉頭蓋炎、敗血症といった危険な病気を引き起こすことがあります(※1)。
ヒブの感染者のほとんどが5歳未満の子供で、特に乳幼児は重症化しやすいのです。厚生労働省によると、ヒブワクチンの予防接種を受けておけば、細菌性髄膜炎などの重症感染症を95%以上減らすことができます(※2)。
ヒブワクチンの接種間隔や回数は?

日本小児科学会が推奨するスケジュールによると、ヒブワクチンは、生後2~6ヶ月の間に3回、1歳を過ぎてから1回の接種を受けます。
1~3回目の接種では、それぞれ27~56 日(4~8週)あけ、4回目の接種は3回目から7~13ヶ月あけます(※3)。
ヒブによる感染症は生後6ヶ月頃から発症する傾向にあるので、生後2~6ヶ月に1~3回目のワクチン接種を済ませておくように心がけましょう(※4)。
ヒブワクチンの初回接種は、生後6ヶ月を過ぎても受けることはできますが、生後7~11ヶ月の間に初回のワクチン接種を受けると、接種回数は3回になり、間隔のあけ方が異なってきます。また、1~4歳に初回接種を受けると、接種回数は1回になります。
初回接種の時期が遅れてしまった場合は、医師と相談のうえ、スケジュールを組みましょう。
ヒブワクチンは同時接種できる?

赤ちゃんの頃に受けるべき予防接種はたくさんあり、できるだけ複数のワクチンを同時接種したいところ。
生後2ヶ月の時点では、ヒブワクチンに加えて、「小児用肺炎球菌ワクチン」「ロタウイルスワクチン」「B型肝炎ワクチン」、つまり合計4種類のワクチンを同時接種することができます。
そして、ヒブワクチンの2回目の接種を生後3ヶ月に行った場合、生後2ヶ月の4ワクチンに「四種混合ワクチン」を加えた計5種類のワクチンの同時接種ができます。
同時接種のスケジュールの組み方で分からないことがある場合は、かかりつけの医師に相談してみましょう。
ヒブワクチンの副反応は?

ヒブワクチンは、ヒブが持つ毒性をなくした不活化ワクチンを使うので、生きたウイルスを使う生ワクチンに比べて、副反応(予防接種後に現れる反応)が出にくいといわれています。
ただし、副反応が全くないというわけではなく、主な副反応としては接種部位の赤い腫れや痛みがあります。ときには、ヒブワクチンを接種した翌日に発熱することもあります(※5)。
ほとんどの場合、副反応は数日で消えていきます。しかし、副反応が3~4日経過しても治まらない場合や、重度の副反応が出た場合は、予防接種を受けた医療機関、もしくは小児救急電話相談(#8000)に相談しましょう。
ヒブワクチンの予防接種を受けて赤ちゃんを守ろう

予防接種を受けずにいると、ヒブ感染症などの危険な病気にかかってしまう恐れがあります。
予防接種のスケジュールを組むのは大変ですが、赤ちゃんの命を守るためにも、早めに予防接種のスケジュールを決めておくことが大切です。最近は、予防接種を管理するアプリもたくさんあるので、新しいツールと医師の力を借りながら、赤ちゃんのワクチン接種をきちんと行っていきましょう。